Amazing Grace

自分を見失ったアレサに手を差し伸べたのは母に愛された記憶だった。自らのルーツともいえる教会で歌い上げたのは…

アレサ史上最多セールスを記録したゴスペル・アルバム「Amazing Grace」(72)のタイトルにもなった古い賛美歌のカバー。ジュディ・コリンズやエルヴィス・プレスリーなどのほか、日本でも歌謡曲〜J-Popのシンガーにたびたび歌われている名曲で、アレサは1972年1月にLAのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会にて行ったゴスペル・コンサートで披露した。クワイアや会衆の喝采を受けて静かに歌い出し、天に届くような伸びやかで力強い声を爆発させるアレサ。旧知のジェームズ・クリーヴランド師による指揮で教会ルーツに真正面から向き合った気高く慈しみ深いコンサートの模様は、40年以上を経て映画化。2021年、『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』のタイトルで日本公開もされた。