小松菜奈と門脇麦、今や日本のエンターテインメント&カルチャーの
美しくも新しいアイコンとなった二人が、初の本格的共演を果たす!
小松がレオ、門脇がハルに扮したインディーズのデュオ<ハルレオ>は、
今最も時代に求められている俳優・成田凌が演じる、二人を支える付き人のシマと、
浜松、大阪、新潟、そして北海道へとさよならツアーに出発する。
ひとりぼっちだったふたりが出会い、路上から始めてライブハウスをうめるまでの人気を獲得した。
その絆の強さは、ありふれた友情なんかじゃない。ところが、さあこれからという時にふたりが
出した答えは──“解散”。いったいふたりに何があったのか、シマとの関係は?
旅を重ねるうちに、歌詞にしか書けないハルの真実と、歌声でしか出せないレオの想い、
隠し続けたシマの本音が露わになり、ツアーは思わぬ方向へと転がっていく──。
監督は海外の映画祭でも高く評価されている塩田明彦。
秦 基博、あいみょんの心へまっすぐ届く曲にのせて、自分を表現することの素晴らしさと、
前を向いて生きることの大切さを描く、青春音楽ムービーが誕生した!
「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」
全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだデュオ〈ハルレオ〉のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)に、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)が確認する。うなずく二人にシマは、「最後のライブでハルレオは解散」と宣言するのだった。
2018年7月14日、解散ツアー初日から波乱は起きる。別行動をとったレオが、ライブに遅刻したのだ。険悪なムードの中、「今日が何の日かくらい憶えているよ」と、小さな封筒をハルに押し付けるレオ。しばらくして、何ごともなかったかのようにステージに現れるハルレオ。トレードマークのツナギ姿に、アコースティックギター。後ろでシマが、「たちまち嵐」を歌う二人をタンバリンでサポートする。
次の街へ向かう車の中、助手席でレオからもらった封筒を開けるハルを見て、「そうか、今日はハルの誕生日か」と呟くシマに、「違うよ。初めてレオに声をかけた日だよ」と答えるハル。二人が出会ったのは、バイト先のクリーニング工場。上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルがいきなり「ねえ、音楽やらない?あたしと」と誘ったのだ。
その瞬間から、ずっと孤独だった二人の心が共鳴し始めた。ハルからギターを習って音楽を奏でる喜びを知るレオ。そんなレオを優しく見守るハル。レオの歌とギターは上達し、二人は路上で歌うようになった。
少しずつ人気が出始め、ライブツアーに出ることにしたハルレオは、ローディを探す。その時、「ハルさんの曲と詞のセンスが好きだから」と名乗りを上げたのが、元ホストのシマだった。売れたバンドが使っていたというツアー車を用意し、「俺らも行けるところまで突っ走る」と煽るシマに、ハルとレオも自分の夢を叫んで拳を振り上げた。
地方ライブの集客も増え、若い女性を中心にさらに人気が広がっていくハルレオ。だが、誰も予期しなかった恋心が芽生えたことをきっかけに、3人の関係は少しずつこじれていく。さらに、曲作りにかかわらないレオが、音楽をやる意味を見失っていった。各々が想いをぶつけ合い、名曲と名演奏が生まれていくが、溝は深まるばかり。ついに、この解散ツアーへと旅立つまで心が離れてしまった。
三重、大阪、新潟、山形、青森と、思い出の詰まったライブハウスを巡って行くハルレオ。もはやほとんど口もきかないが、ギターもコーラスもピタリと息が合い、その歌声は聴く者の心の奥深くへと届いていく。そしていよいよ3人は、北海道・函館で開くラストライブへと向かうのだが──。
監督 塩田明彦
1961年生まれ。立教大学在学中より自主制作映画を作り始める。83年、黒沢清監督『神田川淫乱戦争』に助監督として参加。同年『ファララ』がぴあフィルムフェスティバルに入選する。その後、大和屋竺のもとで脚本を学ぶ。99年、初の長編映画『月光の囁き』がロカルノ国際映画祭に出品、同年第24回報知映画賞新人賞を受賞、同年『どこまでもいこう』『月光の囁き』で日本映画監督協会新人賞、2000年第9回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞。01年『害虫』でナント三大陸映画祭審査員特別賞および主演女優賞(宮﨑あおい)。04年『黄泉がえり』で第27回日本アカデミー賞優秀監督賞・優秀脚本賞。05年『カナリア』でレインダンス映画祭グランプリを受賞。主な作品に『どろろ』『抱きしめたい ―真実の物語―』『風に濡れた女』(ロカルノ国際映画祭若手審査員賞)などがある。
撮影 四宮秀俊
主な作品に『超能力研究部の3人』(14/山下敦弘監督)、『貞子vs伽椰子』(16/白石晃士監督)、『ミスミソウ』(18/内藤瑛亮監督)、『枝葉のこと』(18/二ノ宮隆太郎監督)、『きみの鳥はうたえる』(18/三宅唱監督)がある。塩田作品には「スパイ特区」(12)、「昼も夜も」(14)、『風に濡れた女』(16)に続く参加。
照明 秋山恵二郎
1980年生まれ。主な作品に『ジャーマン+雨』(06/横浜聡子監督)、『ハッピーアワー』(15/濱口竜介監督)、『セトウツミ』(16/大森立嗣監督)、『まんが島』(17/守屋文雄監督)、『ハード・コア』(18/山下敦弘監督)、『きみの鳥はうたえる』(18/三宅唱監督)がある。
美術 竹内公一
1948年生まれ。主な作品に『埋もれ木』(05/小栗康平監督)、『銀色の雨』(09/鈴井貴之監督)、『0.5ミリ』(14/安藤桃子監督)、『花筐/HANAGATAMI』(17/大林宣彦監督)がある。日本映画・テレビ美術監督協会理事長。
録音 鶴巻仁
1959年生まれ。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(07/山崎貴監督)で日本アカデミー賞最優秀録音賞を2度受賞。近作に『駆け込み女と駆け出し男』(15/原田眞人監督)、『あやしい彼女』(16/水田伸生監督)、『検察側の罪人』(18/原田眞人監督)等。
編集 佐藤崇
1976年生まれ。主な作品に『婚前特急』(11/前田弘二監督)、『苦役列車』(12/山下敦弘監督)、『抱きしめたい ―真実の物語―』(14/塩田明彦監督)、『風に濡れた女』(16/塩田明彦監督)、『ビジランテ』(17/入江悠監督)、『モリのいる場所』(18/沖田修一監督)がある。『紙の月』(14/吉田大八監督)で第38回日本アカデミー賞優秀編集賞。
音楽プロデューサー 北原京子
東宝ミュージック所属。音楽プロデューサーとして数多くの作品に携わる。主な作品に『世界の中心で、愛をさけぶ』(04/行定勲監督)、『モテキ』(11/大根仁監督)、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明監督)、『未来のミライ』(18/細田守監督)、『君は月夜に光り輝く』(19/月川翔監督)など。塩田作品への参加は『害虫』(02)に続き2作目となる。
音楽 きだしゅんすけ
1968年生まれ。主な作品に『婚前特急』(11/前田弘二監督)、「午前3時の無法地帯」(13/山下敦弘、今泉力哉監督)、『超能力研究部の3人』(14/山下敦弘監督)、「昼も夜も」(14/塩田明彦監督)、『バースデーカード』(16/吉田康弘監督)、『ぼくのおじさん』(16/山下敦弘監督)がある。
スタイリスト 伊賀大介
1977生まれ。96年より熊谷隆志氏に師事、99年よりスタイリストとして活動。以降、雑誌、広告、映画、演劇などで幅広く活躍。映画では『ジョゼと虎と魚たち』(03/犬童一心監督)、『モテキ』(11/大根仁監督)、『味園ユニバース』(15/山下敦弘監督)、『溺れるナイフ』(16/山戸結希監督)、『未来のミライ』(18/細田守監督)他。
1996年生まれ、東京都出身。
2008年よりモデルとして雑誌を中心に活動するとともに、TV、CMなどに数多く出演。中島哲也監督に見出され、同監督の『渇き。』(14)でスクリーンデビューを飾り、日本アカデミー賞・新人俳優賞のほか、数多くの賞を受賞し注目を集める。その他代表作に『近キョリ恋愛』(14)、『バクマン。』(15)、『黒崎くんの言いなりになんてならない』『ディストラクション・ベイビーズ』(16)、主演を務めた『溺れるナイフ』(16)、『恋は雨上がりのように』(18)、『来る』(18)などがある。今後の公開待機作に、『閉鎖病棟(仮)』(19年11月公開予定)など。
1993年生まれ、埼玉県出身。
2013年より、雑誌「MEN'S NON-NO」専属モデルとして活躍。翌14年、高梨臨とのW主演を果たした連続ドラマ「FLASHBACK」で俳優デビュー。以降、「いつかティファニーで朝食を」(15)、「逃げるは恥だが役に立つ」(16)、NHK連続テレビ小説「わろてんか」(18)などに相次いで出演。映画では、『飛べないコトリとメリーゴーランド』(15)を皮切りに、『残穢 住んではいけない部屋』(16)、『キセキ あの日のソビト』(17)『劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』(18)などに出演するほか、アニメ映画『ONE PIECE FILM GOLD』『君の名は。』(ともに16)に声優として参加。公開待機作に『愛がなんだ』、映画初主演となる『カツベン!』(ともに19)など。
1992年生まれ、東京都出身。
2011年、TVドラマで女優デビュー。14年、三浦大輔監督作『愛の渦』でヒロインを好演し注目を集める。その後、TV、CM、舞台で幅広く活躍。入江悠監督作『太陽』(16)では神木隆之介とともに主演を務め、『二重生活』(16)で初の単独主演を果たす。その他出演作に、『こどもつかい』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『花筐/HANAGATAMI』(ともに17)、『ここは退屈迎えに来て』(18)、『チワワちゃん』(19)など。主演を務めた白石和彌監督作『止められるか、俺たちを』(18)では、第61回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した。今後は、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」(ヒロイン)の出演が控えている。