Production Note
プロダクション ノート

名匠と名音楽家の出会いと、さらに深まった現在の関係
音楽は今回もトルナトーレ監督の盟友であるエンニオ・モリコーネが手掛けている。二人が初めてタッグを組んだきっかけは、プロデューサーのフランコ・クリスタルディがトルナトーレの映画をモリコーネに提案したことだった。トルナトーレ監督は、25年以上も一緒に組んで来たモリコーネとの関係についてこう語る。「私たちはお互いに対して非常に正直で率直だ。そのことが私たちの関係を安定したものにしている。彼と仕事をすると、私は自分が下に転落防止ネットがあるから怪我をすることがないと知っている、揺れるブランコに乗る曲芸師のようだと感じる。」 モリコーネは本作には、「最も適切だと思う音楽を作曲した」と胸を張る。さらに、「変化に富み、色や作品の意図によって違ってくるのがいい。いくつかの曲はとても現代的だが、平和な曲もある。違ったやり方で作ればよかったとは思わない。もちろん、すべては注意深く考えた末に出て来たものだが、はじめは自分一人で、それからトルナトーレと一緒に作っていく。簡単なことではなかった。その頃、私は体調があまり良くなかったので、つらかったよ」と打ち明ける。 それでもモリコーネは、「トルナトーレほどの力量の監督と仕事をするのはなかなか大変だが、私は続ける。より果敢に、彼にも作品にも、また私にとってもより良いものを提案していく」と宣言している。