兄のアンドリュー役には、「古典的なカリスマ性を持つ今の新しいスターに演じてもらいたい」というネグレ監督の希望で、スコット・イーストウッドが起用された。ヴィジュアルはあまりにも父親のクリントにそっくりで、スターのオーラもそのままだが、親しみやすい内面も滲んでいて、アンドリュー役に適任だった。スコットは脚本を読んだ時、リメイク流行りの今、オリジナルのアイデアが気に入ったと語っている。
スコットの衣装は、スティーヴ・マックィーン主演の『ブリット』へのオマージュで、“お洒落すぎないが、洗練されている”をテーマに、ジーンズとジャケットが選ばれた。また、『栄光のル・マン』(71)でマックィーンがしているのとまったく同じホイヤーの時計を使っている。
無鉄砲で生意気な弟のギャレット役には、違う環境で育った異母兄弟だということを際立たせるためにイギリス育ちという設定にして、アメリカ人のスコットに対して、あえてイギリス人の新進俳優のフレディ・ソープを抜擢した。
彼らに絡む女性たちは、グローバルな時代だから、国際的なキャストにしたいと考え、アンドリューの恋人のステファニーにはキューバ出身のアナ・デ・アルマス、スリのデヴィンにイギリスとフランスのハーフであるガイア・ワイスを起用した。