予告篇
TRAILER
作品情報
INTRODUCTION
初監督作『コンプリシティ/優しい共犯』に続き、長編監督2作目にして世界の映画祭で受賞、絶賛評を博し、その勢いが止まらない。第48回トロント国際映画祭プラットフォーム・コンペティション部門にてワールドプレミアを飾り、第71回サン・セバスティアン国際映画祭のコンペティション部門オフィシャルセレクションに選出。日本人初となる最優秀俳優賞を藤竜也が受賞するという快挙を成し遂げ、サン・セバスティアンの文化財団が最も卓越した作品に与えるアテネオ・ギプスコアノ賞も受賞。アメリカ最古の国際映画祭である第67回サンフランシスコ国際映画祭では最高賞にあたるグローバル・ビジョンアワードを受賞している。
主人公の卓(たかし)を演じるのは森山未來。手探りで「父」という謎を探っていく息子の心情を、細やかな表情の陰影で表していく。父親の陽二には、近浦監督とは3度目のタッグとなる藤竜也。会うたびに別人のような表情を見せる陽二の姿を驚異的なリアルさで体現する圧巻の演技を見せる。さらに、卓の妻の夕希に真木よう子、義母の直美に原日出子と、幾重にも重なる感情を加える実力派俳優が物語を彩っていく。
STORY
連絡を受けた卓(たかし)が、妻の夕希と共に久々に九州の父の元を訪ねると、
父は認知症で別人のようであり、父が再婚した義母は行方不明になっていた。
卓は、父と義母の生活を調べ始めるが――。
父と義母の間に何があったのか?すべての謎が紐解かれた時、
大海のような人生の深みに心が揺さぶられる、サスペンス・ヒューマンドラマ。
キャスト
CAST
[卓役]
[夕希役]
[直美役]
[陽二役]
スタッフ
STAFF
[監督・脚本・編集]
[卓役]
COMMENT
2022年に九州で撮影された「大いなる不在」は、これまでに世界各国の映画祭を巡ってきました。近浦監督の実体験に着想を得た物語が、監督をはじめとする素晴らしいクルーによって再構築され、じっくりと醸成されていよいよ日本での上映に至る。その丁寧かつ情熱的なプロセスの一環に携われたことを光栄に思います。観客の皆さまにも楽しんでいただければ幸いです。
PROFILE
1984年、兵庫県生まれ。
5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年に文化庁文化交流使として、イスラエルに1年間滞在、Inbal Pinto&Avshalom Pollak Dance Companyを拠点にヨーロッパ諸国にて活動。
「関係値から立ち上がる身体的表現」を求めて、領域横断的に国内外で活動を展開している。
俳優として、これまでに映画賞を多数受賞。ダンサーとして、第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。東京2020オリンピック開会式にてオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年より神戸市にてArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立し、運営に携わる。
主な映画作品に、『モテキ』(11/大根仁監督)、『苦役列車』(12/山下敦弘監督)、『怒り』(16/ 李相日監督)、『オルジャスの白い馬』(20/竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ監督)、『アンダードッグ』(20/武正晴監督)、『犬王』(22/ 湯浅政明監督)、『シン・仮面ライダー』(23/庵野秀明監督)、『山女』(23/福永壮志監督)、『ほかげ』(23/塚本晋也監督)、『iai』(24/マヒトゥ・ザ・ピーポー監督)などがある。ポスト舞踏派。
[夕希役]
COMMENT
様々な国で人々の心を揺さぶった近浦さんの作品には、私も撮影中何とも言えない感情が沢山湧き立ちました。しかし、穏やかな近浦さんや素晴らしいキャストの皆様。この作品に携われた事をとても嬉しく思います。皆様に観てもらう事がとても楽しみです。
PROFILE
1982年10月15日、千葉県生まれ。
『ベロニカは死ぬことにした』(06)で映画初主演。西川美和監督の『ゆれる』(06)で山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞する。2013年度の日本アカデミー賞では、大森立嗣監督『さよなら渓谷』(13)で最優秀主演女優賞、是枝裕和監督『そして父になる』(13)で最優秀助演女優賞のダブル受賞を果たす。2017年の白石和彌監督『孤狼の血』でも同賞優秀助演女優賞を受賞している。主な映画作品に、『海よりもまだ深く』(16/是枝裕和監督)、『焼肉ドラゴン』(18/鄭義信監督 )、『ある男』(22/石川慶監督)、『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』(23/入江悠監督)、『アンダーカレント』(23/今泉力哉監督)などがある。
[直美役]
COMMENT
「大いなる不在」いよいよ日本公開。トロントでのワールドプレミア、そして世界各地の映画祭での上映からようやくの凱旋です。数々の出演作の中でも 特に心に残る作品となりました。森山未來さん 藤竜也さんの 素晴らしい演技に魅了されます。監督自身の体験に基づき 書き下ろされた脚本も 見事です。世界の映画人達が認めた秀作を 皆さまにもじっくりと観て頂きたいです。
PROFILE
東京都生まれ。
1979年、岡崎明監督作『夕焼けのマイ・ウェイ』で映画初出演。NHK連続テレビ小説「本日も晴天なり」(81)の主演に抜擢され注目を集める。映画『鈴木家の嘘』(18/野尻克己監督)で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞。近作の主な出演作に、『樹海村』(21/清水崇監督)、『譲られなかった者たちへ』(21/瀬々敬久監督)、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21/森義仁監督)、『ポプラン』(22/上田慎一郎監督)、『余命10年』(22/藤井道人監督)、『劇場版ラジエーションハウス』(22/鈴木雅之監督)、『月』(23/石井裕也監督)、『隣人X -疑惑の彼女-』(23/熊澤尚人監督)などがある。
[陽二役]
COMMENT
「大いなる不在」という映画は、出演者のひとりである私が言うのもおかしな話ですが、とてもミステリアスな作品です。実は北九州での一か月にわたる撮影が終わった時でさえ、「大いなる不在」がどんな映画になるのか見当もつきませんでした。試写を見ました。説明できない何かに心を揺さぶられました。トロントでもサンセバスチャンでもサンフランシスコでも、国境、言葉、文化の違いを軽々と越えてしまいました。それが何故なのか・・・。日本の劇場でこの映画が皆様とどのような出会いをするのか、胸が高鳴ります。
PROFILE
1941年8月27日、父の赴任先の中国北京生まれ。
神奈川県横浜市で育ち、日本大学芸術学部在学中にスカウトされ日活に入社。『望郷の海』(62)でスクリーンデビューを果たす。その後、渡哲也主演の『嵐を呼ぶ男』(66/舛田利雄監督)で弟役を演じて存在感を示し、「日活ニューアクション」の中でも異彩を放つ「野良猫ロック」シリーズ(70~71/長谷部安春監督・藤田敏八監督)ではメインキャストとして活躍した。大島渚監督『愛のコリーダ』(76)、『愛の亡霊』(78)では海外でもセンセーショナルな話題と共に高い評価を得た。近年は『龍三と七人に子分たち』(15/北野武監督)、『初恋 お父さん、チビがいなくなりました』(19/小林聖太郎監督) 、『それいけ!ゲートボールさくら組』(23/野田孝則監督)、『高野豆腐店の春』(23/三原光尋監督)などの映画に出演している。
[監督・脚本・編集]
映画監督。2018年、『コンプリシティ/優しい共犯』で長編映画監督としてデビュー。第43回トロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、第23回釜山国際映画祭、第69回ベルリン国際映画祭など、多くの国際映画祭に選出され、日本では第19回東京フィルメックスで観客賞を受賞。2020年に全国劇場公開された。2023年、長編第2作『大いなる不在(英題:GREAT ABSENCE)』が完成し、第48回トロント国際映画祭、第71回サン・セバスティアン国際映画祭、共にコンペティション部門にノミネートされる。サン・セバスティアン国際映画祭では、最優秀俳優賞(藤竜也)、アテネオ・ギプスコアノ賞のダブル受賞を果たす。翌年2024年、USプレミア上映の第67回サンフランシスコ国際映画祭では、長編実写映画コンペティションの最高賞であるグローバル・ビジョンアワードを受賞。