ABOUT THE MOVIE | 映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』公式サイト

ABOUT THE MOVIE

Introduction

全世界を夢中にさせた誇り高き英国貴族たちと個性豊かな使用人たち 華麗なる物語の結末は?ダウントン・アビーの未来は?心揺さぶる感動のフィナーレを映画館で!

ゴールデン・グローブ賞やエミー賞など数々の賞に輝いたTVシリーズのスタートから15年、2本の映画を経て、全世界から深く長く愛され続けてきた大ヒットシリーズ『ダウントン・アビー』が、遂に完結!
舞台はイギリスのヨークシャー、物語の始まりは1912年。壮麗な大邸宅・ダウントン・アビーに暮らすクローリー家と、その使用人たちの愛と嫉妬、喜びと苦悩に揺れる人生と、時代の流れによる変化が、歴史上の出来事を織り交ぜながら描かれてきた。
そして完結編の時は、1930年夏。イギリス社交界の頂点“ロンドン・シーズン”が幕を開け、クローリー家の人々と使用人たちも胸を躍らせる。だが、長女のメアリーの離婚が新聞に報じられ、世間はたちまち大騒ぎに。時代は離婚した女性に冷たく、上流階級での離婚ともなれば不名誉なスキャンダルとみなされて、メアリーは舞踏会や晩餐会から追放される。そんな中、メアリーの母コーラの弟ハロルドがアメリカからやって来る。亡き母から継いだ遺産の大半を投資に失敗して失ったというのだ。屋敷の改修費も消えたことになり、ダウントン・アビーも財政破綻の危機に陥り、ロバートからメアリーへの当主継承にも暗雲が。時代が大きく変化する中、彼らが下した最後の決断とは──?

全世界を夢中にさせた誇り高き英国貴族たちと個性豊かな使用人たち 華麗なる物語の結末は?ダウントン・アビーの未来は?心揺さぶる感動のフィナーレを映画館で!

出演は、クローリー家の当主ロバートにヒュー・ボネヴィル、ロバートの妻コーラにエリザベス・マクガヴァン、長女メアリーにミシェル・ドッカリー、次女イーディスにローラ・カーマイケル、元執事カーソンにジム・カーターと、おなじみの名優たちが揃った。彼らの成長と変遷に、見守ってきた私たち自身の歳月も重ねずにはいられない。前作で逝去した先代グランサム伯爵夫人のバイオレットも肖像画で登場、演じるオスカー俳優マギー・スミス自身が2024年に亡くなったこともあり、スクリーンの端々に彼女への温かな敬意と感謝が溢れている。
監督は前作『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』のサイモン・カーティス。『黄金のアデーレ 名画の帰還』でも高く評価された、歴史を背景としたヒューマンドラマの名手だ。脚本は『ゴスフォード・パーク』でアカデミー賞🄬脚本賞を受賞したジュリアン・フェローズ。シリーズの生みの親であり全作の脚本を担当し、エミー賞にも輝いた。
王族も集う舞踏会に晩餐会、アスコット競馬などが開催される社交界の真骨頂“ロンドン・シーズン”。21世紀の今は姿を消し、二度と見ることのできない贅を極めたフェスティバルが、最先端の技術と映像で再現された。この時代にファッションに革命を起こしたシャネルにオマージュを捧げる、アート作品としても価値のあるドレスや帽子の数々も見逃せない。
上流社会での地位を揺るがすスキャンダルが暴かれ、財政も破綻目前、ダウントン・アビーにシリーズ最大の危機が迫り、最後の最後まで息もつけない展開に! 葛藤の末に未来を信じて渡される世代交代のバトンに、熱い涙が止まらない! 共に時を過ごした一人一人のキャストたちが、それぞれのクライマックスにこめた「さようなら」のメッセージを、スクリーンの前のあなたに──。

Story

1930年、夏。イギリス社交界の頂点“ロンドン・シーズン”が幕を開け、クローリー家の人々と使用人たちも胸を躍らせていた。新しい相続税に対応できず、ロンドンの別宅屋敷を手放す貴族が増える中、シーズンのハイライトとなる舞踏会が開かれるピータースフィールド家は健在だった。だが、華やかな宴が始まって間もなく、クローリー家の長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)が離婚したという新聞の報道が人々の間に広がる。時代は離婚した女性に冷たく、王族と離婚女性を同席させるわけにいかないと、メアリーは屋敷からの退場を言い渡される。同行した父のグランサム伯爵ことロバート(ヒュー・ボネヴィル)は憤慨するが、覚悟していたメアリーに逆になだめられるのだった。
一晩で名誉を失くしたメアリーのもとに、母コーラ(エリザベス・マクガヴァン)の弟で叔父にあたるハロルド・レヴィンソン(ポール・ジアマッティ)が、友人で投資のアドバイザーでもあるガス・サムブルック(アレッサンドロ・ニヴォラ)を連れてアメリカからやって来る。かの国の自由な雰囲気を纏ったガスに励まされて意気投合したメアリーは、酒の酔いも手伝ってガスと一晩を共にする。が、翌朝目覚めて、「こんなのいつもの私じゃない」と後悔するのだった。
ハロルドがやって来た目的は、コーラの分も託された亡き母の遺産について報告することだった。ガスのおかげで大恐慌は生き延びたものの、その後の投資に失敗して遺産の大半を失ったというのだ。ガスに借金もあり、家を売って再投資の資金にしたいという相談だった。ダウントン・アビーの改修費にあてるつもりだった遺産が無くなったと知り、メアリーからロンドンのグランサム邸を売るという案が飛び出すが、これにはいつも温厚なロバートが激怒する。
そんな中、コーラはメアリーを地元の社交界に復帰させるための晩餐会を計画するが、メアリーの離婚が発覚して、親しくしていた人たちからも出席を断られる。そこでクローリー家の次女イーディス(ローラ・カーマイケル)は、友人で著名な俳優兼脚本家であるノエル・カワード(アーティ・フラウスハン)を招待しようと思いつく。皆が彼に会いたいあまり、欠席を返上すると考えたのだ。
一方、クローリー家の使用人たちにも、世代交代の時が訪れていた。アンディ(マイケル・フォックス)が執事としてカーソン(ジム・カーター) の後任となり、デイジー(ソフィー・マクシェラ)はパットモア(レスリー・ニコル) の引退に伴い料理長を引き継ぐ予定だ。だが、カーソンはアンディのやり方に不満を覚え、つい口を出してしまう。それは、階級が違っても当主であるロバートも同じだった。さらに、メアリーの離婚と財政破綻の危機に対しての意見の違いも加わって、メアリーがダウントン・アビーを率いることへの信頼が揺らぎ始めていた。時代が大きく変化する中、彼らが下した最後の決断とは──?

Character Relations

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クローリー家
使用人たち
使用人たち
使用人たち

Crew

  • 監督

    サイモン・カーティス

    主な作品:「クランフォード」(07~09)、『マリリン 7日間の恋』(11)、『黄金のアデーレ 名画の帰還』(15)、『グッバイ・クリストファー・ロビン』(17)、『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』(19)

  • 脚本

    ジュリアン・フェローズ

    主な作品:『ゴスフォード・パーク』(01)、『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)、『ツーリスト』(10)、「タイタニック 愛と偽りの航海」(12)、『アガサ・クリスティー ねじれた家』(17)、「ザ・イングリッシュ・ゲーム」(20)、「ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-」(22~25)、「ベルグレービア 新たなる秘密」(24)

  • プロデューサー

    ギャレス・ニーム

    主な作品:「MI5」シリーズ(11・14)、「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(12~16)、「ラスト・キングダム」(15~22)、「ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-」(22~25)、「ジャッカルの日」(24)、「ベルグレービア 新たなる秘密」(24)、「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」(25)

  • プロデューサー

    リズ・トルブリッチ

    主な作品:「ラスト・キングダム」(17)、「ベルグレービア 秘密だらけの邸宅街」(20)、「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」(25)

  • プロダクションデザイン

    ドナル・ウッズ

    主な作品:『マリリン 7日間の恋』(11)、「HOMELAND」(11)、「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(12)、「タイラント -独裁国家-」(14)、「ドレッサー」(15)、「THE INNOCENTS/イノセンツ」(18)、「ベルグレービア 秘密だらけの邸宅街」(20)、「ベルグレービア 新たなる秘密」(24)

  • 衣装デザイン

    アンナ・メアリー・スコット・ロビンス

    主な作品:「ブレッチリー・サークル」(12~14)、『サンシャイン 歌声が響く街』(13)、「ホテル ハルシオン」(17)、『ワイルド・ローズ』(18)、『ファーザー』(20)、「愛しい人から最後の手紙」(21)

  • メイク・ヘアデザイン

    アン・ノシュ・オールダム

    主な作品:「グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース」(14)、「SS-GB ナチスが戦争に勝利した世界」(17)、「私立探偵ストライク」(17~18)、「グッド・オーメンズ」(19)

1.16 FRI

3作目の映画が製作された理由

製作・脚本のジュリアン・フェローズは、なぜ『ダウントン・アビー』を3作目の映画として再び描こうと思ったかについて、こう説明する。「2作目の終わりで、愛すべきバイオレットに別れを告げました。そこで私たちは、家族の一員の終わりであっても、家族自体の終わりではないということを伝えたかったのです。また、クローリー家のように現代まで生き残った家族が、自らを再定義して新しい時代に適応することに耐えられるかどうかというテーマも描きたかった。全く適応できずに消えていく一族もありますが、私はクローリー家が現代社会と折り合いをつけることができる家族だと信じたいのです」
プロデューサーのギャレス・ニームは、「もし第2作で“完結”としていたら、多くのファンは『他のキャラクターたちはどうなったのか?』と思っていたことでしょう。第3作では、他の登場人物たちの人生にもう少し深く踏み込み、次の世代へダウントン・アビーがどう受け継がれていくかを描こうとしています。そして、唯一無二のマギー・スミスが第2作と第3作の間に亡くなられたことで、この映画には特別な感傷が宿っています。登場人物たちがバイオレットの死を悼んでいる姿には、現実の哀しみも重なっているのです」と語る。

第2作を成功に導いたサイモン・カーティス監督の続投

監督は映画第2作に続いて、サイモン・カーティスに依頼された。プロデューサーのニームは、「第2作でサイモンと仕事をし、とても素晴らしい経験となりました。彼とは長い付き合いで、エリザベス・マクガヴァンの夫である彼は第1シーズンの撮影中からよく現場を訪れていました。つまり、初期からシリーズを支えてくれていた一人です。彼はジュリアンと私が好むドラマとユーモアの絶妙なバランスを理解し、それを巧みに演出してくれますし、俳優の演技を引き出す力にも優れています」と称賛する。
カーティス監督は再び現場に戻ることになって、「とても興奮しました。私は監督として俳優たちと一緒に仕事をするのが何よりの喜びなのですが、この作品には英国最高のアンサンブルキャストがそろっています。それに加えて、素晴らしいゲスト俳優たちも参加してくれて、まさに夢のような現場でした」と振り返る。

イギリス社交界の伝説“ロンドン・シーズン”を再現

フェローズが若い頃、今では完全に消えた「ロンドン・シーズン」はまだ存在していた。中でもアスコット競馬は非常に華やかなイベントだったという。フェローズは、こう解説する。「そこは、階級が色濃く残る社会の最後の象徴でした。上流階級が頂点にいて、そのすぐ下の階層が上の仲間入りを夢見ているけれど届くことはありません。そして最下層は、どの位置でも構わないという人たち。アスコット競馬場は、そんな全階層が同時に存在できる珍しい場であり、階級社会の縮図でした。また、このシーンでは、メアリーが離婚によって“ロイヤル・エンクロージャー(王族専用エリア)”に入れないという描写を通して、上流階級の旧習が変わらざるを得ないということを描きたかったのです。メアリーやイーディスのような若い世代は、それを自然に受け入れられますが、父親たちはそう簡単にはいきません」
アスコット競馬場のヴィジュアルイメージは、写真家セシル・ビートンの作品からインスピレーションを受けている。現代のアスコットでは撮影できなかったため、ノース・ヨークシャーにあるリポン競馬場で撮影された。撮影当日は11台のカメラが稼働し、本物の競走馬が疾走し、300人以上のエキストラが正装で登場する圧巻のシーンとなった。

1930年のイギリスのカルチャーを代表する実在の人物が登場

本作では実在の人物も登場する。著名な俳優・脚本家のノエル・カワードだ。カワードは当時非常に影響力があり、セレブリティという概念がまだなかった時代に既に大変な有名人だった。華やかさの象徴でもあり、貴族たちは彼に惹かれた。また、自由な思想から社会変革のきっかけを作った人物でもあり、本作においてはメアリーが受け入れられる道筋を作った存在となる。
フェローズは彼を描いた理由を、「カワードの戯曲『ビター・スウィート』が1930年にロンドンで初演されたことを知りました。彼は、その時代の空気を完璧に作品に取り入れた人物です。観客が何を求めているかを理解し、何に怯え、何が変わろうとしているのかを察知していました。彼は変化の象徴のような存在でありながら、クローリー家にとって脅威とはならない穏やかな現代性を持ち込んでくれるキャラクターです」と説明する。
カーティス監督の父親が、「ノエル・カワードの日記」を出版していて、ノエル本人の銀のピルケース(“NC”のイニシャル入り)を譲り受けた。カーティス監督はそれを、劇中に登場させている。

1930年の上流社会の社交場と屋敷を完璧に再現した美術

映画の冒頭に登場する劇場は、1899年に開場されたリッチモンド劇場。有名建築家のフランク・マッチャム設計による現存最古の劇場の一つだ。
アスコット競馬場のロイヤルエンクロージャー(王室専用席)は、美術のドナル・ウッズのチームによって、1920年代の映像や写真、1950~60年代のカラーフォトを資料に再現された。王室用のバルコニーは実物大で建設し、上の2階部分はVFXで補完している。
この物語のもう一人の主役である屋敷は、使用人が集まる階下はモノクロ映画のように抑えた色調、居住階上はテクニカラー映画のように鮮やかというシリーズ通しての基本方針で作られた。ウッズは「階下は非常に落ち着いた雰囲気で、緑のフェルト張りのドアをくぐると、そこは鮮やかなテクニカラーの世界に変わります。これが初日からの美術方針です。どのイギリスのカントリーハウスも1740年代からの家具が今も同じ場所にあり、とても美しいのです。私たちの仕事は、その馴染みを保つことでした。撮影用の家を探した時、約40軒回りました」と説明する。
ロンドンの街は、フォートナム&メイソン、ピカデリー・アーケード、セントラルロンドンの公園、バッキンガム宮殿近くなど、ロンドンの象徴的な場所で撮影している。

シャネルを筆頭に劇的な変化の時期を迎えたファッション

衣装のアンナ・ロビンスは、本作のファッションのテーマについて、こう語る。「1920年代は急速な変化の時代で、社会の多くの面での進歩がファッションに反映されました。1930年代にもそれは続き、特に女性のファッションで顕著です。ボックス型のシルエット、腰が落ちたデザイン、自然なウエストライン、長めの丈、そしてバイアスカット技術の登場による体のラインの表現に移行しました。女性のシルエットが変わり始めるのに伴い、男性の服装も変化しています。肩幅が広がり、ウエストが細くなり、やや彫像的なプロポーションになっています。『ダウントン・アビー』の世界への最後の挑戦でしたので、大胆に攻めたいと思いました。初期のトーン会議でプロデューサーのリズ・トルブリッジが言ったように、派手に終わらせようと思いました」
ロビンスは今回、シャネルから大きな影響を受けたという。「メアリーとイーディスは定期的にブランドクチュールを着ている設定なので、具体的なシャネルの参照を含めています。彼女たちがコレクションを見てお気に入りを選ぶところを想像しました。シャネルに敬意を表したのは、メアリーのイブニングドレスです。控えめながら構造的には非常に複雑なドレスで、メアリーの脆さを強調するためには、この柔らかく幻想的なドレスがシーンにぴったりでした。最も淡いピーチ色のレースとシルクチュールの層で作られ、深いゴデットがとがったシェブロン状のパネルに組み込まれています。何週間もかけて製作方法を考え、可能な限り忠実に再現しました」とロビンス。
また、ヴィオネのバイアスカットの技術にも非常に感銘を受けたというロビンスは、「メアリーのために、ヴィオネのファッションイラストを参考にした、美しい薄いピスタチオグリーンのベルベットコートをデザインしました。彼女が邸宅のフラットを見に行く場面で着用します。1930年代の最先端スタイルで、フード付きのネックライン、フルスカート、ドラマティックな袖が特徴です」と語る。
アスコット競馬のシーンには、30年代のファッション性の高い帽子と美しい日傘が散りばめられた。イーディスには美しいオリジナルの30年代レースのアンサンブル(ベルト付きドレスとクロップドジャケット)を用意し、白のアクセサリーとバラで飾られた傾いたストローハットが合わせられた。メアリーのルックはパリで見たオリジナルの30年代初期のドレスにインスパイアされている。珍しいオリジナルレースで、スカートにボリュームがあり、ボディにフィットするドレスが作られた。メアリーの帽子は、テクスチャーのあるネイビーストローの大きな角度のあるつばに、ウクライナ人フラワーメーカーに依頼した巨大なバラが飾られている。上流階級の男性陣はモーニングドレスを着用し、女性の衣装の色を引き立てる素晴らしい対比になっている。
ピータースフィールドの舞踏会のシーンのメアリーの印象的なイブニングドレスは、繊細なボディにブラックレースを使った。イーディスのレースのスリップドレスは、上質なフレンチレースとスパンコールのコンビネーションで非常にファッション性が高く、縫製チームが何時間もかけて手作業で刺繍した。

「ありがとう、さようなら」──観客への感謝のメッセージ

メアリーを演じたミシェル・ドッカリーは、「これは大きな変化の時代の物語で、過去と未来の橋渡し、家族の絆、社会の移り変わり、女性の自立などを扱っています。メアリーの物語はその象徴であり、彼女がどのように古い世界と新しい世界の間でバランスを取るかを描いています。観客には変化の波に立ち向かう勇気と、新しい自分を受け入れる力を感じてほしいと思います」と言葉を寄せる。
ロバートを演じたヒュー・ボネヴィルは、「『ダウントン・アビー』の根底には、思いやりと正しいことをしようとする心があります。それがたとえ裏目に出ても、それが大きな遺産となっています。何年にもわたって、多くの視聴者や観客にとってこの作品が大切な意味を持ち、共感を呼んだという反響をいただいています。物語の力や登場人物の関係性から感じられる温かさに、私たちも誇りを持っています。すべてはジュリアンの素晴らしい脚本から生まれているのです」と胸を張る。
シリーズのスタート当時を、フェローズはこう回想する。「シリーズがここまで続き、世界中で愛される作品になるとは全く思っていませんでした。当時は、多くの人が時代劇はもう終わったと考えていて、視聴者もいないと思われていたのです。希望した俳優がすべて出演してくれたことが、今思えば成功の兆しだったのかもしれません。特にマギー・スミスはドラマシリーズに出演したことがなく、彼女が参加してくれたことで、ヒュー・ボネヴィルやジム・カーターなど素晴らしい俳優陣が集まりました。通常、ドラマの2話目は視聴率が落ちるものですが、逆に100万人も増えました。その時に、これはいい作品を作ったなと感じました。驚いたのは、その4か月後にアメリカで放送され、大ヒットしたことです。アメリカの視聴者がすべてを変えたのです。それ以降、世界中で放送されるようになりました」
シリーズ完結に関して、カーティス監督は「“これで終わるのだ”という意識はスタッフ間でも多く語られていて、同時に観客にとっても“大切な登場人物たちに永遠に別れを告げる瞬間”になります。俳優たちにとっては、素晴らしい仕事の締めくくりであり、登場人物たちにとっては、物語上終わりではないかもしれませんが、やはり大きな区切りなのです。私たちは現実とフィクションの“別れ”を、あまり混同しすぎないように注意しました」と語る。
フェローズが、こう締めくくる。「今では、一つの旅路が完結したように感じます。オリジナルの構想とキャストでここまで来られたことを、とても誇りに思っています」

ヒュー・ボネヴィル

ヒュー・ボネヴィル

ロバート・クローリー

主な出演作品:『ミケランジェロ・プロジェクト』(14)、『パディントン』シリーズ(14・17・24)、『ブレス しあわせの呼吸』(17)、『ロンドン・バーニング』(19)、『ジングル・ジャングル ~魔法のクリスマスギフト~』(20)、「ディック・ターピンのデタラメ大冒険」(24)

ローラ・カーマイケル

ローラ・カーマイケル

イーディス・ペラム

主な出演作品:『裏切りのサーカス』(11)、『ボヴァリー夫人』(14)、「女刑事マーチェラ」(16)、「スパニッシュ・プリンセス キャサリン・オブ・アラゴン物語」(19~20) 、「キラー・デート」(20~22)

ジム・カーター

ジム・カーター

チャールズ・カーソン

主な出演作品:『トランスフォーマー/最後の騎士王』(17/声の出演)、「ナイトフォール -悲運の騎士団-」(17~19)、「アンソニー・ホプキンスのリア王」(18)、『シンクロ・ダンディーズ!』(18)、『グッドライアー 偽りのゲーム』(19)、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)

ラケル・キャシディ

ラケル・キャシディ

フィリス・バクスター

主な出演作品:「名探偵ポワロ マギンティ夫人は死んだ」(08)、『あしたは最高のはじまり』(16)、「ミルドレッドの魔女学校」(17~20)、『オフィシャル・シークレット』(19)、「警部補アーノルド ~チェルシー捜査ファイル」(23)、「警視ファン・デル・ファルク アムステルダムの事件簿」(24)

ブレンダン・コイル

ブレンダン・コイル

ジョン・ベイツ

主な出演作品:「ラークライズ」(08~10)、『推理作家ポー 最期の5日間』(12)、『世界一キライなあなたに』(16)、「レクイエム:マチルダ・グレイの秘密」(18)、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(18)、「トキシック・タウン」(25)

ミシェル・ドッカリー

ミシェル・ドッカリー

メアリー・タルボット

主な出演作品:『ベロニカとの記憶』(17)、『ジェントルメン』(19)、「ジェイコブを守るため」(20)、「ある告発の解剖」(22)、『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』(23)、『ドント・フィード・ザ・チルドレン』(24)、『HERE 時を越えて』(24)、『フライト・リスク』(25)

ケヴィン・ドイル

ケヴィン・ドイル

ジョセフ・モールズリー

主な出演作品:「ウィッチャー」(21)、「刑事シンクレア シャーウッドの事件」(22)、「ヴェラ ~信念の女警部~」(23)、「連続殺人犯にとりつかれてしまった女ディリア・バルマーの正義」(24)

マイケル・フォックス

マイケル・フォックス

アンディ・パーカー

主な出演作品:『パーフェクト・プラン』(14)、「刑事モース~オックスフォード事件簿」(17)、『ダンケルク』(17)、「バーナビー警部」(18)

ジョアンヌ・フロガット

ジョアンヌ・フロガット

アンナ・ベイツ

主な出演作品:『メアリーの総て』(17)、「ライアー2 交錯する証言」(17~20)、「アンジェラ・ブラック」(21)、「刑事シンクレア シャーウッドの事件」(22)、「ラストライト ~地球の灯が消える時~」(23)、「モブランド」(25)

ポール・ジアマッティ

ポール・ジアマッティ

ハロルド・レビンソン

主な出演作品:『それでも夜は明ける』(13)、「ビリオンズ」(16~23)、『ジャングル・クルーズ』(21)、「サムの息子たち:狂気、その先の闇へ」(21)、『ガンパウダー・ミルクシェイク』(21)、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(23)、「ブラック・ミラー」(25)

ハリー・ハデン=ペイトン

ハリー・ハデン=ペイトン

バーティ・ペラム

主な出演作品:『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(13)、「刑事ヴァランダー」(16)、「ザ・クラウン」(16~17)、「ベルサイユ」(17)、『ツイスターズ』(24)

ロバート・ジェームズ=コリアー

ロバート・ジェームズ=コリアー

トーマス・バロー

主な出演作品:『ノエル クリスマスに生まれた奇跡』(14)、『ザ・リチュアル いけにえの儀式』(17)、「ミステリー in パラダイス」(19)、「ヴェラ ~信念の女警部~」(19)、「ウィンクス・サーガ:宿命」(21~22)、「ヨークシャーの裂き魔事件~刑事たちの終わらぬ苦悶」(23)

アレン・リーチ

アレン・リーチ

トム・ブランソン

主な出演作品:『グランドピアノ 狙われた黒鍵』(13)、『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(14)、『ザ・ボディガード』(17)、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)、「グッド・ドクター 名医の条件」(20)

フィリス・ローガン

フィリス・ローガン

エルシー・カーソン

主な出演作品:「パディントンのぼうけん」(19~23/声の出演)、『彼女たちの革命前夜』(20)、『君を想い、バスに乗る』(21)、「ギルティ 人生まっさかさま」(21)、「シェトランド」(23)、『エア・ロック 海底緊急避難所』(24)

エリザベス・マクガヴァン

エリザベス・マクガヴァン

コーラ・クローリー

主な出演作品:『鳩の翼』(97)、『キック・アス』(10)、『快楽の渦』(15)、『黄金のアデーレ 名画の帰還』(15)、『天才作家の妻 40年目の真実』(17)、『トレイン・ミッション』(18)、「宇宙戦争」(19~21)

ソフィー・マクシェラ

ソフィー・マクシェラ

デイジー・パーカー

主な出演作品:『シンデレラ』(15)、「ギャラヴァント」(15~16)、『どん底作家の人生に幸あれ!』(19)、「クイーンズ・ギャンビット」(20)

レスリー・ニコル

レスリー・ニコル

ベリル・パットモア

主な出演作品:「ザ・ボーイズ」(20)、「ジェリーストーン」(21~22/声の出演)、「ブラウン神父」(22)、「アリスとふしぎのくにのベーカリー」(22~24/声の出演) 、「ミスター・ベイツvsポストオフィス」(24)

ダグラス・リース

ダグラス・リース

マートン卿

主な出演作品:『クィーン』(06)、『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』(11)、「ザ・クラウン」(20)、『アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦』(21)、「テンペスト教授の犯罪分析ノート」(21~22)

ペネロープ・ウィルトン

ペネロープ・ウィルトン

イザベル・グレイ

主な出演作品:『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(15)、『ガーンジー島の読書会の秘密』(18)、「After Life/アフター・ライフ」(19~22)、『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』(21)、『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(23)、「アガサ・クリスティー 殺人は容易だ」(23)

アーティ・フラウスハン

アーティ・フラウスハン

ノエル・カワード

主な出演作品:「カーニバル・ロウ」(19~23)、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」(22)、「ペルシアン・バージョン 娘が好きになれないワケ」(23)、『デアデビル:ボーン・アゲイン』(25)

アレッサンドロ・ニヴォラ

アレッサンドロ・ニヴォラ

ガス・サムブルック

主な出演作品:「アムステルダム」(22)、『ボストン・キラー:消えた絞殺魔』(23)、「ビッグ・シガー」(24)、『クレイヴン・ザ・ハンター』(24)、『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(24)、『ブルータリスト』(24)

サイモン・ラッセル・ビール

サイモン・ラッセル・ビール

ヘクター・モーランド

主な出演作品:「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(12)、『ターザン:REBORN』(16)、『スターリンの葬送狂騒曲』(17)、『ソー:ラブ&サンダー』(22)、『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』(23)、「メアリー&ジョージ 王の暗殺者」(24)、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」(24)

ドミニク・ウェスト

ドミニク・ウェスト

ガイ・デクスター

主な出演作品:『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(17)、『コレット』(18)、「レ・ミゼラブル」(18~19)、「テートレス -彷徨の行方-」(20)、「パースートオブラブ 愛に焦がれて」(21)、「ザ・クラウン」(22~23)