2019.09.23 POSTED

第67回サン・セバスティアン国際映画祭レポート

ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭として注目されているサン・セバスティアン国際映画祭が開幕し、世界の映画祭を賑わせ話題となった、その年を代表する作品を上映するパールズ部門へ『真実』が出品。
是枝監督がジュリエット・ビノシュとともにレッドカーペットと舞台挨拶に登場致しました。

レッドカーペットでは、ジュリエット・ビノシュはクロエのエレガントなドレスを身にまとって優雅に登場。是枝監督はアルマーニのタキシードとえんじ色の蝶ネクタイ姿。
到着した公式上映会場Teatro Victoria Eugeniaの入口で実施されたフォトセッションには、地元スペインをはじめ各国からのマスコミ陣が大勢押し寄せ、「コレエダ!」「ジュリエット!」のコールとともにフラッシュの嵐が巻き起こり、監督とビノシュはマスコミ陣の歓声に笑顔で応えていました。

その後に行われた公式上映は、劇場を埋め尽くす900人もの観客で超満員!
監督がビノシュとともに舞台上に登壇すると、映画祭に戻った監督を歓迎するかのように大きな拍手が会場を包み込みます。

是枝監督が 「こうしてまた新作を携えて、大好きなこの映画祭に帰ってくることが出来て、本当に嬉しく思っております。毎年、ここに来るために、頑張って映画を作っています。」とスピーチを始めると、会場ではドッと笑いが起きると同時に、更なる温かい拍手が。
続けて 「この『真実』という映画は、僕が初めて日本の外へ出て、日本語ではない言語で、スタッフとキャストと一緒に作った作品です。去年の秋にパリで撮りました。
映画の中に何組もの母と娘が出てきます。その母と娘の関係を重ねあわせながら、映画の最後でちょっとだけ気持ちが軽やかに、温かくなるような、僕にしては珍しい作品になったんじゃないかなと思います。
終わった後に劇場を出て、少し遠回りして、歩いて自宅に帰りたくような、そんな作品だと思いますので、楽しんでください。」 とにこやかにスピーチ。

続いて登場したジュリエット・ビノシュは「カトリーヌ・ドヌーヴと一緒に映画を作ることができ、非常に光栄でした。
そして、情熱と温かさと知性を持ち合わせた、素晴らしい是枝監督と共に仕事ができるという素敵な機会に恵まれましたし、さらに、様々な役者たちともその現場を共有することが出来ました。
12年ぐらい前から、映画祭などで見かけるたびに監督を追いかけてきて、ようやくこの作品の撮影に至り、夢が叶いました。
またの機会があるかもしれませんが、まずは監督は、少し大変なこともあったであろうパリを一旦離れて(笑)、日本に帰ってバカンスをとらなくてはいけませんね。
みなさん、良い夜をお過ごしください。」と、是枝監督との仕事を振り返り、その想いを明かしました。