2018.07.30 POSTED

7月29日(日)、ニコ生特番『水道橋博士と学ぶ【新作】『スターリンの葬送狂騒曲』が放送されました!

7月29日(日)、本作の公開を記念し、ニコニコ生放送にて特番が組まれました。

7月29日(日)、ニコ生特番『水道橋博士と学ぶ【新作】『スターリンの葬送狂騒曲』が放送されました!

当日はメインコメンテーターに水道橋博士、筑波大学教授でロシア政治専門の中村逸郎さん、映画評論家の松崎健夫さんを招き、司会進行は松嶋初音さんが担当。ソ連という国の異常さ、当時の側近や国民がどう生きていたか、スターリンがいかにゲスでヤバかったかなど、止まらないソ連のヤバい話に、約30,000人(タイムシフト視聴含)の視聴者からも多くのコメントが寄せられる大盛り上がりの放送となりました。

作品の感想について開口一番、中村逸郎教授は「ソ連を描いてこれほどよくできた映画ははじめてみた。描かれているのはまさにロシア。昔も今も変わっていない」と絶賛。水道橋博士は「長期政権の独裁者が現実に出てきている今の世に通じるからこそ関心がもてる」と発言、さらに「悲劇の歴史なのに、喜劇に見える。人間味があって間違っている」と作品の魅力を表現。映画評論家の松崎は「過去を描いているけど、現代も似てきているからこそ映画作家が描きたくなっているのでは」とコメント。

映画「スターリンの葬送狂騒曲」が100倍おもロシアになる情報コーナーでは、作中で描かれる史実、各登場人物のキャラクターや演じる俳優、印象に残ったシーンなどをみながらトークが繰り広げられた。
当時2,000人の代議士のうち半分が粛清され、全国民の30%にも及ぶ国民が死んだスターリン時代、スターリンが恐れたのは外敵よりも内なる敵、特に情報を持つ側近たちだった。スターリンに対する批判もアウトだが、褒め方が悪くても裏目に出るこの時代を生き延びるには思考停止するしかなく、進歩的批判的な頭脳をもっているだけ生きづらかったという。「そんなわけでロシア留学時代、(進歩的な頭脳をもつ)僕なんて悲惨だった。そもそもロシア研究しようと思ったのはロシアが好きなわけではなく、お化け屋敷が好きな感覚と同じ、怖いもの見たさから」と発言した教授に対し「今日、帰りに粛清されないように…」と博士がコメント。

本作で描かれる権力争いの主なところはフルシチョフとベリヤの対立。フルシチョフが政権をとった理由を学術的にのべたあと、中村教授は最終的には「髪がつるつるだったこと」が大きいと持論を展開。レーニン、スターリン、フルシチョフとつるつる、ふさふさが交互にきていると主張。また中村教授はベリヤについて、秘密警察出身で政治に必要な情報が集まることなど、今のプーチン大統領との共通点を指摘したところ、映画評論家の松崎は、プーチン政権が本作をロシアで上映禁止にしたことで独裁政権の権力のあり方を自ら認めてしまったと発言。これまた「粛清されるよ~」と盛り上がりをみせた。
また、視聴者の「あなたのまわりの独裁者」の投稿コーナーで博士に話が振られると、迷わず「北野将軍」と言い切り、中村教授は「妻です」と恐妻家の一面をのぞかせた。

日曜の深夜にトークが盛り上がり予定時間を超えて放送された本番組。トークの最後は“実はすでにプーチンは死んでいて映画と同じ後継者問題が今のロシアで起こっているのでは。現在出ているプーチンは影武者!?”という中村教授の話が終わらないところで、松崎が「なぜ今スターリンの死の映画化かというと、今まさに起こっていることは描けないが、過去の同じような事象は描けるから。笑うことによって考えさせられ、そして笑えなくなる。その感覚こそが警鐘になる」とまとめ、博士が「めちゃめちゃ面白いからぜひ観てください」と締めくくった。

『スターリンの葬送狂騒曲』は8月3日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショーとなります。
ぜひお楽しみに!