正統派ドラマの演技とアクションを両立できる俳優をキャスティング

 主人公のエリザベス・ベネットには、リリー・ジェームズが選ばれた。ジェームズは脚本を「たった7ページ読んだだけで恋に落ちた」と瞳を輝かせる。だが、オースティンの小説をよく知っていたために、逆にハードルを上げることになったと言う。「撮影全体を通して苦労したのは、私が親しんできたエリザベスと今回の戦士を合体させることだった。オースティン版のキャラクターに忠実であろうとしたけれど、時折それを手放す必要もあったの」
 ミスター・ダーシーには、サム・ライリーが抜擢された。「『コントロール』を見て、彼ならミスター・ダーシーを演じてきた先達たちの亡霊を払いのけられると思った」とスティアーズ監督は絶賛する。オファーを受けて初めて原作を読んだライリーは、「最初から最後まで一気に読んだ。そしてすぐに、監督に会いに行った。だって、サムライの刀でゾンビをなぎ倒すダーシーを好きにならないわけがないだろう?」ミーティングの席で二人のアイデアは一致、ジェームズ・ボンドの不良版のように演じることが決まった。
 ジェイン・ベネットには、オースティンの根強いファンだと言う、ベラ・ヒースコート。「BBC放送のミニシリーズの大ファンだったの」と語るヒースコートは、TVシリーズのキャストは誰も習わなかっただろうカンフーとボクシングを、撮影の3カ月前から練習した。