映画『桜色の風が咲く』公式サイト

イントロダクション

実話をもとに「生きる希望」描き出す、真摯で温かな人間賛歌

9歳で失明、18歳で聴力も失いながら、やがては盲ろう者として世界で初めて大学教授となった息子とその母の物語。

教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少の頃に視力を失いながらも、家族の愛に包まれ、持ち前の明るさで天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに智は東京の盲学校に進学。親友もでき、高校生活を謳歌。淡い恋もする。たまに彼から届く手紙といえば、令子が苦心した点字翻訳に難癖をつけてくる生意気ぶりだ。だが智は18歳のときに聴力も失う・・・。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、ある新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもってひとつひとつ困難を乗り越えていく母と息子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく・・・。

見えない。聞こえない。でも僕は“考える”ことができる――。困難を乗り越えながら生きる母子が見出していく、希望に満ちた未来。

視力と聴力を次々と失いながらも、大学へ進学し、やがては東京大学の教授になった福島智さんをご存じだろうか。これは、そんな智さんと彼を育て上げた母・令子さんの姿を、実話をもとに描き出す「生きる希望」の物語。

幼い頃からやんちゃで口も達者、明るくて憎めない性格の智。常に自身の可能性を諦めない大胆で楽天的な息子を深い愛情で支えながら、母としてのたくましさを得ていく令子。二人が共有するのは、困難を乗り越えながら生きるがゆえの、物事を面白がることのできる大らかなユーモア。そんな母と子は、厳しい現実のなかから生きる希望を見出していく。一度は他者との繋がりを絶たれた孤独の淵に落ちながら、立ち上がっていく智。彼を支えたのは、我が子とともに生きる令子の覚悟、周囲の愛、そして智自身の思索の力。人生の可能性を広げていく母子の勇気は、観る者の心を生きる歓びと深い感動で満たすことだろう。

主演、小雪:凛として強く、大らかな母を体現する圧倒的な存在感。

主人公・令子を演じるのは、『ラスト サムライ』(03)、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ(5,7,12)をはじめとする映画で印象を残し、『信さん 炭坑町のセレナーデ』(10)以来、満を持して12年ぶりの主演を務める小雪。脚本を読むなり出演を熱望したという彼女が、我が子への愛ゆえに凛として強く、でも大らかさを失わない母親像を生活に根差した存在感と真実味のある演技で体現、新境地を拓く。

息子・智役には、『朝が来る』(20)、『ひらいて』(21)などに出演する気鋭の若手俳優・田中偉登。楽天的で大胆な愛すべき智の姿のみならず、内面の苦悩や盲目の演技も要求される難しい役を見事に演じ切った。そして冷静さを忘れぬ愛で智を包み、智に付きっ切りになりがちな令子の不在時の家庭を守る教師の夫・正美役には、吉沢悠(『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』(19)、『幻の蛍』(22))。ほかに、医師役を演じるリリー・フランキー、朝倉あきをはじめ、吉田美佳子、山崎竜太郎、札内幸太、井上肇といった若手からベテランまでの個性的で実力ある俳優陣が顔を揃える。

監督は、『最後の命』(14)、『パーフェクト・レボリューション』(17)などを手掛ける松本准平。

実話にもとづく真摯で温かな人間賛歌:福島智さんと母・令子さんの今

今、福島智さんと母・令子さんは、本作のラストの先の“未来”を生きている。智さんは、2003年に米国タイム誌の「アジアの英雄」に選ばれただけでなく、視力と聴力を失った盲ろう者として世界で初めて常勤の大学教員となり、現在、東京大学教授を務めている。そして母・令子さんが若き日の智さんとの日常の中から考案した、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”は、多くの人々に希望を与え続けている。

二人の実話にもとづく物語にして、いのちの本質やコミュニケーションの意義にも触れる、真摯で温かな人間賛歌の本作。母子が体現する「希望」は、それぞれの厳しい現実と向き合う私たちすべての心を照らす。

ストーリー

見えない。聞こえない。
でも僕は“考える”ことができる――。
母と息子が見出していく希望に満ちた未来。

教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う・・・。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく・・・。

福島智

1962年兵庫県生まれ。3歳で右目を、9歳で左目を失明。18歳で失聴し、全盲ろうとなる。83年東京都立大学(現・首都大学東京)に合格し、盲ろう者として日本初の大学進学。金沢大学助教授などを経て、2008年より東京大学教授。盲ろう者として常勤の大学教員になったのは世界初。社会福祉法人全国盲ろう者協会理事、世界盲ろう者連盟アジア地域代表(2022年10月退任予定)なども務める。

1996年に、母・令子とともに吉川英治文化賞受賞。2003年には米国TIMES誌にて「アジアの英雄」に選出。2008年、NHK「課外授業 ようこそ先輩」での出演回が日本賞グランプリ、及び「コンテンツ部門青少年向けカテゴリー 外務大臣賞」。2015年に本間一夫文化賞。著書および関連書多数。‘日本のヘレン・ケラー’とも称され、世界的な活躍を続ける。

指点字とは

日本の盲ろう者(視覚と聴覚の重複障害者)はおよそ1万5千人。世界では1千万人以上と言われる人が暗闇と無音の世界で生活上の不便と戦っています。視覚障害者には声での会話が、聴覚障害者には手話や筆談などがありますが、盲ろう者ではコミュニケーションにさまざまな困難があり、いかにコミュニケーションをとるのかが、大きな課題です。そのコミュニケーションの手段の一つとして、「指点字」が用いられています。

その「指点字」とは、福島智さんの母・令子さんが、盲ろう者となった息子と言葉を交わしたい一心で、ふとしたことから考案した新しいコミュニケーション手段なのです。それはリアルタイムで息子の指に自分の指を重ね、点字を打つことで言葉を伝えることのできるコミュニケーション方法でした。福島智さんと令子さんの考案がきっかけとなり、指点字は多くの盲ろう者の方に希望を与えることとなりました。

『桜色の風が咲く』映画化における参考文献

福島令子著書
「さとしわかるか」(朝日新聞出版社、2009年)

目も見えず、耳も聞こえない「盲ろう者」でありながら昨秋(2008年)、東大教授となった福島智氏。9歳で失明してから、18歳で耳が聞こえなくなり、「指点字」という独自の会話法を編み出すまでの苦難の日々を、母親である令子さんが初めて綴った感動の子育て、闘病記として話題となる。
(書籍は現在品切れ、電子書籍(amazonkindle)で購入可能)

福島令子 プロフィール

昭和8年(1933)静岡県生まれ。昭和16年に中国・青島に渡り、終戦の前年に帰国。病気療養のため、京都府立福知山高等学校普通科を2年で中退し、その後、福知山文化服装学院に入学。洋裁の初級教員免許を取得。昭和30年(1955)5月に福島正美氏と結婚。昭和37年に三男の智氏を出産。智氏の闘病生活を支える日々が始まる。平成8年(1996)、智氏とともに「重複障害を持ちながら、自立の為に、母子一体となって尽力する姿は、多くの人々に生きる勇気を与えている」とし、吉川英治文化賞を受賞。講演活動なども行ってきた。

福島智著書
「盲ろう者として生きて」(明石書店、2011年)

幼くして視覚を、ついで聴覚を喪失し、深い失意と孤独の中に沈んでいた著者が「指点字」という手段によって他者とのコミュニケーションを回復し、再生するに至るまでを綿密にたどり直した自伝的論文。人間にとって他者とのつながりがいかに大切かが分かる本。

「ぼくの命は言葉とともにある」(致知出版社、2015年)

3歳で右目を、9歳で左目を失明、14歳で右耳を、18歳で左耳を失聴し、光と音の世界を喪失した福島智氏。氏は当時のことをこう綴っている。「私はいきなり自分が地球上から引きはがされ、この空間に投げ込まれたように感じた。自分一人が空間のすべてを覆い尽くしてしまうような、狭くて暗く静かな『世界』。ここはどこだろう。(中略)私は限定のない暗黒の中で呻吟(しんぎん)していた」

著者はまず他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、言葉=情報を再び得ることができるようになったかを語る。だがそれはプロローグにすぎず、自ら生きる意味を問い、幸せの在処を探し求める。その深く鋭い思索の足跡は、両親や友、師との交流に始まり、フランクルや芥川龍之介、北方謙三といった人物たちの著書や谷川俊太郎、吉野弘の詩、はたまた落語にまで及んでいく。苦悩の末に著者が見出した生きる意味、幸福の形は読む者にもまた深い思索をもたらしてくれるであろう。人間と人間が本当に繋がり合うとはどういうことか、仲間との信頼関係を築くためには何が大事かといったことが説得力を持って迫ってくる。

コメント

-小雪-

初めて台本を読ませて頂いた時の、圧倒的な親子のエネルギーの詰まった魂に衝撃を覚えたことを今でも覚えています。福島先生のたおやかさの中に芯のある強さを感じ、それを支えるお母様のご苦労も想像を超えるものだったかとお察ししました。障害者というと、人は憐れみや同情を思い浮かべるかと思われがちですが、希望そのものだと私は感じています。

世の中が不安定な中、この作品が皆様にとって光の道筋となるような、ご覧になった方々の明日を生きる活力のエッセンスになりますように。

この作品に携わり、そして無事にお届けできる事が出来て幸せに思っています。

最後に、制作チームはじめ作品に力を注ぎ公開に向けて携わってくださった全ての方々に感謝致します。

-田中偉登-

福島さんの人生を映画の中で生きるという緊張と責任、何一つ濁すことなく伝えたいという熱を持って常に監督と話し合いながら撮影に臨みました。。

僕が智として生きる上で一番大事にしていたのは福島さんの「笑顔」です。

撮影が始まるまでの約1カ月、福島さんのもとに何度も通い、点字の打ち方や白杖を持っての歩き方を教えてもらいながら目が見えなくなった時、耳が聞こえなくなった時などの話をたくさん伺いました。

僕には想像できないほどの苦労や痛みを伴う過去でも笑顔で話す姿がとても印象的でした。そして、どんな状況でも諦めず自分が出来る事を見つけ、今では同じ境遇にある人たちの道しるべになる福島さんの強さと優しさをいかに表現できるかはこの「笑顔」にかかっていると思って演じました。

お母ちゃん役の小雪さんには幾度となく助けていただきました。

何も見えない世界で、唯一の頼りのお母ちゃんの腕から離れると取り残されたような感覚に陥り恐怖に押しつぶされそうになりました。摑まっているお母ちゃんの腕の安心感は僕にとって光でした。芝居を重ねていく中で自然と生まれたお母ちゃんと智の信頼関係は本物に近いものだと感じています。

どうしようもなく心が折れそうな時、踏ん張る力をくれる映画です。

「笑顔」で前を向き進んでいけば道は開けると僕が福島さんから学び感じた事がスクリーンを通して皆さんに伝わると嬉しいです。

福島智 東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授

私・福島智は今、59歳。母・令子は今、89歳。私は東京で妻と、母は神戸で一人で、おかげさまでまずまず元気にすごしています。この映画は、私のごく幼いころから、20歳ころまでの母と私の歩みを描いた作品です。シナリオを20バージョン以上も拝見し、いろいろと感想や意見をお伝えしました。また、母・令子役の小雪さんや智役の田中さんたちとも直接お会いして、雑談もまじえながら、点字や指点字の練習を一緒にしました。なので、私の心の中にはこの映画が鮮やかに息づいています。

実話に基づいているとはいえ映画ですので、さまざまな脚色やフィクションは当然含まれています。それでも、幼いころの義眼のエピソードや運動療法に取り組んでいた時のエピソードなど、事実に基づいていることも少なくありません。中でも、1981年の3月のある朝、「病院に遅れるで」と、文句を言いに台所に行った私に、母が突然、両手の指で私の指に妙なことをし始めたこと、つまり、「指点字」の始まりの場面は、現実と映画がそのまま連続しているように感じました。

ただし、小雪さんは母よりも指が細く、背がずっと高い。セリフもすっきりした東京言葉で、関西のおばちゃん言葉ではない。だけど、共通点もあります。それは、「生きるパワーがある」ということです。

【ディレクターズ・ステートメント】
監督:松本准平

福島智さんとの出会いは、前作『パーフェクト・レボリューション』上映会の対談の場面でした。初めて接する盲ろうの方に戸惑いながらも、お話をするにつれ、類まれな感性と思索の力に圧倒されました。僕たちが「見る」ようには映画を「見て」はいないはずなのに、福島先生は映画をよく理解され、示唆に富む感想や質問をいくつもくださったのです。対談を終えて、目も見えない、耳も聞こえない、この福島智という人間に、とても興味を覚えました。

調べていくうちに、心を掻きむしられるように強く惹かれたのは、その壮絶ともいえる彼の半生です。何不自由のない健康な子供が、3歳で右目、9歳で左目、18歳で両耳、と次々とその機能を奪われていく。「奪われる」という表現がまさしく適当な、何の原因も因果もない理不尽な苦しみ。そして徐々に確実に視覚と聴覚を失っていく恐怖。その物語は、こういってもよければ、とてもエキサイティングであり、同時に非常に身につまされるものでした。

そして、その絶望とも言いうる状況の中で、ひときわ輝くのは、福島先生の母・令子さんの息子への献身でした。普通であれば全てを投げ出してしまってもおかしくないこの不条理に、令子さんは不屈の愛情で立ち向かっていくのです。そのお陰もあってか、智少年もユーモアや希望を失うことがないのです。立ちはだかるあらゆる困難にも関わらず、決して諦めずに闘い続ける二人の姿は、僕の心を強く揺さぶりました。そして「この母子の半生を映画として描いてみたい」という想いが沸々と湧き上がっていきました。

福島先生は後に、その著書や活動を通して、度々自らの半生を考察し、その苦しみに光を灯そうとされています。「絶望は苦しみから意味が剥奪されること」というヴィクトール・フランクルの言葉を引用し、「苦しみに意味が生じることが希望」と解釈します。そして、吉野弘の詩『生命(いのち)は』を引用し、「生命は/その中に欠如を抱き/それを他者から満たしてもらうのだ」と、苦しみは寧ろ人間存在の本質であり、苦しみによって人と人は繋がり得ると信じようとされていました。

前作でふとした縁から<障害>というテーマに取り組み、僕はより一層このテーマについて深めてみたいと思ってきました。それは映画制作を通じて、<障害>というものは、いわゆる「社会が分類する<障害者>に特有の何か」ではない、と考えていたからです。私たち誰もが、自分自身の欠陥や、人間関係における分かり合えなさ、または社会構造が孕む歪みや、人生そのものという<障害>に出会っており、そして各々がそれぞれの場面で<障害>と闘っているからです。福島智さんの物語は、そういった意味で現代に生きる多くの人々の心に触れるのではないかと強く感じていました。

映画はコロナ禍で一度の中断を挟んで撮影され、多くの障害に見舞われましたが、この度完成し、お届けできる日が来たことをとても嬉しく思います。そして今振り返りますと、この映画が教えてくれたことは、苦しみの意味だけではなく、特に智の母・令子のふるまいを通して感じとった、人生の光や愛についてであったことも、ここに記しておきたいと思います。この映画を撮れたことを心から感謝いたします。

【プロデューサーズ・ステートメント】
製作総指揮・プロデューサー:結城崇史

人間はコミュニケーションの生きものだと思うんです。皆、自身のもつ五感を通して他者と交わり、日々の喜びや悲しみを感じて生きています。「見ること」「聞くこ と」「しゃべること」は、生きるために大切な力です。僕たちは、「見ること」「聞くこと」を当たり前の事と思っていますが、福島先生にとっては当たり前ではないという事実に僕は深く考えさせられました。脚本の開発の途中で、生まれながら視力のない方にお会いする機会がありました。「結城さん、僕はかわいいとか美しいという感覚がわからないんです。たまに奥さんの顔を見てみたいですか?って聞かれるんですけど、なんて答えていいか...」またある時、脳腫瘍で光を失った青年に会いました。幸い腫瘍は取り除くことができたものの手術の過程で視神経に傷がついてしまい、麻酔から冷めた時、自分の世界が真っ暗になっていて「終わった」と思ったそうです。本当に衝撃を受けました。

一方で自分や周りを顧みるに「お金がない」「仕事が大変だ」「いいことが起こらない」と嘆く人が、世の中には実に多い。当時、本作の準備を監督と脚本家と夜遅くまで進めていました。まだコロナ前でファミレスは遅くまで営業をしていて、ヘロヘロになりながらも自分自身健康で日々過ごしていることをありがたいと思ったものです。

この作品は実は健常者へのメッセージでもあります。この映画を通して人が人として生きる意味を、今一度見つめ直し、僕らが、こうして生きていることの喜びと感謝を噛みしめてもらいたいと願っています。

「衣食足りて・・・」と言いますが、人は自分が恵まれていると感じて、初めて自分以外の人のことを考えることができると思うのです。

有り余るお金を持って、どこかの高級マンションに住み、買いたいものはなんでも買える。でも、もし誰ともコミュニケーションをとることができなければ、例え肉体的に健康であってもどうでしょう?やはり、人間っていうのは、他人と意思の疎通ができてこそ、人の人たる所以なのではないでしょうか? そしてその人の人たる所以を可能とする希望の灯を視覚・聴覚を失った福島先生に与えてくれたのが、福島先生のお母さんが考案した指点字です。そしてこのお母さんの考案は福島先生だけではなく、日本やアジアの2重の苦しみの中にいる人達に命の光をもたらしました。人類への多大なる貢献です。

僕たち映像人は、障害を持つ人達の為に、その障害を物理的に克服するための技術の開発や、また、医療的な貢献をすることはもちろんできません。でも、お話を創って、映像を通して、世界の人達に情報を発信することはできます。

この映画というメディアを通し、細事に悩む健常者が、実は自分は幸福に生きているのだとの自覚を今いちど噛みしめてもらいたい。この作品を通して、指点字のことを、一人でも多くの人々に知ってもらいたい。そして指点字が世界に普及することを切に願います。

最後にこの作品制作のために支えてくれたスタッフ・キャスト・家族・友人・関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

この映画多くの人の生きる力になりますように祈りを込めて・・・。

『桜色の風が咲く』 絶賛コメント到着!

順不同・敬称略

小池栄子 女優

光と音のない世界で過ごす、どんなに不安で怖いだろう。

しかし、彼の世界は誰よりも鮮やかに美しく感じた。

感じること、考えること、人間が生きていくことの大切さを教えて貰いました。

サヘル・ローズ 女優

『不運』ではない

この作品は『生きている』

目の前がぼやけるほど涙が溢れ出る

哀れみではない ただただ 涙引き込まれてい

奪われていく 光景と音色 孤独だと思っていた

でも、違った

母の存在が、

智さんの魂がしめしてくれる

どうか、

アナタにも 心でみて 心できいて

この作品に溢れるメッセージが

観終わった後にアナタの中で木霊していく

奪われたのではなく

私たちはこの作品から多くのことを得ていく

矢沢心 女優

可能性を信じその光を掴む強さ

諦めた時にやってくる孤独とのたたかい

しかしそこには、支えてくれる友や家族

母の愛と強さと絆の温もりに包まれていた

加藤正人 脚本家

絶望から希望に向かう奇跡の物語。

実話ならではのリアルで静謐な映像が、深い感動として胸に沁みる。

伊藤さとり 映画パーソナリティ

生きることとは、喜びも悲しみも辛さも感動も味わうことなのかもしれない。

だけどそれは一人で成し遂げられるものではなくて、家族や友人の姿から「乗り越える方法」を身につけるんだと映画は伝えているようだった。私はこんな親になりたいし、こんな子どもに育ってほしい、そう願った。

桜吹雪の中で、風を感じて匂いを感じて、ありったけ人肌に感謝したい。

樋口真嗣 映画監督

仕事仲間の結城さんが映画を作った。世界を股にかけてCGを作って最強で万能の映像作りをバリバリ進めてきた結城さんがどんな映画を作るのかと思ったら、静謐で、純粋で、真摯な映画を本気で作ってた。いつも仕事したりバカ話してる時には一言も言わないような素晴らしいことを映画にしたいほど考えていたのだ。本当に素晴らしいことだと思うので、わたしも見習いたいと思います。

ベー・チェチョル テノール歌手

失うことをへの恐怖に打ち勝ちながら未来へ進む姿に心打たれ、生きることへの強さと歓びを伝えてくれる作品にめぐりあった。

掛尾良夫 田辺・弁慶映画祭プログラミング・ディレクター

素晴らしい作品。作為的な感情の揺さぶりを抑制し、逆に静かな物語の流れに、主人公の絶望と希望をより強く感じる。自責の念を胸に秘め人生を息子にかける母親を演じる小雪が、今までにない円熟した魅力を放っている。

浅野史郎 元厚生省障害福祉課長、元宮城県知事

感動した!智が盲ろうを克服したからではない。

「僕がこういう状態になったのは、こういう僕じゃないとできないことがあるからちゃうやろか」。

自分の使命を悟ったことに感動した。

母親役の小雪が役にぴったりはまっている。そこにも感動した。

重厚な作品だ。

プロダクション・ノート
(松本准平監督インタビューより)

本作誕生の原点

本作誕生の原点は、松本准平監督が福島智さんと出会った時の感動だった。監督は、前作『パーフェクト・レボリューション』(17)の上映会が東京大学で行われたときの対談相手として福島さんと出会う。福島さんは、視覚も聴覚も完全に失われた全盲ろう者であり、バリアフリー分野の研究に従事している東京大学の教授だった。監督は、対談における福島さんの深い洞察力と鋭い感性に衝撃を受け、福島智という人間に興味を抱いていく。そして何冊かの著書を通して彼の生き方や思索に深く感銘を受けながら、母・令子さんの著書「さとしわかるか」(朝日新聞出版 ※1)を読んだとき、「映画になるかもしれない」と感じたという。そこには、大切な視力と聴力を奪われていく智さんの姿と我が子を支える令子さんの体験が描かれていた。そして監督の心には、「障害というものの本質は何なのか」ということに、もう一度真剣に取り組んでみたいという気持が湧き上がってくる。それは、すべての人が生きる上でそれぞれの“障害”と向き合い闘っているのだ、という認識と響き合うテーマだった。

こうして対談時の感動をメールで伝えた監督が、福島さんと再度会って映画化の許諾を得たのは、2018年のことだった。

※1 「さとしわかるか」(朝日新聞社版) 書籍は現在品切れ、電子書籍(amazonkindle)で購入可能

新生、俳優・小雪。真実味に満ちた“母”を体現。

我が子への不屈の愛で物語を貫く、智の母・令子。この役を演じたいと熱望したのは、俳優・小雪だった。現在彼女は、家族との日常を大切にしながら時間を作り、俳優業をはじめとする仕事に誠実に向き合っている。その日常は、三人のお子さんの子育てをし、畑で野菜を作って料理をするといった、地に足の着いた丁寧な暮らしだ。そんな彼女の飾らない素顔は、出演する「小雪と発酵おばあちゃん」(22 Eテレ)からも垣間見える。

そして小雪に会った監督は、ひとつの確信を抱いた。「僕が勝手に抱いていた“モデルさん”的なイメージとは全然違う方だと感じました。お話をしていると、“お母さん”としての側面を強く感じ、小雪さんだったら令子役を委ねられ、映画がうまくいくと確信しました」。

事実、日常生活に裏付けされた真実味のある彼女の演技は、撮影中の監督を深く感動させた。それは “夫”や“父親”でもある監督自身の認識を新たにさせるような心に迫る演技だった。「“母”あるいは“妻”の在りようの本質的なところを、カメラの前で小雪さんが純粋に体現しているように感じ、ワンカットごとにグッとくるものがありました。令子という人間について、小雪さんにひとつひとつ見せてもらっているような気さえしました」。

監督が演出で常に大切にしていることは、「その人の嘘のないところが映るようにしたい」ということ。本作においても、役に入ってシーンに臨む、その時の小雪の空気感を壊さないで撮りきりたい、彼女の感情をそのまま捉えたいという気持ちだった。その演出意図と小雪自身の希望が重なって、ほとんどテストなしで本番に臨む形で撮影は進められていく。随所で令子は涙を見せるが、「こういう泣くところは、1回しかできないかもしれないから」という小雪の思いもあり、特にそれらのシーンは一発勝負の撮影となった。監督はその演技を絶賛する。「嘘のない涙で、本当に泣いてらっしゃるから、純粋に心に響くものがありました。映画の作り手として感謝したいと思う演技でした」。

キャスティング:智役・田中偉登の圧倒的な魅力

子供時代に光を失いながらも、明るく楽天的で可能性を諦めない大胆さを持ち続ける智。苦悩や思索の力といった内面の表現を求められる上に、盲目の演技も要求される難しい役だ。そんな智を見事に体現したのは、数々の作品で存在感を示す若手俳優・田中偉登(『朝が来る』(20))。彼は智役のオーディションの場で、「目の見えない人の日常を演じてください」という要望に、突然、裸になってシャワーを浴びる芝居をして監督を驚かせたという。さらには脚本上の母・令子とのシーンを演じた際には、その時点ですでに役に入っており、涙を流して芝居をした。即決に近かったと振り返る監督は、その理由を、「まず、芝居がすごく良かった。そして、智にないといけない度胸とか抗う力、真っすぐさのようなものを含めて、彼の中には何かがあるように感じたんです」。

そして二人三脚で人生を歩む令子と智を支え、家庭を守る、令子の夫で智の父親・正美役を演じたのは、吉沢悠(『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』(19))。時には現実的な厳しい意見も言いながら智を見守り、智に付きっきりになりがちな令子の不在時の家庭生活を担う正美を人間味豊かに演じた。「お会いした時に演技に対して真摯な俳優さんだということが伝わってきて、正美役をお任せしようと思いました」と監督は信頼を語る。

赤ん坊の智の目の治療にあたる、横柄なベテラン医師・長尾役を飄々と演じるのは、松本監督の前作『パーフェクト・レボリューション』(17)で主役を務めたリリー・フランキー。令子や智に温かく接する若い飯田医師に、朝倉あき。彼女の主演作『四月の永い夢』(18)を観て心惹かれたという監督は、「なにか奥に持っているものがある方だなあと感じ、もっと撮りたいという気持ちが沸いてきた俳優さんでした」。

キャスト

小雪(福島令子)

Koyuki

1976年12月18日生まれ、神奈川県出身。1995年から雑誌の専属モデルやショーで活躍し、1998年女優デビュー。映画『ラストサムライ』(03)、『嗤う伊右衛門』(04)、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ(05,07,12)、『わたし出すわ』(09)、『信さん 炭坑町のセレナーデ』(10)、『杉原千畝』(15)、ドラマ「不毛地帯」(09 CX)、「大貧乏」(17 CX)、「トップリーグ」(19 WOWOW)、「全裸監督」シリーズ(19,21 Netflix)ほか多くの作品やCMなどに多数出演。3人の子育てをしながら、女優、モデルとして活躍。最近では「小雪と発酵おばあちゃん」(22 Eテレ)等に出演。

田中偉登(福島智/青年期)

Taketo Tanaka

2000年1月24日生まれ、大阪府出身。幼少期からモデルとして活動後、「13歳のハローワーク」(12 EX)でドラマデビュー、同年『宇宙兄弟』で映画デビュー。映画『るろうに剣心』(12)、『劇場版 仮面ライダー鎧武』(14)、『アイスと雨音』(18)、『孤狼の血』(18)、『のぼる小寺さん』(20)、『朝が来る』(20)、ドラマ「相棒seaso15」(17 EX)、「セトウツミ」(17 TX)、「無用庵隠居修行」シリーズ(17~22 BS朝日)、連続テレビ小説「エール」(20 NHK)、「アノニマス」(21 TX)、「イチケイのカラス」(21 CX)等で魅せた抜群の存在感が注目を集め、待機作も多数控える新進気鋭の俳優である。

吉沢悠(福島正美)

Hisashi Yoshizawa

1978年8月30日生まれ、東京都出身。TBS「青の時代」(98)で俳優デビューを果たし、富樫森監督『星に願いを。』(03)で映画初主演。以降、映画、テレビ、舞台など幅広く活躍。映画では『道 -白磁の人-』(12)、『アイアムアヒーロー』(16)、『ちょき』(16)、『エキストランド』(17)、『ライフ・オン・ザ・ ロングボード 2nd Wave』(19)、『189』(21)、『幻の蛍』(22)など、数々の映画に出演。近年では役者の幅を広げ、人間味あふれる演技で幅広い層から支持されている。

吉田美佳子(増田真奈美)

Mikako Yoshida

1999年3月30日生まれ。舞台「つか版・忠臣蔵~大願成就討ち入り篇~」(15),「AZUMI 幕末編」(15)、「アラタ」(17)、「リボンの騎士-県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018-」(18)、「新浄瑠璃百鬼丸~手塚治虫『どろろ』より~」(19)、「フラガール‐dance for smile‐」(19、21)、「フォーティンブラス」(21、22)他。映画『罪の余白』(15)、『エンジェルサイン~故郷へ』(19)。テレビドラマ「トクサツガガガ」(19 NHK)、「パラレル東京」(19 NHK)、「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」(20 NTV)、「ひきこもり先生」(21 NHK)等に出演。2019年にはWeiboにて日中文化交流賞を受賞。

山崎竜太郎(山本正人)

Ryutaro Yamasaki

2002年1月21日生まれ、兵庫県出身。子役として多くの作品に出演、短い休業を経て2019年より俳優業を再開。映画『草の響き』『衝動』(21)、『そして、バトンは渡された』(22)等、テレビ「ソロモンの偽証」(WOWOW)、「ムショぼけ」(ABC)、「ギヴン」(FOD)、「ガンダムビルドリアル」(YouTube)(21)等、「未来への10カウント」(22 EX)等に出演。数多くの作品に意欲的に取り組み、今後の出演待機作も多数控えている。

札内幸太(矢野正孝)

Kota Fudauchi

1985年9月29日生まれ、大阪府出身。近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻卒。演出家、大橋也寸、盛加代子に師事。2009年舞台「鴨川ホルモー」でデビュー。2013年から毎年、舞台、五反田団「新年工場見学会」に出演。2014年初監督映画『SUMMER TIME』を発表。2017年単身NYへ短期留学し、留学中、自主映画制作、オフ・オフ・ブロードウェイミュージカル“To Live in Peace”に出演等活動。映画『かく恋慕』(20)、『青葉家のテーブル』(21)、『闇の料理人クロダ』(22)等に出演。2022年、主演映画『その消失、』で海外からも高い評価を得る。

井上肇(奥田勝利)

Hajime Inoue

1961年3月29日生まれ。東京都出身。2010年のTBSドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』にて注目を浴び、その後も映画、ドラマを中心にバイプレイヤーとして活躍中。近年では、映画『万引き家族』(18)、『ひとよ』(19)、『すばらしき世界』(21)、『峠 最後のサムライ』(22)やTVドラマ「華麗なる一族」(21/WOWOW)、「マイファミリー」(22/TBS)、「TOKYO VICE」(22/WOWOW)など数々の話題作にも出演している。

朝倉あき(飯田瑞穂)

Aki Asakura

1991年9月23日生まれ、神奈川県出身。2008年『歓喜の歌』で映画デビュー。その後、「とめはねっ! 鈴里高校書道部」(10 NHK)にてテレビドラマ初主演。映画『神様のカルテ』(11)、『かぐや姫の物語』(13)(ヒロイン・かぐや姫の声)、『四月の永い夢』(18)、『七つの会議』(19)等、連続テレビ小説「てっぱん」(10~11 NHK)をはじめ「下町ロケット」(15、18、19 TBS)、「グランメゾン★東京」(19 TBS)、大河ドラマ「青天を衝け」(21 NHK)等数多くの作品に出演。

リリー・フランキー(長尾光則)

Lily Franky

1963年生まれ、福岡県出身。イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。初の長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は06年本屋大賞を受賞、また絵本「おでんくん」はアニメ化された。映画では、橋口亮輔監督『ぐるりのこと。』(08)でブルーリボン賞新人賞、白石和彌監督『凶悪』(13)と是枝裕和監督『そして父になる』(13)で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(『そして父になる』は最優秀助演男優賞)など多数受賞。第71回カンヌ国際映画祭では、主演を務めた是枝裕和監督『万引き家族』(18)がパルムドールを受賞。

スタッフ

監督:松本准平

Director : Jumpei Matsumoto

『最後の命』(14)、『パーフェクト・レボリューション』(17)等

脚本:横幕智裕

Script Writer : Tomohiro Yokomaku

「明日をあきらめない・・・がれきの中の新聞社」(12 TX)、「ラジエーションハウス」(コミックス・集英社)等

音楽:小瀬村晶

Music : Akira Kosemura

『最後の命』(14)、「中学聖日記」(18 TBS)、『朝が来る』(20)等

製作総指揮・プロデューサー:結城崇史

Producer : Takafumi Yuki

「坂の上の雲」(09~11 NHK)、「精霊の守り人」(16~18 NHK)、「東京裁判」(16 Netflix/NHK)、「鎌倉殿の13人」(22 NHK)等

映画『桜色の風が咲く』オリジナル・サウンドトラック

2022年11月4日(金) 配信リリース

発売:ユニバーサル ミュージック

盲ろう者用シナリオデータ

セリフ、字幕、音声ガイド、台本のト書きなどを収録したシナリオデータとなります。

また画面や音の情報がわかるよう、通常の字幕や音声ガイドに加えて、場面・状況説明が入っています。

データは、テキスト版(TXT形式)、点字版(BES形式)、拡大版(DOCX形式)を準備しております。ご希望のデータをお知らせください。

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