ABOUT THE MOVIE | 映画『ムガリッツ』公式サイト

提供:ティー ワイ リミテッド 配給:ギャガ 映画『ムガリッツ』9.19 FRI ROADSHOW

ABOUT THE FILM

毎年11〜4月、メニュー開発のために休業するミシュラン常連の名門<ムガリッツ>革新的な料理の誕生プロセスを追ったガストロノミック・ドキュメンタリー

道の味覚を刺激する90分

第72回サン・セバスティアン国際映画祭カリナリーシネマ部門ベストフィルム

研究

RESEARCH

この年、<ムガリッツ>の研究開発チームは、ライトモチーフ「目に見えぬ物」をもとに試作を始めた。農場を訪問し、養蜂を習得し、欲しい素材は何でも取ってくる。日本食の影響も色濃い。納豆、昆布、麹、出汁、握り―食材は解釈され、大胆にアレンジされ、前代未聞の姿でテーブルに運ばれる。ここではもはや、「おいしさ」だけがねらいではない。

挑戦

CHALLENGE

オーナーのアンドニ・L・アドゥリスは「僕は勇敢な臆病者だ」と語る。彼は時に、美食の枠を超え、論争の領域にまで運ばれてきた。しかし彼の仕事は料理の提供ではなく、クリエイティブな生態系の形成なのだ。そこでは、シェフやスタッフ、アーティスト=自律的な細胞たちが、年に一度、メニュー開発=調和を求め集まってくる。

探求

EXPLORATION

2回にわたる試食会では、それぞれ約30品が提供され、ビジュアルアーティストやDJも参加する。営業開始までのカウントダウンにとって、決定的な中間目標地点だ。「やられた」「素晴らしい」「暴力的」「強烈すぎて食べられない」。食後にはさまざまな批評が飛び交い、議論は白熱する。

遊び

PLAY

6か月もの月日をかけて完成したメニューは、シーズンが終わるとすべて火を放たれる。まるで祭りのように。ユニークな料理は何一つ再現不可能だ。翌年ゼロから再出発し、定番となる料理はない。「驚き」とは定義上、予測不能でなくてはならないから。

食べているのは“世界をひらく鍵”レストランの定義を超えた、美食のフロンティアへ

PROFILE

ムガリッツの歴史

ムガリッツ
1998 ムガリッツオープン
2002 オーナーのアンドニ・ルイス・アドゥリスがNational Gastronomy Award受賞
2004 オリジナル書籍“Clorofilia”出版
2005 ミシュラン2つ星を獲得
2006 「世界のベストレストラン50」で世界のトップ10レストランに選出
2007 多分野にわたる知識の架け橋を目指す国際会議Diálogos de Cocina設立
2009 アンドニがバスク・クリナリー・センターの創設後援者に就任
2010 ムガリッツが火災で全焼。以降、開発に専念するための休業サイクルが始まる
2013 国際科学出版物“International Journal of Gastronomy and Food Science”創刊
2019 美食の変革についてアンドニが語る“Puntos de Fuga”出版
2020 パンデミックの中、La Casa en el Árbol(ツリーハウス)プロジェクトを始動
2023 アンドニが「世界のベストレストラン50」アイコン賞受賞
2024 マドリッド・カリナリー・キャンパス(MACC)で最初の大学院コースを開始

DISH

HUESO〈骨〉

昨年、私たちはある料理を提供しました。それは、お客様が「骨」(マンニトールで作られた)と石を受け取るというものでした。コンセプトは、お客様自身がその骨を割って中に入っているものを取り出すというものです。中には、私たちが再現した「骨髄」(私たちの“メタ”骨髄)が入っていて、牛のブロス(出汁)とスジで作られていました。この料理の名前は「…さもなくば飢え死にせよ」でした。

ミチェリン〈または「ミチェロンゴ」〉

これらの言葉は、メニューにある料理「世界のへそ」の厨房用語を指しています。この料理は、「ミチェリン」(スペイン語の表現で、腰回りの脂肪のふくらみ、英語でいう “spare tire” のような意味)の形をしており、ホエイ(乳清)/バターミルクとクルミ油の少量の上に置かれ、口を直接つけてすするように食べるものでした。料理の正式名称は:「世界のへそ」です。

※「へそ」の型の試作モデル

VIEJA〈古い〉

これは、以前提供していた料理のことを指しています。内容は、古い羊のサーロインまたはテンダーロイン(ヒレ肉)に、羊のミルクで作った湯葉(ユバ)と青唐辛子をかけた一皿です。この料理の名前は:「羊の湯葉(Sheep yubas)」でした。

PROTEASE〈プロテアーゼ〉

プロテアーゼとは、タンパク質のペプチド結合を分解する酵素で、消化や吸収、代謝を助けます。この名前は、かつて料理の名前候補として考えられていましたが、結局料理としては実現しませんでした。

DIOS〈神〉

これは、「rebaño(レバーニョ)=群れ」という名前の料理を指しています。その料理は、グリルしたラムチョップと、羊の毛を使ったインフュージョン(抽出液)で作られていました。とても複雑な比喩で、「神の群れ」を表現しています。

Bestiary〈ベスティアリー〉

魚と鶏肉を使った料理を作るというアイデアがありましたが、最終的には実現しませんでした。 ※補足:「ベスティアリー」とは、中世ヨーロッパで書かれた獣やその他の架空の動物を描写した書物の名前です。

Drones〈ドローン〉

この料理では、蜂の巣や群れのように、集団システムを構成する私たち一人ひとりが果たす役割を、ドローンの貢献も含めて擁護しています。

9.19 FRI ROADSHOW