「友罪」が第21回上海国際映画祭に正式出品され、大盛況の内に上映と瀬々敬久監督のQ&Aイベントを実施致しました。
千人という上海国際映画祭で最大級のキャパシティを誇るメインスクリーンの「上海大劇院」が若い男女を中心に満席となる賑わいを見せ、上映中はのめり込んで鑑賞していたお客さんが声をあげて反応する場面なども見られ、エンドロールに入ると会場は大きな拍手に包まれました。その後、瀬々敬久監督監督が登壇し、上映後の興奮冷めやらぬ観客の皆さんとのQ&Aイベントが行われました。
瀬々監督の「今日この日、日本と上海の両国でこの『友罪』という映画が上映されていることがとても嬉しいです。有難うございます!」とのご挨拶から和やかにイベントはスタートし、「地方から『友罪』を観るために映画祭に来ました。とても素晴らしかったです!監督の最も好きなシーンは?」と問われると、「益田が「外でお酒でも飲もうか」と鈴木を誘い、「コンビニでつまみでも買って」と答える鈴木のシーンです。さりげないシーンですが、普通の人にもあるようなかけがえのない時間がそこには流れている気がしました。こういう素敵な時間が、犯罪者や色々つらい思いをした人たちを救ってくれるのではないか、その一方で罪を犯した人がこういったかけがいのない素敵な時間を自分は被害者から奪ったのだと反省をする機会にもなると思いました。素敵な時間を大切にしてください!」と答え、続いての「日本国内での評判も良いようですが、監督ご自身はマスコミなどの評価についてどう思われますか?」との質問には、すごく難しい質問だなあ…と苦笑を浮かべつつ、「マスコミの方の評価も大切ですが、僕含めスタッフは沢山のお客さんに観て欲しくて作っていますし、沢山のお客さんに感動してもらえたらという気持ちで作っています。だから今日もここにいる上海のお客さんと出会えてすごくうれしいです。」との回答に場内では席を立って拍手を送る人も見受けられました。最後に「この映画のキャラクターは皆罪を背負っていますが、監督は罪を負った人々も幸せを得るべきだと思いますか?」との質問には、「罪を背負った人たちもふとした時に笑ったり出会いがあったり、悲しんだり喜んだりするのが人生だと思います。でも罪は背負い続けながら生き続けなくてはいけない。矛盾しているようですが、そうして生きていくことが大切だと思います。」との回答に再び会場は大きな拍手に包まれました。
『友罪』は引き続き絶賛公開中です。是非劇場でご覧ください!