カンヌに見出され世界へ──
ヨン・サンホ旋風は止まらない
大ヒット作『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編である本作の製作が決まった時、ヨン・サンホ監督は「前作よりスケールアップした世界観が作れるので、プレッシャーより喜びのほうが大きかった」と振り返る。潤沢な予算を得たヨン監督は、シンガポールを拠点とする、VFXの高い技術を誇る会社ヴィヴィッドスリーと初めてタッグを組み、バーチャル・リアリティーを体現した。その結果、前作を遥かに超える大規模なアクションシーン満載の作品が完成した。
2020年6月、本作はカンヌ国際映画祭公式作品に選出された。映画祭の総代表を務めるティエリー・フレモーは、「パク・チャヌクやポン・ジュノに続き、ヨン・サンホは韓国を代表する映画監督だ」と、最大級の称賛をヨン監督に贈った。これでカンヌ国際映画祭からの3度目の招待を受け取ったヨン監督は、「映画監督としてデビューした時から、カンヌ国際映画祭に招かれることは夢だった。感謝しているし、光栄だと思っている」と感慨深げに語る。
カンヌの評価を受けて、北米と南米、フランス、台湾などの配給会社が権利を買い取り、アジア圏の国々でも公開され、世界の映画界に前作を凌駕する旋風を巻き起こしている。