映画の公開を記念し、本作のオリジナルであるジョニー・トー監督作『ドラッグ・ウォー 毒戦』と『毒戦 BELIEVER』の2作連続上映が、10月3日(木)シネマート新宿にて開催!
さらに映画ライターのよしひろまさみちさん、ライターの西森路代さんのトークイベントも実施されました!
公開前夜の『毒戦 BELIEVER』と本作のオリジナルである、香港ノワールの名手として知られる巨匠ジョニー・トー監督作『ドラッグ・ウォー 毒戦』(12)の2作品が連続で鑑賞できる貴重な機会とあって、平日夜にもかかわらず多くの観客が劇場に集結。
まずは久しぶりのスクリーン上映となった『ドラッグ・ウォー 毒戦』を鑑賞後、その余韻が冷めやらぬうちに、よしひろまさみちさんと西森路代さんによるトークイベントがスタートしました。
韓国版『毒戦 BELIEVER』について「これから韓国版見ていただければわかると思うのですが、これリメイクと言いつつ、全然別物です」とよしひろさん。
「通常どこかの国の素晴らしい作品をリメイクします、となると、ものすごいダメにするか、まったくおなじものにするか、だと思うんです。
例えば、『インファナル・アフェア』を『ディパーテッド』にしたとき、(監督の)スコセッシは“俺はオリジナルをみていない”と言っていましたが、カット割りまで一緒じゃん、へぇ~イタコってすごいね、と思ったわけです。」と続けつつ、「今回は『ドラッグ・ウォー』があまりにもよくできたハードボイルドで、『毒戦 BELIEVER』は、そのオイシイところを掻い摘みつつ、まったく違う作品になっています」と解説。
西森さんも「例えば同じ韓国映画の『工作 黒金星と呼ばれた男』、あれは私はラブロマンスだと思っているのですが(笑) 、本作においても信じるか、信じないか、お互いがお互いをどう思っているんだろう、というの彼らの「情」の部分が見どころの一つなんですよね」とし、さらに「リュ・ジュンヨル演じるラクが、ジョニー・トー版でいうとルイス・クーと同じ役なのですが、年齢もイメージも違うし、オリジナルの死刑になるという切羽詰まった状況とは違うので、何かずっと刑事よりも余裕があるというか達観している顔をしているんです。それを演じきれるのはリュ・ジュンヨルしかいないよな、と思いました」と力説!
また「チョ・ジヌン演じる刑事が、オリジナルと同じく氷風呂に入るシーン。もともとあったアイディアをもっと面白くするためにどうしたらよいかと考え抜いて作られていたし、ジヌンさんはすごく色気があった。それに潜入捜査で、狂った人になりきるところも、俳優にとっては演技の中でもう一つ嘘をつく、というか、魅力的なシーンだな、と思います」と俳優陣を絶賛。
よしひろさんからは「あと、本作はジョニー・トー版と比べて、本気の狂人でてきます。こんな人が本当にいたらヤバいよね、というレベルの人が(笑)そして、一回見ただけでは消化しきれないはず。私は実は三回みてはじめて、ファーストシーンのあれってこれだったのね、と気づいたこともあり、ぜひ何度でも見ていただきたいですね!」と熱いコメント。
最後に、「1つだけ言えるのは、『毒戦 BELIEVER』はウェットです。これがザ・韓国ノワールです」(よしひろさん)、「『新しき世界』以降は、これが韓国のノワールだというものができてきて、そのあとも前のものを超えようとやってきている。そういう意味では本作が現在の集大成といえるのでは」(西森さん)とますます『毒戦 BELIEVER』への期待が高まるコメントで締めくくりました。