世界が忘れていた真の香港アクション映画

冒頭での打ち捨てられたショッピングモールでのンゴウの襲撃、後半のチムサーチョイのカントン・ロードのセット(本作のために特別に作られた)での大規模な銃撃戦、そして最後の一騎打ちのシーンの撮影について、ニコラスはすべてが強化合宿のようだったと語る。「本作のアクションシーンは、細かいところまで見どころがたくさんある。最大の見せ場はもちろん、最後の僕とドニーが闘う場面だ。それぞれのキャラクターの性格を伝えるために、僕たちがどんなふうに身体を動かしているのか見物だよ。闘いの場面に演技力は必要ないという観客には、断固反対したいね。それどころか、真逆だ。俳優は台詞を必要としない万国共通の言語を表現するために、身体を使うよう求められる。ブルース・リーの映画を観るといい。広東語をしゃべらない人でも、彼のキャラクターの性格が理解できる」
世界観、イメージ・デザイン、監督の手引きから、ニコラスとドニーは自分たちのキャラクターと、「どんな人の心にも正義感があるが、逃れられない闇も抱えている」という本作のメッセージを心から信じることが出来たという。完成した作品を観たニコラスは、こう締めくくる。「本作ほど、火力、銃撃戦、カーチェイス、爆発がたくさん詰まった映画を、観客はずいぶんと観ていなかったよね。おまけに、ベニーと僕が長年に渡って築いた信頼があるから、きっと何か大切なものを手に出来たと思うし、観る人がそれを感じてくれたらうれしいね」