

11月30日(日)に「迷宮のしおり」スペシャルトークイベントが現地Suntec Convention Centreで行われました。トークイベントが始まるや否や、MC吉田尚記さんからの紹介で河森正治監督が登場すると会場に集まった約200人のファンから大きな歓声とともに迎え入れられました。
河森監督は冒頭、「これまで数々の国を訪れたことがあるが、実はシンガポールは初めて。街が洗練されていて、海も近いし空間が広く、『迷宮のしおり』のロケーションとなっている横浜にかなり似ていて、とても親近感を感じています。そういう意味でも、シンガポールの方々にも本作を十分に楽しんでもらえるはずです。」という話しからスタート。集まった観客からは大きな拍手が沸き起こりました。続いて、司会から企画のスタートについて問われると、「5年以上前からの企画になるが、実際にアイデアを思い付いたのは10年ほど前。ある時、自分のスマホが割れていて、置き忘れたこともありました。そうした経験から、スマホはアイデンティティのシンボルであると感じたところからの着想です。自分の個人情報、検索履歴、発信履歴、個人情報、写真等、すべてが入っているスマホは、いわば自分の分身。そこで、自分はスマホが割れたり、無くしてしまったりというのは自分が壊れている状態ではないかと思ったところからスタートしました。現代ではスマホがあって当たり前の時代になっているが、これをただのガジェットとしてではなく、テーマの根幹にかかわる物語を作りたいと考えました。スマホからインターネットやSNSで発信すること。
「インフルエンサーだけではなく個人の世界でも「いいね」が欲しいと思ったり、失敗すると叩かれてしまったり、こうした現代の状況についてを表現したいと思ったのです。」
と企画主旨について熱く説明。
また、スマホを扱う映画についてのアプローチについて尋ねられると、
「“スマホ”は「マクロス」の世界観で表現すると、“超時空デバイス”ともいえるかもしれません。なぜなら空間を超えて、時間を超えて、たったこの小さなデバイス一つで、人数関係なく対話ができたり発信することができるから。逆に使い方を間違えると大変なことにもなりますよね。こんなに小さいけど、人類は凄い拡張装置を作ってしまったのかもしれません。それについても映画で表現したかったんです。」
と河森監督ならではの言葉で本作の軸となるテーマについて語られました。
主人公・栞/SHIORI役を演じるSUZUKAと、スマホ世界に住むスタンプのキャラクター小森(こもり)を演じる原田泰造から会場のファンに向けたサプライズムービーが流れると会場の雰囲気は最高潮に。
最後には来場客しか見れない本編の一部上映コーナーで、ロボットアクションシーンが流れ、場内からは多くの絶叫するファンで大盛り上がり。映像が終わると開場中から大きな拍手が沸き起こりました。
河森監督はこのシーンについて、「この作品は、ある意味現代社会へのメッセージを込めた強いテーマを持っているけど、手に汗にぎるエンタメに見せたくて、言わばエンタメ増幅装置としてメカのキャラクターにも活躍してもらったんです。巨大ロボットというのは、人間のさまざまな能力の拡張機能を果たしてくれる。今の自分たちはスマホによって、スーパーロボットに乗っているようなことが出来ているとも言えるのではないか。そういったイメージも持って作りました。ロボットとスマホは凄く共通点がある。と思っている。そんなことも思い描いてみてもらえたら、より楽しんでいただけると思います。」と話し、トークイベントを締めくくりました。