トナカイ

トナカイ

極寒の地に適応した
秘密兵器満載のシカ
寒冷地にも耐えられる防寒着となる毛皮、食料用の肉、ミルク、薬、装飾品などの骨角、運搬用のソリを引くなど利用価値が高いことから、シカ類で唯一家畜になった動物。人類が最も古く家畜化した動物の一つである。トナカ イは、オオカミなどの天敵から人間に守ってもらえるメリットもあることがわかる。
分類偶蹄目シカ科
分布ユーラシア大陸北部、北米
形態最大体長220cm、体重 300kg シカの仲間は、オスしか角を持たないが、トナカイは唯一メスも角を持つ。豪雪地帯に生息しているため、冬場の食料として雪の下のコケなどを掘るのに角を使うためと考えられている。角は1年に1回生えかわる。足の指(蹄:ひずめ)も広がるために雪の上でも速く走ることができる。オスは繁殖期に喉のまわりの白い毛が長く伸びる。
生態シカの仲間は、通常はオス1頭とメス数頭のハーレム型の群れをつくることが多いが、トナカイはオス、メス混合の大きな群れをつくる。雪のない場所では、時速80kmで走ることができるので、天敵のオオカミ、オオヤマネコ、ヒグマなども簡単には捕まえられない。草や樹木の葉が主食だが、極寒期は樹皮やコケを食べる。寿命は約15年。フランス語でカリブーと呼ばれている。哺乳類でありながら、渡り鳥のように季節によって1200キロ以上移動する亜種もいる。移動する場合は10万頭になることもある。