母を亡くした高校生のミアは、気晴らしに仲間とSNSで話題の「#90秒憑依チャレンジ」に参加してみる。
ミアたちはそのスリルと強烈な快感にのめり込み、チャレンジを繰り返していくが、仲間の1人にミアの母の霊が憑依し——。
サンダンス映画祭で話題騒然! A24が北米配給権を獲得し全米はじめ全世界で大ヒット、アリ・アスターやジョーダン・ピール、サム・ライミ、スティーヴン・スピルバーグら名だたる名匠も絶賛した新世代ホラーが、この冬、いよいよ日本に上陸する!
90秒の憑依チャレンジ――ルールは簡単、“手”を握り、「Talk to Me」と唱えて招き憑れるだけ。しかし、一つだけ注意が必要だ。制限時間の90秒を超えて霊を憑依させ続けては、絶対にいけない。手軽にスリルと高揚感を味わえる行為にハマっていく若者たち。だがその代償はあまりにも大きかった。
キャッチーな設定や過激な残酷描写とともに描かれるのは、人との繋がりを強要されるSNS世代の若者たちの孤独。フレッシュなキャストを起用し、現代的なテーマとエッセンスをちりばめつつ、ホラー映画の定石を巧みに覆してみせる軽やかな演出手腕は、新世代の映像クリエイターらしい感性の賜物といえるだろう。『SMILE/スマイル』(22)、『ブギーマン』(23)など若き才能の躍進が目立った2023年のホラー映画界を締めくくるにふさわしい話題作『Talk to Me/トーク・トゥ・ミー』。その衝撃を、とくと目に焼き付けたい!
母を亡くした高校生のミアは、気晴らしに仲間とSNSで話題の「#90秒憑依チャレンジ」に参加してみる。
ミアたちはそのスリルと強烈な快感にのめり込み、チャレンジを繰り返していくが、仲間の1人にミアの母の霊が憑依し——。
「『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』は、10代の若者が自分の感情をどう対処したら良いのか分からず葛藤し、そのはけ口を見つけようとして混乱する姿を真摯に描いています。僕たちがこの作品をデビュー作にしたいと思ったのは、これが現在の僕たちの世界に最も近い物語であり、それを表現したいと思ったからです」
そう語るのはオーストラリアの双子映画監督ダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウだ。2人は、総再生数15億回、登録者数679万人を誇るYouTubeチャンネル「RACKARACKA」で世界的に知られる超人気YouTuberでもある。『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』は、そんな彼らの長編映画デビュー作である。
本作のアイデアは、成長していく近所の子どもたちを観察する中で生まれたという。ダニーはこう説明する。「1人はドラッグで色々な実験をし、仲間たちがその体験をカメラに収めていたんです。ある時ドラッグを服用した後、床で痙攣し始めたんです。仲間たちは変わらず笑いながらビデオを撮っていました。僕はその様子をみて強い衝撃を受けると同時に、とても怖いなと感じました」
双子の友人であるデイリー・ピアソンが、霊に取り憑かれる体験を楽しむ10代の少年たちを描いた短編映画を2人に共有。ダニーは、そのコンセプトに想像力をかき立てられ、共同執筆者のビル・ハインツマンと話し合いを始めた。
ダニーが語る。「物語は、草稿の段階でどんどん溢れてきました。登場人物はとても現実的に感じられ、自然に展開していったんです。僕が最初に80ページのシーンやアイデアやキャラクターを書き、そこにビルがアイデアを付け加えてテーマや構成ができていきました」
この映画は、霊を憑依させることでハイになる体験を見出す10代の少女の物語だ。しかし、より深い部分では、依存症や精神疾患を抱えている若者たちをテーマとしている。抑圧した痛みから逃避しようとして、結局はその痛みを爆発させてしまう様子が浮き彫りになる。
登場人物や物語が形成されていく中でダニーとマイケルは、『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』を自分たちの長編映画デビュー作にしようと決断した。
1992年11月13日生まれ、オーストラリア出身の双子。2013年に開設したYouTubeチャンネル「RackaRacka」は総再生数15億回以上、679万人の登録者数を誇る。2015年、同チャンネルは第6回ストリーミー賞ベスト・インターナショナルYouTubeチャンネルを受賞。2人は「Variety」誌の「Famechangers 2016」に選ばれ、2017年にはビジネス紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー」の「Cultural Power List」で5位にランクイン。オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞最優秀ウェブ番組賞ほか、数々の賞を受賞している。ジェニファー・ケント監督の『ババドック~暗闇の魔物~』(14)に撮影クルーとして参加。『Talk To Me』の続編『Talk 2 Me』でもメガホンをとるほか、世界的人気ゲーム『ストリートファイター』の実写化でも監督を務めることが決定している。
2019年にオーストラリア国立演劇学院を卒業し、同年、シドニー・オペラハウスにてベル・シェイクスピア劇団『ハムレット』のオフィーリア役で舞台デビューを果たす。2021年、TVシリーズ「エデン:8つの真実」で主演を務めた後、英BBCの「ユー・ドント・ノウ・ミー」(21)などで注目を集める。その他の出演作に、主人公ソフィア・ウェスタンを演じた英国のTVミニシリーズ「Tom Jones」(23)、クリストフ・ヴァルツ、サム・ニールらと共演したファンタジー映画『The Portable Door』(23)などがある。
MaxオリジナルのTVシリーズ「Frayed」(19〜21)のアビー役で俳優デビュー。「レットダウン:ママはつらいよ」(17〜19)、「アレクサの殺人ファイル~メルボルン編」(19〜)などのTVシリーズにゲスト出演。その他の主な出演作にTVシリーズ「Amazing Grace」(21)、「Joe vs. Carole」(22)などがある。長編映画『Beat』(22)、ABCのTVシリーズ「The Messenger」(23〜)では主演を務めた。
9歳から俳優として活動。『Rabbit』(17)のエイデン役で長編映画初出演を果たし、同年の短編映画『Charlie in Charlie's Story』にも出演した。ABCのTVミニシリーズ『First Day』(20〜22)、短編映画『Treasure』(21)、Netflixのシリーズ『セカンド・チャンス:私たちのアカデミー』(22)などにも出演している。
幼い頃から舞台に立ち、2015年、シドニーのベルヴォア・ストリート劇場にて『Mortido』でプロとして舞台デビューを果たす。『アクアマン』(18)で13歳のアーサー・カリー役を演じてスクリーン・デビュー。SBSのTVミニシリーズ「On the Ropes」(18)にレギュラーキャストとして出演。その他の作品にABC/Netflixのシリーズ「アンリステッド」(19)、オーストラリアの長編映画『June Again』(20)、TVミニシリーズ「Underbelly: Vanishing Act」(22)、Amazonオリジナル映画『パパに教えられたこと』(22)など。自ら小説や戯曲を執筆し、短編映画を制作、バンド活動もしている。
1967年12月16日生まれ、オーストラリア出身。『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(02)、『〜王の帰還』(03)のエオウィン役、エミー賞受賞のTVシリーズ「HOMELAND/ホームランド」(11〜20)のアリソン・カー役、Netflixシリーズ「サブリナ:ダーク・アドベンチャー」(18)のゼルダおばさん役などで知られる。主な映画出演作は『シン・レッド・ライン』(98)、『ホワット・ライズ・ビニース』(00)、『宇宙戦争』(05)、『ダウンヒル』(20)など。SBSの「The Unusual Suspects」(21〜)、ABCの「FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜」(21〜)などでも高い評価を獲得。最新出演作はDisney+の「クリアリング 囚われの子供たち」(23)。