バイソン

バイソン

動物界で最も激しい決闘をする野牛
ヨーロッパバイソンは、20世紀初頭に野生絶滅し、ロシア皇帝が各地に送った動物園の飼育個体を野生再導入することで、現在4000頭まで回復。人類が動物園を保護基地として野生復元・共生プログラムで20世紀前半から取り組んで成功したもののひとつである。家畜牛の直接の祖先は17世紀に絶滅したオーロックスだが、当時から生息していたジャコウウシやバイソンといった現生の野生動物を使って氷河時代を再現するというアイデアもとても斬新である。
分類偶蹄目ウシ科
分布東ヨーロッパ、北米 ヨーロッパでは野生絶滅、北米でも絶滅寸前になったが、動物園などで繁殖した個体を再導入して生息数が回復してきている。
※氷河期には日本にも生息していた。
形態最大体長350cm、体重1.2トン、オスメスとも角がある。肩が隆起してコブのようになっている。生後しばらくは、バイソン特有の胸から顔にかけた縮毛がなく家畜のウシと同じ姿をしている。
生態ウシの仲間で草食。胃袋を4つもっており反芻できる。メスとその子どもからなる群れをつくり、オスは通常は単独で生活する。豪雪地帯にも適応し氷河期を乗り越えることができた貴重な動物である。オス同士の闘いは、動物界でも最も激しい。頭をぶつけて、角をからませて相撲をとる。この激しい儀式的な闘いで命を落とすことこともある。ここまで激しい儀式的な闘いに進化した理由は、生息環境の四季が厳しいため、短い繁殖期でメスが強いオスを選べるようにしたと考えられている。草本が主食。寿命は約40年。