自らの“声”だけで生きると決めたアレサは、客席にいるテッドを見据えて歌い放つ――。
1968年5月リリースで、同年のアルバム「Aretha Now」に収録されたヒット・シングル(R&B1位/ポップ7位)。アレサ本人が書き、夫のテッド・ホワイトも作者として名を連ねた曲で、親交のあったキング牧師が凶弾に倒れた11日後に録音された。伸びやかでパンチのある声で「考えて!」と力強く歌い、「自由が欲しい」と繰り返し叫ぶこれは、「Respect」同様、男女間の問題を扱った歌でありながら、暴動などで混乱する社会状況の中で人々に自覚を促す目的もあったとされる。映画『ブルース・ブラザーズ』(80)にソウルフード店の女将役として出演したアレサが啖呵を切るようにこの曲を歌ったシーンも有名。アリスタ時代にセルフ・カバーしている。