ABOUT THE MOVIE | 映画『リュミエール!リュミエール!』公式サイト

2024年サン・セバスティアン国際映画祭正式出品、2024年ローマ国際映画祭正式出品、2024年東京国際映画祭正式出品 映画『リュミエール!リュミエール!』公式サイト

LUMIERE!LUMIERE!
The 130 - Year Anniversary of the Birth of Cinema
写真「洗濯女」
写真「フランス:シャン=ド=マルスの庭園」

INTRODUCTION

  • より深く、より美しく!
    映画誕生から130年、世界中の人々に
    映像の楽しさ、驚き、奇跡を伝えたのは
    世界で最初の映像クリエイター、
    リュミエール兄弟が撮影した50秒の映像!
    映像の原点の旅は、
    映像の未来へと誘う──

    前作『リュミエール!』は、2017年1月25日、フランス国内の映画館45館で公開され、13万人6千人を動員、世界では日本(2017/10/28公開)を含む33か国以上で公開され、映画ドキュメンタリーとして大成功を収めた。その続編である新たなリュミエールの作品群をまとめた長編映画『リュミエール!リュミエール!』(英題:“LUMIÈRE! THE ADVENTURE CONTINUES”)が、映画誕生から130年後の現在、新たに完成した。

  • 監督・脚本・編集・プロデューサー・ナレーションを務めるのは、前作同様、リヨンにあるリュミエール研究所所長、カンヌ国際映画祭総代表、ティエリー・フレモー氏である。

    本作は前作同様、リュミエール作品のみをつなげたドキュメンタリーであり、これらの魅力あふれる“映像”が映画全体を構成している。リュミエール映画は、1895年の『工場の出口』から始まり、1905年まで続く史上初の映画作品であり、全部で約1,400~1,500本存在する。この豊富な作品の中から、110本が厳選され、完璧な修復が施され、その魅力がフレモー氏の解説と共に紹介されていく。

  • 前作とは違う、本作の新たな焦点は、リュミエール兄弟の代表的な作品をより深く考察することができる構成となっている。例えば、世界で初めて有料公開された『工場の出口』は、何種類もの映像が残っており、その中から選りすぐられた作品が上映されたことが、フレモー氏による解説で、観ているものは理解できる。そして、前作では世界的に有名な作品が取り上げられたのに対し、本作では、これまで全く知られていない珍しい作品など、世界初お披露目となる作品等も紹介している。これらの作品の多くは、極めて優れた想像力、独創性、技術的な斬新さを示し、被写体はより珍しく、より特異であり、映像は最高品質の素材から作られた素晴らしいものとなっている。

  • さらに、フレモー氏の解説は、これらのあまり知られていない映像を、より詳細な歴史的観点から、そして哲学的・美学的観点から探求している。例えば、当時の映像における、優れた技術を強調する一方で、スケール、芸術的意図、映画的視点について、リュミエール兄弟の作品に深く思いを馳せているのである。

1895-1905 
世界の情勢/
日本での出来事 映画 『リュミエール!』プレスより

1895年(明治28年)

日清講和条約調印(4月)

樋口一葉の「たけくらべ」連載開始(1月)

1896年(明治29年)

第1回夏季オリンピックがアテネで開催(4月)

明治三陸大津波(6月)

1897年(明治30年)

トーマス・エジソンがキネトスコープ特許取得(8月)

京都帝国大学(後の京都大学)創立(6月)

1898年(明治31年)

キュリー夫妻がラジウムを発見(12月)

西郷隆盛銅像除幕式
(上野)(12月)

1899年(明治32年)

コロンビア千日戦争勃発(10月)

川端康成誕生(6月)

1900年(明治33年)

第2回夏季オリンピックがパリで開催(5-10月)
(パリ万国博覧会4月-11月と同時開催のため長期となった)

義和団の乱(6月)

1901年(明治34年)

北京議定書調印(9月)

昭和天皇誕生(4月)

1902年(明治35年)

アスワンダム完成(12月)

白洲次郎誕生(2月)、
横溝正史誕生(5月)

1903年(明治36年)

第1回ツール・ド・フランス開催(7月)
ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功(12月)

小津安二郎誕生(12月)

1904年(明治37年)

日露戦争(2月-翌年9月)

古賀政男誕生(11月)

1905年(明治38年)

日露戦争:ポーツマス条約締結(9月)

夏目漱石「吾輩は猫である」ホトトギスで連載開始

STAFF

※ 『リュミエール!リュミエール!』本編より
1895年12月30日 初上映会の2日後、最初の批評家の言葉。

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概要

1895年12月28日パリ、ルイ&オーギュスト・リュミエール兄弟が発明した“シネマトグラフ”で撮影された映画が世界で初めて有料上映された。それから130年後の今、“映画の父”リュミエール兄弟の作品が、より深く、より美しく、完璧に蘇る。前作『リュミエール!』(17)に続き、リュミエール研究所所長・カンヌ国際映画祭総代表のティエリー・フレモー氏による後世に残すべき歴史的映像の集大成。そこに映し出されるのは、130年前に息づく人々、当時の世界の町並み、パリ、ニューヨーク、東京、京都……。それは、悠久の時を感じることのできる貴重な映像体験。
歴史的映像を彩るのは、リュミエール兄弟と同時代に生きたガブリエル・フォーレによる楽曲の数々。未来に想いを馳せる奇跡の映像の数々が、130年前の世界へ誘う──それは、映像の楽しさ、驚き、興奮のはじまり。
誰も観たことのない50秒、そして感動は永遠となった。

章題

「1894年 映像に命を吹き込む」 1894, ANIMER LES IMAGES
「1895年 映像を投影する」 1895, PROJETER LES IMAGES
「1896年 観客を作り出す」 1896, INVENTER LE PUBLIC
「軍隊の時代」 LES TEMPS MILITAIRES…
「街角で 田舎で 群衆の中で」 DANS LES RUES, DANS LES CAMPAGNES, PARMI LES FOULES「はるか彼方の土地」 TERRES LOINTAINES
「世界の希望」 PROMESSE DU MONDE
「列車と旅 船と浜辺」 TRAINS ET VOYAGES BATEAUX ET RIVAGES
「コメディアン!」 COMEDIENS !
「映画が発明するもの (シネマトグラフの美)」 CE QUE LE CINEMA INVENTE
「死は絶対的なものでなくなるだろう」 LA MORT CESSERA D’ETRE ABSOLUE
「リュミエール冒険は続く」 LUMIERE L’AVENTURE CONTINUE

修復された
リュミエール映画

リュミエール研究所を含む、CNCフィルムアーカイブスの様々なコレクションから集められたフィルムは、CNCの協力のもと、イマジネ・リトロバータ現像所(イタリア、ボローニャ)により、マエル・アルノーとティエリー・フレモーの指揮下で復元された。2016年に130本が修復された後、CNC、ゴールデングローブ財団、リュミエール研究所の協力により、2024年にはさらに300本の「光り輝く映像作品」が修復される。シネマテーク・フランセーズ、リュミエール研究所、CNCのフランス映画アーカイブが所蔵するネガフィルムとポジフィルムを使用し、全部で約1,400~1,500本の映画(約1,000本のいわゆる「未発表作品」を含む)を今後修復していく予定である。

シネマトグラフの
130年

本作のもうひとつの特徴としては、2025年が映画誕生130周年にあたるため、フランス本国での公開の背景にある。映画生誕130周年を記念する、国内および国際的な祝典の先駆けとして世界の映画ファンへお披露目となる。日本は、130周年を前に、世界最速の公開となる。本作は、この革新的な芸術の誕生、想像を絶する結末をもたらした重大な歴史的瞬間、今も私たちの生活の中に存在し、非常に重要であるこの瞬間を、新たな手法で再現している。映画の形態、空間、そして問題は高速で変化していくが、映画は絶えず更新され続け、驚異的な永続性を示している。これはすでにリュミエール映画にも存在していたのである。
2025年に向けて開催されるこの喜ばしい祝典の核として、リュミエール研究所がその力や専門知識、そして情熱のすべてを注ぎ込み、映画の誕生を祝福していく。

劇場初公開
2作品について

*75ミリフィルムの映像(10本存在、今回2本紹介)
「水宮の落成式」
カメラマン:ルイ・リュミエール
特徴:幅75ミリのフィルム(1900年4月のパリ万博でルイ・リュミエールが発見したフィルム)
(当時の技術では上映できなかった作品)
「動く歩道の光景」
カメラマン:ルイ・リュミエール(最後の映像)
特徴:幅75ミリのフィルム

献辞

冒頭:「ベルナール・シャルデールを偲んで…」
A LA MEMOIRE DE BERNARD CHARDERE…
ベルナール・シャルデール(1930/9/21 - 2023/8/25)
フランスの映画批評家、1952年にリヨンで創刊されたフランスの映画雑誌『ポジティフ』の創刊者。1982年リュミエール研究所をルイ・リュミエールの孫息子(Maurice Trarieux-Lumière)と設立。

エンディング:「ベルトラン・タヴェルニエを偲んで…」
…et à la mémoire de Bertrand Tavernier
ベルトラン・ラヴェルニエ(1941/4/25 - 2021/3/25)
世界的に高い評価を得ているフランスの映画監督。1983年よりリュミエール研究所の名誉総長を務め、リュミエール兄弟の遺産の保存に携わる。同研究所の名誉総長として前作『リュミエール!』(17)のプロデューサーも務めた。

リュミエール兄弟

リュミエール兄弟

ルイ(1864-1948)とオーギュスト(1862-1954)のリュミエール兄弟は、フランスで最も有名な発明者の1人に数えられる。1895年のシネマトグラフの発明が最大の功績だが、スチール写真術にも研究の場を広げ、1907年には世界初のカラー写真技法、リュミエール・オートクロムを発明した。

本編に収められている
110本の映画

リュミエール社が1895年から1905年にかけて製作された1,422本のシネマトグラフ作品の中から厳選されたもの。
カメラマン:ルイ・リュミエール、アレクサンドル・プロミオ、ガブリエル・ヴェール、フランチェスコ・フェリセッティ、コンスタン・ジレル、フェリックス・メスギッシュ、シャルル・モワソン

音楽 
ガブリエル・フォーレ

1845年5月12日-1924年11月4日 フランスの作曲家、オルガニスト、ピアニスト、教育者。
リュミエール兄弟と同時代を生きた、フランスを代表する作曲家の一人。
代表曲:『パヴァーヌ』(1886年・管弦楽曲)、レクイエム、『シシリエンヌ』、ピアノのための夜想曲、歌曲「夢のあとに」、「月の光」など。

ティエリー・フレモー

監督・脚本・編集・
プロデューサー・ナレーション
ティエリー・フレモー

イゼール生まれのティエリー・フレモーは、リヨン郊外ヴェニシューのミンゲット地区で育ち、幼い頃から、映画クラブを経営する父に映画を教わる。コミュニティラジオ局Radio Canutのコメンテーターとなり、映画の社会的歴史を修士課程まで学ぶ。特に雑誌『ポジティフ』の創刊期に関する修士論文を執筆。
1982年の創立以来、リヨンのリュミエール研究所でボランティアとして働き、1983年、ベルナール・シャルデールの勧めで職員となる。1995年、所長のベルトラン・タヴェルニエと共に芸術監督に任命される。映画100周年記念事業や、出版社アクト・シュッドが出版した書籍の収集、リュミエール兄弟の映画の修復などを行う。
1999年、シネマテーク・フランセーズのディレクター職を断り、2001年にカンヌ映画祭の芸術監督に就任。2007年、当時会長だった前任者ジル・ジャコブによってカンヌ映画祭総代表に任命される。
2009年からは、仲間と共に、リヨンでリュミエール映画祭を立ち上げ、運営している。リュミエール賞も創設し、第1回受賞者はクリント・イーストウッドだった。
2017年、映画『リュミエール!』を製作し、新たに修復された108本のリュミエール兄弟の映画を初めてまとめて解説し、フランス国内外で大成功を収めた。
ティエリー・フレモーは、カンヌ国際映画祭の選考過程の1年間を綴った日記『Official Selection(英題)』(グラッセ出版社)など、多数の本を執筆している。近著『Rue du Premier-Film(原題)』は、2024年9月11日にStock社から『Ma Nuit au musée(原題)』シリーズとして出版されている。2021年、9歳から始めた柔道についてまとめた書籍「Judoka」を発表。その年、フランスのスポーツ作家協会から“スポーツ&文学賞”を授与された。日本では2024年10月10日、出版社カンゼンより邦題「黒帯の映画人」として発売されている。

ティエリー・フレモー監督より
(2024/11/1 東京国際映画祭ガラ・セレクション出品 舞台挨拶より)
「リュミエールが残した素晴らしい遺産を21世紀の皆さんに届けたいとの責任を感じているし、それは私の任務。何故ならば私はリュミエール兄弟に恋をしているからね」