introduction

2017年、ナタウット・プーンピリヤ監督長編2作目として本国タイで公開され、国内興行収入1位、16の国と地域でサプライズヒット(うち中国・香港・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・マカオ・フィリピンではタイ映画史上歴代興収1位)を記録、日本でも満席続出となった話題作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のリメイクが誕生!製作を手がけるのは、フランス映画『エール!』を『コーダ あいのうた』としてハリウッドでリメイクし、第94回アカデミー賞(R)作品賞を受賞したスタッフ。

舞台は2016年のアメリカのとある地方都市。貧しい家庭に育つ天才少女・リンが有名高校に特待入学するところから物語は始まる。落第の危機に瀕した親友を助けるため、リンは試験中にある方法で答えを教えてしまう。その事件をきっかけに、リンを取り巻く環境は一変。やがて、世界を跨ぐカンニング計画の実行へと発展していくのだった―。

天才的頭脳で自らの道を切り開く主人公・リンを演じるのは、スティーヴン・ソダ―バーグ監督のホラー『プレゼンス 存在』(’15)で鮮烈な印象を残した新生、カリーナ・リャン。努力型の秀才でリンの相棒となるバンクを演じるのは、人気テレビシリーズ「BEL AIR(原題)」で主演を務め、全米のティーンから絶大な支持を得るジャバリ・バンクス。ランドリーを営む純朴なリンの父・モウを演じるのは、『アベンジャーズ』シリーズでドクター・ストレンジの相棒ウォン役で知られるベネディクト・ウォン。メガホンをとるのは、本作が初監督となり、脚本も担当したJ・C・リー。これまでに数多くの映画、演劇、テレビシリーズの脚本を担当し、2019年にサンダンス映画祭でプレミア上映された『ルース・エドガー』では高い評価を集めた。共同脚本を担当したのは、『ル―ス・エドガー』でもリーとタッグを組んだ経験のあるジュリアス・オナー。MCUの話題作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(’15)では、脚本のみならず監督も務めた、ハリウッドが注目する最旬クリエイターの一人だ。製作には『コーダ あいのうた』プロデューサーのパトリック・ワックスバーガーが名を連ねるなど、ハリウッド版『バッド・ジーニアス』を新たに生み出す盤石の布陣が実現した。

story

コインランドリーを営む父・モウ(ベネディクト・ウォン)と二人、裕福とはいえない家庭で暮らすリン(カリーナ・リャン)。だがこの少女、普通ではなかった。全科目で毎年学年トップの成績を収め、数学大会では1位、全米クロスワードパズルで3回優勝という実績を誇る、常人離れした頭脳の持ち主だった。高校2年への進級時、リンは一流大学への最短コースとなる名門高校から破格の奨学金付きの特待生として迎え入れられる。
転入早々、他の生徒との格差を感じるリンだったが、彼女の案内係のグレース(テイラー・ヒックソン)と仲良くなり、次第に学校にも馴染み始める。だが、グレースは落第ギリギリの劣等生。そんな親友を助けるため、中間試験の最中にリンは奇想天外な方法でグレースに解答を教え、好成績を取らせてしまう。その才能に目を付けたのが、グレースの恋人のパット(サミュエル・ブラウン)。リンが進学を夢見るジュリアード音楽院の理事も務める富豪弁護士を父に持つパットは、リンの頭脳で学校の落ちこぼれ達を救済する“危険なビジネス”を持ちかけてくる。それは、一躍学校中を席巻するムーブメントへと発展。しかし、秘密に気づいた努力型の秀才・バンク(ジャバリ・バンクス)の告発により、その騒動はあえなく終息を迎えることに。
そして1年後、世界共通試験を舞台にした、さらなるオファーがリンに舞い込む。それは、リンにしか描くことができない前代未聞の大計画。グレース、パット、バンクも巻き込み計画は思わぬ方向へと向かっていくのだったが…。世界を跨ぐカンニング作戦―その予測不能の結末とは!?

cast

カリーナ・リャン(リン役)

1999年、カナダ出身。オーストラリアとシンガポールで過ごし、現在はトロント在住。シンガポールのラサール芸術大学で演技を学び、IGCSE Drama 2016にて“Top of the World”に選ばれる。数々の舞台や短編映画で経験と実績を積み、近年ではスティーヴン・ソダーバーグ監督の『プレゼンス 存在』(’24)でルーシー・リューの娘役を演じ、サンダンス映画祭でブレイクする女優のひとりとして注目を集めている。その他の出演作にTVシリーズ「Tell Me Everything (原題)」(’22)、「Foundation (原題)」(’23)など。

ジャバリ・バンクス(バンク役)

1998年、アメリカ・フィラデルフィア出身。ドラマシリーズ『BEL AIR(原題)』 で俳優デビュー。俳優としても活躍する一方ピアニスト、ソングライター、シンガー、ラッパーとしても活動し多彩な才能を持つ。

テイラー・ヒックソン(グレース役)

1997年、カナダ出身。2015年『DEMON デーモン』でスクリーンデビューを果たす。翌年には『デッドプール』に出演という大役を掴む。ほか出演作品には『エブリシング』(’17)、『ゴーストランドの惨劇』(’18)など。

サミュエル・ブラウン(パット役)

カナダを拠点に活動する。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』(’13)でスクリーンデビューを果たす。その後、数々の映像作品に参加。近年ではTVシリーズ『リモート・バディ~3000マイルの遠距離捜査』(’24)、『ファイア・カントリー』(’22)、『ファイアフライ通り』(’21)、NETFLIX映画「タイムカット」(’24)など。

ベネディクト・ウォン(モウ役)

イギリス出身。1990年代前半からTVドラマを中心に俳優として活躍し、2000年の「キス★キス★バン★バン」(’00)で長編映画デビュー。『スパイ・ゲーム』(’01)でハリウッドに進出し、『堕天使のパスポート』(’02)で英国インデペンデント賞最優秀助演男優賞にノミネートされ高い評価を受けた。以降、ダニー・ボイル監督作『サンシャイン2057』(’07)、『月に囚われた男』(’09)のほか、『プロメテウス』(’12)、『オデッセイ』(’15)とリドリー・スコット監督作品に続けて出演。そしてマーベル作品『ドクター・ストレンジ』(’16)でベネディクト・カンバーバッチ演じる主人公の魔術の相棒ウォン役を演じ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(’18)『アベンジャーズ/エンドゲーム』にも同役で出演。MCU作品の常連キャストとしてその名を不動のものとした。本作では製作総指揮も務めている。

staff

J・C・リー(監督・脚本)

プロデューサー・脚本家・監督。TVシリーズ「Looking/ルッキング」(’14~’15)、「殺人を無罪にする方法」(’16)、「ザ・モーニング・ショー」(’19)などの人気ドラマのプロデューサー、脚本家として活躍する一方、自身が原作戯曲を執筆し、ナオミ・ワッツ、オクタヴィア・スペンサー、ティム・ロスらが出演した『ルース・エドガー』(’19)ではジュリアス・オナー監督とタッグを組み、脚本を務めた。そして、ジュリアス・オナーとの2度目のタッグである本作は、自身が監督として初の長編映画作品である。

ジュリアス・オナー(脚本)

1983年、ナイジェリア・ベヌエ州マクルディ出身。ニューヨーク大学大学院映画学科在学中に、製作総指揮にスパイク・リーを迎え長編映画初となる『トラブル・メーカー』(’15)を発表し監督としてのキャリアをスタート。その後、プロデューサーのJ・J・エイブラムスと『クローバーフィールド・パラドックス』(’18)を、2019年には原作、脚本をJ・C・リーが務めた『ルース・エドガー』を監督。近年はMCUの人気シリーズキャプテン・アメリカの第4作目となる『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(’25)を手掛けた。