3/9、新宿武蔵野館にて『たかが世界の終わり』の大ヒット記念トークショーを開催、
橋口亮輔監督(『ぐるりのこと。』『恋人たち』)と、映画評論家の森直人さんに登壇いただきました!
「カンヌでグランプリ受賞して、監督がハンサムだからみんな見てるんでしょ?鼻持ちならないオカマね!(笑)」
と始めから大胆発言の橋口監督!!
そして映画の感想を、
「才能があって、力のある作品だと思う。オープニングもかっこいい。しかし(グザヴィエ監督は)自信満々!
ほとんど全編が顔のクローズアップで描かれていて、こんなこと、よっぽど自信がないとできない。溢れ出る自意識とナルシズムを感じた。
ハンサムで才能があって、ゲイということで周りから特別扱いされながら、本当にスペシャルになった典型の人。
演出力もあるが、これだけトンガれるのは若さゆえだと思う。」とグザヴィエ・ドランについて分析
また、橋口監督の作品『ぐるりのこと。』主演女優の木村多江さんが本作の感想として、
「グザヴィエ・ドランは手法や撮り方が面白い。日本にこういうことができる監督はなかなかいないと思う。橋口監督に近いかもしれないと感じた」
とおっしゃっていたそうですが、共通点はありますか?という質問に、
「感情をむきだしにするという点で僕の作品と共通していると思われるようだが、
僕自身はむしろ正反対だと思う。『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ監督を思い出した。彼もハンサムでゲイ。
細かい心の機微をすくい取って伝えようと描いている点で、僕はどちらかというと彼に近い」と橋口監督。
さらに、
「この家族劇を見ていて、山田洋次監督の’寅さん’(『男はつらいよ』)を思い出した。
本作はすごく力のある作品だけど、寅さんの普遍とは全く別の次元で成立していると思った。」
演出法について、
「僕は撮る時に演出を固めない。俳優さんが僕のイメージと全く違うものを出してきても、想像を超えていくものが見たい。
グザヴィエ・ドランがどういう演出法なのかはわからないけど、
俳優にパッションを求めているんじゃないかな。」
俳優陣について
「本作ではマリオン・コティヤールの演技がすごい。冒頭でも、いいとこの奥さん風でありながらも、ちょっとオドオドした目線や表情をする。
こういう演技は日本の役者さんでもなかなかできない。アカデミー賞を獲って、ハリウッドからアート作品まで出演して幅広い演技をする。
個人的にも、マリオン・コティヤールは大好きです。」
最後は、
「ドラン監督は若くして、これだけ飛ばしているけど、これからが大変だと思う。落ちぶれるところまで見ていたい!」
と語られ、場内の笑いを誘いました。