『96時間』(08)や『パリより愛をこめて』(10)の監督として知られ、『トランスポーター』(02)や『TAXi(4)』(07)の撮影も手掛けたピエール・モレルが、ロスで脚本家のマイケル・ブラントとデレク・ハースと出会ったのは6年前のことだった。二人から脚本を受け取ったモレルは、クラシックカーを盗むというアイデアに興奮したと語る。シリーズものも数多く製作されているカームービーでは、車はツールとして使われることが主流だが、その脚本では手に入れるべき宝物として描かれているのが斬新だった。
さらに、「カーアクションが楽しめるのに、物語は決してカーアクション映画ではないんだ」とモレルは解説する。幾度かのどんでん返しの果てに、最後は驚きの結末を迎えるのだ。「映画の構成としては、『ワイルド・スピード』よりも『オーシャンズ』シリーズに近いと言えば、わかりやすいかな」とモレルは補足する。