音楽プロデューサーを務めた、ジェイソン・マイケル・ウェッブとスティーヴン・ブレイは、アレサが教会でゴスペルを始めてから音楽界の大物になるまでの旅路をキュレーションした。ブレイはソウルの女王のサウンドを生み出した過程を説明する。「1967~68年にできるだけ近い状態を再現した。マイクやギター、ドラムなどは、彼らが使っていた物に近づけた。模倣でもなく、アレサらしさのない歌い方になって気が散ってしまうことがあってもならず、素晴らしいパフォーマンスでなければならなかった」
ウェッブは、「非凡な歌声とサウンドを探していたアレサにとって、『貴方だけを愛して』が大転換だった。だからこそ、私たちが当時のサウンドを発見し、レコード制作を再現したこの曲こそが、私たちが知るアレサの始まりだと思う」と解説する。
ジェニファーがこう付け加える。「アレサは『貴方だけを愛して』で、自分の声を見つけることができた。スタジオに入ってきた時、彼女はテッドの後ろにいた。けれど、そのシーンが終わる頃には、完全に空間一体を支配したの」