モレルはセカンドユニットのスタッフを、彼が長年アクション撮影を共にしてきたチームで固めた。フィジカルスタントには、『TAXi』シリーズ(98〜07)、『96時間』、『トランスポーター』などのフィリップ・ゲガン、カースタントには、『RONIN』(98)、『ボーン・アイデンティティー』(02)のジャン=クロード・ラニエなど、素晴らしい経歴の持ち主たちが集まり、CG処理は極力抑えられている。
撮影は、マルセイユを中心に、アンティーブ、ニース、リビエラの南仏で行われた。道路に関しては、モンテカルロなど北で撮ったシーンもある。カメラは最大で10台が同時にまわされ、アイパワーカメラというハイスピードに耐えうるカメラをヘリコプターやトラックに装着し、ドローンでも撮影している。
最も苦労したのは、オープニングシーンだ。20トン20メートルのトラックを横転させるのは大仕事で、ほぼ1週間をかけて撮影した。一方通行の渓谷を走るクロージングのカーチェイスも、様々な角度から撮るために、何度も走らなければならなかった。カメラクルーの努力を受け止めて、編集では本編96分の間に3000を超えるカットを使っている。