5月8日(日)に阿部寛さん、樹木希林さん、ハナレグミさん、是枝裕和監督による舞台挨拶・トークセッション付き一般試写会を実施いたしました。
“母の日”を記念して実施された本イベント。
是枝監督は「僕は母が亡くなって10年経つけど、母の日に花や何かをプレゼントしたことがないんです。この作品は自分にとってパーソナルな作品になっていますが、希林さんが母を演じてくれて、自分が住んでいた団地で撮ったものが、こういった母の日に上映されるということは、少しだけ罪滅ぼしになるかなと思っています」とコメント。
阿部さんと樹木さんが母・息子を演じるのは『歩いても歩いても』に続き今回で2度目。
今回の“樹木お母さん”について阿部さんは「団地という狭い空間の中で樹木さんと至近距離でガッツリお芝居ができてすごい嬉しかったです」とコメント。
それを受け樹木さんが「私は圧迫感がありましたよ。団地の小さいお風呂にぎゅーと入っていて、前はローマ風呂に入っていたのにかわいそうだったわよ」とコメントすると会場からは笑い声が。
樹木さんに今回の母親役を受けてもらえなかった場合、本作を作るのを諦めるつもりだったという是枝監督。
そこまで強い思いで樹木さんを母親役に選んだ理由について是枝監督は 「脚本を練り始めたのが、『歩いても 歩いても』の翌年だったんですが、もう一度この親子を撮りたいと思っていたので阿部さんと希林さんの2人をアテ書きしていました。それ以外の人は想像できなかった。」と明かしました。
当日は、母の日にちなみ、阿部さん、是枝監督、ハナレグミさんから、樹木さんへ、スペシャルプレゼントを用意!
代表して阿部さんから大きな200本ものカーネーションの花束がプレゼントされた樹木さんは「こんなお花買うお金があるんだったら、もっと何かあるでしょうに・・・でもありがとう。」とコメント。
しかし、こんなにたくさん貰えないからという理由で花を客席に配り始める樹木さん!
阿部さんと共に配る姿は本当の母子の姿を伺わせました。
また、是枝監督とハナレグミさんによりトークセッションも実施。
是枝監督による音楽を絡めた撮影秘話や永積さんによる製作秘話、またそれぞれに母親の思い出などを語りました。
当初、タイトルがなかなか決まらなかったという永積さん。
「劇中で阿部さん演じる良多が、父親の形見である硯を背中を正してするシーンがあって、人って一本筋を通そうとするときって深呼吸するじゃないですか。なのでその姿を思って、“深呼吸”とつけました。」と明かすと、
是枝監督は「僕はさっきこの話を聞いたんですけど、知らなかったから感動しちゃって。ずっと背中を丸めて生きてきた男が、父を想って背筋を伸ばすシーンなんですが、ここのシーンに全てが込められているから、作品の想いをしっかりと汲み取っていただいてとても嬉しかったです。」と感極まった様子でコメントしました。
この日はハナレグミが本作の主題歌「深呼吸」を弾き語りという形で披露!
その歌声とメロディに観客は聞き入る様子を見せ、中には涙を流すひともみられました。
また、この「深呼吸」のMVを是枝監督自ら手掛けたことも発表!
本作で阿部さんの後輩を演じる池松さんを起用し、映画のサイドストーリーという位置づけで撮ったことを明かしました。