2018.06.08 POSTED

『友罪』瀬々敬久監督×夏帆さんティーチインイベントを実施しました!

6月7日(木)に本作のメガホンを取った瀬々敬久監督と、キャスト陣を代表して、瑛太演じる元少年A・鈴木に惹かれていく藤沢美代子役に挑んだ夏帆さんを迎え、TOHOシネマズ新宿にてティーチイン形式での公開記念トークイベントを実施いたしました。

上映後の熱気冷めやらぬ中、多数のリピーター鑑賞者の集まる会場に盛大な拍手に包まれ登壇した夏帆さんと瀬々監督。「隣にいる友人が、かつて世間を震撼させた事件の元少年Aだったら」という、難解なテーマを扱った本作に対して、「正直即決で決められた訳ではなかった」と少なからず出演への迷いがあったことを告白した夏帆さん。瀬々組には以前から憧れを抱いていたようで、「以前、別の作品でご一緒したスタッフの方が、「今までで一番印象に残っているのが瀬々監督の現場だった」と話されていたのがすごく印象に残っていて。初めて瀬々組に参加させていただけるのがすごく楽しみでした」と、役への不安よりも興味が勝ったオファー当時の心境を吐露。現場での瀬々の熱意溢れる演出には沢山の刺激を受けたとし、「瀬々監督は誰よりも真直ぐに作品と向き合っていて、熱量がとにかくすごい。私たちもそんな瀬々監督に引っ張られ、瀬々監督のために映画を作りたいと思える現場でした」と述懐しました。



イベントの中盤には、観客とのティーチインを実施。「単純な善悪では割り切れないほど登場人物に多面性があって、見るほどに深まっていく映画だった」と、今日が3回目の鑑賞だという男性から賛辞とともに「見ていて心が痛くなるような“被害者”を演じた夏帆さんはどんな心境で演じ切ったのか」との質問が及ぶと、夏帆は「演じていて正直本当にしんどかったです」と改めて告白。「自分の見たくない弱い部分を、見なければならない感じがして…、出口がなかった」と続けながらも、「でも、私自身がそうして悩んでいたことも、役のためになっていたのかなと完成した映画を観て感じました」と振り返りました。

また、別の男性からは「瑛太さん演じる鈴木に漂うリアリティがとにかくすごかった!」との感想が。共演シーンの多かった瑛太さんの演技について夏帆さんは「私もすごく圧倒されました。瑛太さんの芝居を、受け止められるのかという怖さはずっと感じていましたね。今でも忘れられない鈴木の表情が沢山あって、本当にすごい役者さんだなと。」と絶賛。瀬々監督も「夏帆さんにとっても、瑛太さんが横にいたのが大きいと思う。あの独特な空気感で、いい化学反応になったと思います。」と二人を改めて絶賛しました。



最後に、瀬々監督は、「『友罪』は、僕らも答えを探しながら作った映画です」と前置きしながら、「生田さん演じる益田が鈴木を飲みに誘うシーンで、鈴木が少し嬉しそうに「コンビニでつまみでも買って」と言うシーンは、加害者が何気ない、でもかけがえのない時間を感じる、個人的にも好きなシーンです。こういう宝物のような時間が、犯罪者だった人の何かを解き放ったり、逆にかけがえのない時間を奪ってしまったと気付く、そういうこともあると思います。そして、そういったかけがえのない瞬間を与えられるのは、家族だったり友人なのかなと。僕自身、完成した映画を観て、新たに発見しました」と力強く解説。その上で「千差万別でも良いので、皆さんにもこの映画を通して、何かを感じ取っていただきたいです。」と訴えました。続く夏帆さんも、「正直、賛否はあるかと思いますが、もし観ていただいた方の心に何か引っかかるものがあれば、家族やお友達にも伝えていただいて、皆さんで話してもらえたら嬉しいです」とご挨拶しイベントは終了しました。



『友罪』は全国の劇場で絶賛上映中です!