2025.08.15 POSTED

ゲイリー・オールドマンのインタビュー映像が公開!

この度、パオロ・ソレンティーノ監督の最新作『パルテノペ ナポリの宝石』より、名優ゲイリー・オールドマンのインタビュー映像が到着!

『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック役や、アカデミー賞®主演男優賞に輝いた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)など、悪役から紳士まで幅広い役を演じ数々の作品で圧倒的な存在感を発揮してきたオールドマンが本作で演じるのは、“実在したアメリカの文豪”。フィクションの世界に突如として実在の人物の名で登場し、若年期のパルテノペに人生の大きなヒントを与える重要な役どころと、撮影舞台裏についてオールドマンが明かした。

 

今回、パオロ・ソレンティーノ監督とのお互いのラブコールによって出演が実現したオールドマン。かねてより大ファンだったという巨匠ソレンティーノを、「監督は特別な存在さ。偉大な映画監督の1人だよ」と称賛する。

オールドマンが演じたのは、1950年代を中心に、JD・サリンジャーやアーウィン・ショーらと同時代に活躍し、ピュリッツァー賞も受賞した著名なアメリカ人作家のジョン・チーヴァー。イタリア・ローマに1年間家族とともに暮らしていたチーヴァーはナポリにも数回訪れたことを日記に記しており、彼の大ファンであったソレンティーノ監督が「もしもチーヴァーがイタリアにいた時代にパルテノペに会っていたら」と物語に登場させることを決意。そして同じく大ファンのオールドマンに役をオファーした。オールドマンはチーヴァーの代表作「泳ぐ人」を読んだこともあり、以前からよく知っている人物だったという。しかし、本作では実際のチーヴァーをなぞるのではなく、ソレンティーノ監督が生み出した“ジョン・チーヴァー”を独自のキャラクターとして演じるために、監督との会話や脚本に書かれていることを忠実に再現することに努めたという。オールドマンは自身の役どころについて、「カプリ島にあるアパートで、毎日彼は1人で過ごしている。いつも物悲しげで、酒に溺れているんだ。苦しみを感じないようにね。彼はスランプに陥り、悩んでもいる」と説明。本作に登場するチーヴァーは、アルコール依存症に陥っており、1970年代において自身のセクシュアリティに対する苦悩も相まって、自由を手にすることができずにおり、将来に希望を見出す若きパルテノペとは対照的に存在として描かれる。チーヴァーについて「私も若いころは多くの苦しみを経験し、よく酒を飲んだから、チーヴァーの中から湧き上がってくる感情が理解できた。羞恥心、罪悪感、自己嫌悪、疑心暗鬼......そういったものの全てが、一歩目として酒を飲ませるんだ」と語っており、オールドマンにとって共感できる人物だったという。(なお、オールドマン自身は現在に至るまで27年間禁酒を続けている。)

また本作のストーリーについては、「登場するのは架空の人物たちだが、その時代に生きた実在の人物も登場する。そしてその人物に主人公のパルテノペが出会う。2人は夜の海を行き交う船のようにすれ違い、その瞬間にキスをして別れる」と詩的に表現。

主人公パルテノペと人生を彷徨うチーヴァーはカプリ島で出会い、孤独を感じる2人の魂は共鳴するが、チーヴァーは「あなたの青春を一瞬も奪いたくない」と告げ、ほどなく別れる。このめぐり逢いは束の間の時間であったものの、パルテノペの人生を切り拓いていくことになる。

本作で映画初出演となった、主人公パルテノペを演じるセレステ・ダッラ・ポルタについて「この映画の出演によって彼女の人生がすっかり変わってしまうだろうから、守ってあげたいと思ったよ。私は、彼女をとても大切に思っていて、それは私たちの映画の中での関係と同じさ。私にはキャリアもあり年を取っているが、彼女は完全にまっさらだ。作家になる夢を抱いていたパルテノペが、ずっと年上でキャリアがある人に出会ったようにね。個人的なダイナミズムは、クリエイティブな活動と作用しあうものさ」と劇中と同様に絆を深めたことを明かしている。