国民的大女優が発表した自伝本。そこに綴られなかった母と娘の物語とは。

Introduction

日本人監督初の快挙!!ヴェネチア国際映画祭オープニング作品に選定『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞を受賞した是枝裕和監督、初の国際共同製作作品

2018年、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のパルムドールという最高の栄誉に輝いた是枝裕和監督。彼がカンヌの授賞式直後に向かった先は、ニューヨークだった。目的は、イーサン・ホークとの出演交渉のため。監督初となる国際共同製作作品『真実』が、既に動き始めていた。

豪華キャスト、スタッフとの言語と文化の違いを楽しみながら乗り越えていく、刺激的なチャレンジとなった『真実』は、日本人監督初となる、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品に選出。更なる国際的な活躍に、映画界の期待がより一層高まる。
主演は、映画界の至宝、『シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴ。彼女の娘役に、『ポンヌフの恋人』のジュリエット・ビノシュ。その夫役に、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク。錚々たるキャストを迎え、母と娘の愛憎うず巻く感動ドラマが誕生した。さらに本作は、日本人監督初となる、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品に決定。世界を股に掛けた、更なる活躍に早くも期待が高まる。

Story

すべてのはじまりは、国民的大女優が発表した「真実」という名の自伝本―

世界中にその名を知られる、国民的大女優ファビエンヌが、自伝本「真実」を出版。海外で脚本家として活躍している娘のリュミール、テレビ俳優として人気の娘婿、そのふたりの娘シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書─。“出版祝い”を口実に、ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ。「いったい彼女は何を綴ったのか?」
そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎うず巻く心の影を露わにしていき―。

Director's Interview

是枝裕和監督インタビュー

10月11日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

是枝裕和監督インタビュー

是枝裕和監督インタビュー
── 作品全体のトーンが非常に軽やかですね。
読後感の明るいものを作りたいという想いが強くありました。前作がバッドエンドだったとは思いませんが、今回は自分の中でも最も明るい方へ振ろうと決めて現場に入りました。

── フランスの二大女優との共演に、イーサン・ホークさんを選ばれた理由は?
一番やりたい役者だったからです。(リチャード・)リンクレイターとの仕事を見ていて、今回のような作品を面白がってくれるだろうと。(カトリーヌ・)ドヌーヴさんも俳優として彼のことが大好きで、正式に決まる前から脚本を「イーサンをイメージして読んだ」とおっしゃっていました。

── ホークさんとは撮影前にどんなお話をされましたか?
最初に、「なぜ、僕が演じるハンクはわざわざフランスまで行くんだろう」と。役者から疑問をぶつけられるのは、とても大事なことです。(樹木)希林さんにも、よく聞かれました。母親に幸せな家族を見せつけるためだとか、彼が実はお酒をやめていてなど、全てイーサンとのやり取りの中で作っていきました。ハンクの弱点を書いてくれて、非常に演じやすくなったと言われましたね。

── オーディションでマノン・クラヴェルさんを選ばれた理由は?
声ですね。劇中のマノンも魅力的なハスキーボイスだという設定に変えました。

── リュディヴィーヌ・サニエさんは?
彼女は元々、僕の作品を気に入ってくれていて。彼女に合わせて少し書き直しました。

── 脚本執筆で、文化や慣習の違いなどはどうされましたか?
プロデューサー陣に第一稿を読んでもらった時に、「こういう言い方はしない」「この設定は違う」という意見が出たので、それを受け止めて修正していくという作業をしました。この年齢の子供とは川の字では寝ないとか、フランス人は70歳を過ぎても階段なんか気にしないとか。全てを受け入れたわけではありませんが。

── 週休2日、1日8時間の規則的な撮影だったそうですね。
フランスでは、映画というものが、観ることも撮影することも日常なんです。日本はお祓いから入って寝食を共にして、お祭りやイベントですよね。僕に関して言うと、一度も体調を崩すこともなく、正しいやり方だと思いましたが、今日は調子が出てきたからもう少し撮りたいなと物足りないところもありました。

── 演出方法は変えられましたか?
今までと同じ方法でやらせてもらいました。最初は変えるつもりだったんです。(ジュリエット・)ビノシュさんから自分の中に役を落とし込むのに3週間かかるから、前日に台本を直して当日渡すようなことはやめてほしいと言われたので。その時はそうすると約束したのですが、撮影が始まったらすぐに破ってしまいました。ビノシュさんは「諦めた」と言ってましたね(笑)。

── 脚本が変わることに関して、ドヌーヴさんの反応は?
ドヌーヴさんは、お昼に来てメイクをしながら台本を開くので、変わっていてもいなくても関係ないんです。そこに呼ばれて、「今日のここなんだけれど、こういう風に言っていいかしら」と。マノンの目を見て「小鹿みたい」と褒める台詞もそうです。いろいろ提案してくださる。希林さんと一緒でしたね。

── 現場でのお二人は?
ドヌーヴさんは、どのシーンも必ず素晴らしいテイクがある。そこがやっぱりすごいと思います。自分でもわかっていて、それが出るととても嬉しそうにされて、「今のが、OK」と。「今晩8時にディナーの約束をしているの」という日は、早い段階でそれが出ましたね(笑)。その点、ビノシュさんは正反対で、既にベストなテイクがあっても、もっとよくなるんじゃないかと何度もトライしたいタイプでした。

── 母と娘の対決と和解のシーン、二つの山場があります。
対決のシーンは、昼間のうちにたまっていったリュミールの想いが噴出し、娘に引き金を引かれた母親がどう反撃しつつ、ある種のもろさを出すかというところが重要でした。和解のシーンは、抱き合った後に女優に戻る母に娘が仕掛け返すシーン、あれは撮影途中で書いたシーンで、何テイクか撮って編集で着地点を決めています。

── 撮影監督のエリック・ゴーティエさんは?
素晴らしかったです。人間と空間を非常に瑞々しく撮っている。僕がカットバックで考えていたものをワンカットで撮るなど、すごく動き回っているのですが、全てが的確なワークで見事でした。

── 音楽は?
今回は、多幸感のある音楽をと考えて、いくつか送ってもらったデモを聞いて、アレクセイ・アイギに依頼しました。テーマは動物園。ファビエンヌに魔法で動物に変えられた大人たちがいるにぎやかな空間に、孫娘が遊びに来た時に響いている音楽というイメージです。

── エンドロールのドヌーヴさんも素敵でした。
あそこまで、豹柄が似合う人はいませんよね(笑)。

カトリーヌ・ドヌーヴ(as ファビエンヌ・ダンジュヴィル)

CATHERINE DENEUVE as FABIENNE D'ANGEVILLE

1943年10月22日、フランス、パリ生まれ。1957年にデビュー。ロジェ・ヴァディム監督の『悪徳の栄え』(62)、ジャック・ドゥミ監督の『シェルブールの雨傘』(63)の主演でスターの座を獲得する。ドゥミ監督作品は、『ロシュフォールの恋人たち』(66)と『ロバと王女』(70)にも出演。さらに、ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(67)と『哀しみのトリスターナ』(70)での妖艶な魅力で新境地を開拓する。名匠フランソワ・トリュフォー監督とは『暗くなるまでこの恋を』(69)とセザール賞を受賞した『終電車』(80)で組み、『インドシナ』(92)では2度目のセザール賞に輝くと共にアカデミー賞Rにもノミネートされ、フランス映画のアイコンとして君臨する。

近年では、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『8人の女たち』(02)、セザール賞にノミネートされた『しあわせの雨傘』(10)などフランソワ・オゾン監督作品でも高く評価され、2008年にはカンヌ国際映画祭で特別賞を贈られる。

その他の出演作は、アンドレ・テシネ監督の『海辺のホテルにて』(81)と『夜の子供たち』(96)、ヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞した『ヴァンドーム広場』(98)、レオス・カラックス監督の『ポーラX』(99)、セザール賞にノミネートされた『太陽のめざめ』(15)など。

ジュリエット・ビノシュ(as リュミール)

JULIETTE BINOCHE as LUMIR

1964年3月9日、フランス、パリ生まれ。巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(84)で注目され、アンドレ・テシネ監督の『ランデヴー』(85)でセザール賞にノミネートされる。続くレオス・カラックス監督の『汚れた血』(86)で日本でも高い人気を獲得し、フィリップ・カウフマン監督の『存在の耐えられない軽さ』(88)でアメリカに進出する。

その後も国際的に活躍し、『トリコロール/青の愛』(93)でセザール賞、ヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。さらに、アンソニー・ミンゲラ監督の『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でアカデミー賞Rに輝き、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、続く『ショコラ』(00)でも再びオスカーにノミネートされる。カンヌ国際映画祭では、『トスカーナの贋作』(10)で女優賞を受賞、オリヴィエ・アサイヤス監督の『アクトレス~女たちの舞台~』(14)でセザール賞にノミネートされるなど、その高い演技力に世界から惜しみない称賛が送り続けられている。

その他の出演作は、ルイ・マル監督の『ダメージ』(92)、『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』(07)、『GODZILLA ゴジラ』(14)、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17)など。

イーサン・ホーク(as ハンク・クーパー)

ETHAN HAWKE as HANK COOPER

1970年11月6日、アメリカ、テキサス州生まれ。ロビン・ウィリアムズ主演の大ヒット作『いまを生きる』(89)の生徒役で一躍注目され、ベン・スティラー監督・共演の『リアリティ・バイツ』(94)で世界的な人気を得る。その後、デンゼル・ワシントン共演の『トレーニング デイ』(01)でアカデミー賞Rにノミネートされ、演技派俳優としても認められる。

リチャード・リンクレイター監督とのコラボレーションでも知られ、『恋人までの距離(DISTANCE)』(95)と、その続編で共同脚本も手掛けてアカデミー賞R脚色賞にノミネートされた『ビフォア・サンセット』(04)と『ビフォア・ミッドナイト』(13)、『ニュートン・ボーイズ』(98)、声の出演をしたアニメーション作品『ウェイキング・ライフ』(01)、『テープ』(01)、『ファーストフード・ネイション』(06)に出演する。リンクレイターが数々の賞に輝いた『6才のボクが、大人になるまで。』(14)の父親役でも絶賛され、アカデミー賞Rとゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされる。

その他の出演作は、『ガタカ』(97)、『大いなる遺産』(98)、『魂のゆくえ』(17)など。監督業にも進出、自伝的小説を自ら映画化した『痛いほどきみが好きなのに』(06)などがある。

リュディヴィーヌ・サニエ(as アンナ・ルロワ)

LUDIVINE SAGNIER as ANNA LEROY

1979年7月3日、フランス生まれ。『焼け石に水』(00)、カトリーヌ・ドヌーヴ、ファニー・アルダンらフランスの大女優たちと共演し、彼女らと共にベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『8人の女たち』(02)、アメリカでもヒットしてその存在を広く知られた『スイミング・プール』(03)など、フランスが誇る異才フランソワ・オゾン監督の作品で高く評価される。

その他の出演作は、アラン・レネ監督の『お家に帰りたい』(89)、ハリウッドに進出した『ピーター・パン』(03)、主演作『情痴 アヴァンチュール』(05)、アルフォンソ・キュアロン監督のパートに出演したオムニバス映画『パリ、ジュテーム』(06)、セザール賞にノミネートされた『ある秘密』(07)、ドヌーヴと共演した『愛のあしあと』(11)など。

クレモンティーヌ・グルニエ(as シャルロット)

CLEMENTINE GRENIER as CHARLOTTE

2011年4月26日、フランス生まれ。本作のオーディションでは、演技未経験ながら、物怖じしない自由奔放な魅力、表情やリアクションのよさで監督を魅了し、シャルロット役を射止めた。

マノン・クラヴェル(as マノン・ルノワール)

MANON CLAVEL as MANON RENOIR

フランス生まれ。26歳。2014年から演技の勉強を始め、2015年から名門演劇学校クール・フローラン、2016年からフランス国立高等演劇学校で舞台俳優として活躍。2016年、舞台「Let’s keep smiling」での演技が評価され、Olga Horstig賞受賞。また、『Le Sully』(12)、『She Walks』(14)、『Adagio』(16)など若手監督の短編映画にも出演する。コンセルヴァトワール(仏国立高等演劇学校)在学中に、本作のオーディションを受け、長編映画は未経験ながら、新進女優マノン役に大抜擢される。この役はもともとイザベルという架空の名前だったが、のちに監督によって、役柄通り新進女優であるマノン本人の名前に変更された。

アラン・リボル(as リュック)

ALAIN LIBOLT as LUC

1943年8月20日、フランス生まれ。俳優。まず演劇を学び、モリエール、シェイクスピアなどの古典を中心に舞台で活躍。1967年、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ監督『さすらいの青春』で映画初出演。以後、ジャン=ピエール・メルヴィル『影の軍隊』(69)、ジェラール・ブラッシュ監督『薔薇色のロレーヌ』(70)、エリック・ロメール監督『恋の秋』(98)、『グレースと公爵』(01)、『我が至上の愛?アストレとセラドン?』(07)など多くの作品に出演。

クリスチャン・クラエ(as ジャック)

CHRISTIAN CRAHAY as JACQUES

1949年9月23日、ベルギー生まれ。演出家としても活躍している。リエージュの王立高等演劇学校卒業後、ベルギーとフランスの舞台を中心に活躍する。1987年、ダルデンヌ兄弟監督の初長編劇映画『Falsch』で映画初出演を果たす。以後、シャンタル・アケルマン監督の『Nuit et jour』(91)、ジャンヌ・モロー、マリオン・コティヤール共演の『銀幕のメモワール』(01)、ブノワ・マジメル共演の『デッドリンガー』(05)、リュディヴィーヌ・サニエ共演の『情痴 アヴァンチュール』(05)などに出演し、燻し銀の魅力を放つ

ロジェ・ヴァン・オール(as ピエール)

ROGER VAN HOOL as PIERRE

1940年、ベルギー生まれ。カトリーヌ・ドヌーヴとは、『別離』(68)で共演している。その他の出演作は、フランソワ・トリュフォー監督の『隣の女』(81)、ダニエル・オートゥイユ共演の『画家と庭師とカンパーニュ』(07)、『地下に潜む怪人』(14)、オドレイ・トトゥ共演の『海へのオデッセイジャック・クストー物語』(16)など。

監督・脚本・編集:是枝裕和

DIRECTOR WRITER EDITOR: KORE-EDA HIROKAZU

1962年6月6日、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。2014年に独立し制作者集団「分福」を立ち上げる。主なTV作品に、「しかし・・・」(91/CX/ギャラクシー賞優秀作品賞)、「もう一つの教育~伊那小学校春組の記録~」(91/CX/ATP賞優秀賞)などがある。1995年、『幻の光』で監督デビューし、ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。2004年の『誰も知らない』では、主演を務めた柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。その他、『ワンダフルライフ』(98)、『花よりもなほ』(06)、『歩いても 歩いても』(08)、『空気人形』(09)、『奇跡』(11)などを手掛ける。

2013年、『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を始め、国内外で多数の賞を受賞。『海街diary』(15)はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、日本アカデミー賞最優秀作品賞他4冠に輝く。『海よりもまだ深く』(16)が映画祭「ある視点」部門正式出品。『三度目の殺人』(17)は第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品、日本アカデミー賞最優秀作品賞他6冠に輝いた。

さらに、『万引き家族』(18)が、第71回カンヌ国際映画祭で栄えある最高賞のパルムドールを受賞し、第91回アカデミー賞R外国語映画賞にノミネートされ、第44回セザール賞外国映画賞を獲得し、第42回日本アカデミー賞では最優秀賞を最多8部門受賞する。

製作:ミュリエル・メルラン

PRODUCER: MURIEL MERLIN

カンヌ国際映画祭の常連で、グランプリに2度輝くブリュノ・デュモン監督作品のプロデューサーとして知られ、『欲望の旅』(03)、『フランドル』(05)、『Hadewijch』(09)、ジュリエット・ビノシュが女性彫刻家カミーユ・クローデルを演じた『カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇』(13)、ビノシュがファブリス・ルキーニと共演した『Ma Loute』(16)、『Jeanne』(19)などを手掛ける。

製作:福間美由紀

PRODUCER: MIYUKI FUKUMA

プロデューサー。島根県出身。東京大学大学院修了後、テレビマンユニオン入社。2014年映像制作集団「分福」に立ち上げから参加。主に海外展開、企画開発、プロデュースに従事。『花よりもなほ』(06)以降のほぼ全ての是枝裕和監督作品、西川美和監督『ゆれる』(06)、『ディア・ドクター』(09)、中村佑子監督『はじまりの記憶 杉本博司』(12)、フランス現代美術家ピエール・ユイグの映像プロジェクト『 Human Mask』(14)、国際共同製作のオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』(18)などを手掛ける。

製作:マチルド・インセルティ

PRODUCER: MATILDE INCERTI

数多くの映画の宣伝を手掛ける。担当作の中には、ミヒャエル・ハネケ監督、ジュリエット・ビノシュ主演の『コード:アンノウン』(00)、ロマン・デュリス主演の『パリの中で』(06)、ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダール・ソシアリスム』(10)と『イメージの本』(18)、シャルロット・ゲンズブール主演の『パパの木』(10)、イザベル・ユペール主演の『ヴィオレッタ』(11)などがある。また、是枝裕和監督の『海街diary』(15)、『三度目の殺人』(17)、『万引き家族』(18)のフランスでの宣伝を担当する。2019年、フランス人アーティストのプリュンヌ・ヌーリーが監督した自身についてのドキュメンタリー映画『Serendipity』で、共同プロデューサーを務める。

撮影:エリック・ゴーティエ

DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY: ERIC GAUTIER

1961年、フランス、パリ生まれ。パトリス・シェロー監督の『愛する者よ、列車に乗れ』(98)でセザール賞を受賞し、オリヴィエ・アサイヤス監督の『クリーン』(04)、シェロー監督の『ガブリエル』(05)、アラン・レネ監督の『六つの心』(06)、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『クリスマス・ストーリー』(08)、レネ監督の『風にそよぐ草』(09)でセザール賞に5度ノミネートされる。さらに、ウォルター・サレス監督の『モーターサイクル・ダイアリーズ』(04)で、英国アカデミー賞にノミネートされ、インディペンデント・スピリット賞を受賞する。

その他の作品は、ショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』(07)、サレス監督の『オン・ザ・ロード』(12)、ニコール・キッドマン主演の『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(14)など。

録音:ジャン=ピエール・デュレ

RECORDING DIRECTOR: JEAN-PIERRE DURET

1953年生まれ。マッツ・ミケルセン主演の『バトル・オブ・ライジング コールハースの戦い』(13)でセザール賞を受賞し、モーリス・ピアラ監督の『ヴァン・ゴッホ』(91)、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『ヴァンドーム広場』(98)、『メゾン ある娼館の記憶』(11)、マリオン・コティヤール主演の『愛を綴る女』(16)でセザール賞に4度ノミネートされる。

ダルデンヌ兄弟監督作品で知られ、『イゴールの約束』(96)、『ロゼッタ』(99)、『息子のまなざし』(02)、『ある子供』(05)、『ロルナの祈り』(08)、『少年と自転車』(11)、『サンドラの週末』(14)、『午後8時の訪問者』(16)を担当する。

その他の作品は、フランソワ・オゾン監督の『ふたりの5つの分かれ路』(04)、セドリック・カーン監督の『ワイルド・ライフ』(14)など。

衣装:パスカリーヌ・シャヴァンヌ

COSTUME DESIGNER: PASCALINE CHAVANNE

フランソワ・オゾン監督作品で知られ、カトリーヌ・ドヌーヴ出演の『8人の女たち』(02)、『ふたりの5つの分かれ路』(04)、『ぼくを葬る』(05)、『エンジェル』(07)、ドヌーヴ主演の『しあわせの雨傘』(10)、『危険なプロット』(12)、『17歳』(13)、『彼は秘密の女ともだち』(14)、『婚約者の友人』(16)、『2重螺旋の恋人』(17)を手掛ける。

その他の作品は、『薬指の標本』(04)、パトリス・ルコント監督の『暮れ逢い』(13)、ドヌーヴ主演の『ミス・ブルターニュの恋』(13)と『太陽のめざめ』(15)、『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』(17)、マチュー・アマルリック監督・出演の『バルバラ ~セーヌの黒いバラ~』(17)など。『ルノワール 陽だまりの裸婦』(12)でセザール賞に輝く。

美術:リトン・デュピール=クレモン

PRODUCTION DESIGNER: RITON DUPIRE-CLEMENT

主な作品は、『UV -プールサイド-』(07)、ジュリエット・ビノシュ主演の『カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇』(13)など。『Ma Loute』(16)で、セザール賞にノミネートされる。

音楽:アレクセイ・アイギ

MUSIC: ALEXEI AIGUI

1971年、ロシア、モスクワ生まれ。主な作品は、アガサ・クリスティー原作の『華麗なるアリバイ』(08)、『残酷メルヘン 親指トムの冒険』(11)、『オルド 黄金の国の魔術師』(12)、『草原の実験』(14)、『カリキュレーター』(14)、TVミニシリーズ「ドストエフスキーの悪霊」(14)、ドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』(16)、カール・マルクスの伝記映画『マルクス・エンゲルス』(17)など。