INTRODUCTION

4Kデジタルリマスターで
あのファントムが還ってくる!

1986年ロンドンでの初演以来、世界各国で上演されているこのミュージカルは、これまでに1億6000万人が観劇、日本でも劇団四季により1988年から日本各地でロングラン公演され、その人気が衰えることはない。『バットマン・フォーエバー』などの名匠ジョエル・シュマッカーにより映画化された本作は、アカデミー賞にもノミネートされたその絢爛豪華でダイナミックな美術、衣裳、装置で見る者を熱狂させ、2005年の日本公開時には、当時のミュージカル映画最高興行記録を打ち立てた。誰もが耳にしたことのある有名な名曲の数々は、映画のためにロンドンのアビーロードスタジオにおいてフルオーケストラで収録。主演3人は吹き替えなしで圧倒的な美声を響かせている。

4Kデジタルリマスターの制作は、将来の4K放送を見込み、2017年に行われた。オリジナルのインターネガを4Kでスキャンし、オリジナルの撮影監督であるジョン・マティーソンの監修のもと、全編を再グレーディング。これは本作にとって最新技術で再グレードする初めての機会であった。4Kで最も注力したのはファントムの隠れ家のシーンで、ジョン・マティーソンが新しいグレーディング技術を使い、隠れ家の影のディテールを見事に甦らせた。この特殊なセットは、ロンドンのパインウッドスタジオで天井まで完全に作られたもので、全ての作業が水の中で行われたが、撮影時ジョンはセットの水浸しの部分を利用し、隠れ家の天井に照明を反射させていた。そのためオリジナルでは、こうした微妙な光のグラデーションがやや失われていた。 デジタルで全体をグレーディングすることで、画質を大幅に向上させ、本来の照明の意図を実現することができたことに、ジョンは「ファントムにとってエキサイティングな進歩だった」とコメントしている。本作は35mmフィルムで撮影された最後の大予算映画の一つであったが、オリジナルのフィルムのグレーディングを強化することで、新しいデジタルマスターが誕生した。

稀代の天才作曲家
アンドリュー・ロイド=ウェバー
(『キャッツ』『エビータ』)
自らが完全映画化
世界中を虜にした哀しい愛の物語

19世紀パリ、オペラ座では謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続発していた。美しく若きオペラ歌手クリスティーヌは、ファントムを音楽の天使と信じてプリマドンナへと成長するが、ある日、仮面の下に隠されたファントムの秘密を知る。幼馴染みの青年貴族ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心を惹かれるクリスティーヌ──。
「キャッツ」「エビータ」などの大ヒットミュージカルを世に送り出した天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが、自身の最高傑作と認めるミュージカル「オペラ座の怪人」。ガストン・ルルーの原作をもとに、美しい旋律で綴った究極のラブストーリーは、ミュージカル史上に燦然と輝く不朽の名作となり、ロイド=ウェバー自身のプロデュースによって、ここに完璧な形で映画化された。

豪華絢爛! ダイナミック!

刺激と絢爛、情熱の時代であった19世紀パリ。その息吹を余すところなく伝える豪華な衣装と装置の数々。
ディテールにまで贅を尽くした美しいオペラ座やミステリアスな地下の隠れ家のセット。今回の映画化は、劇場という枠を超え、映画でしかなし得なかった数々の名シーンが盛り込まれている。廃墟となったオペラ座が過去の輝きを甦らせる冒頭のシーンは、最新のSFXを駆使。目を奪われるダイナミックな映像で、現在から過去へと一瞬にしてワープさせる。物語の象徴ともいえるシャンデリアは、世界的に有名なスワロフスキー・クリスタル製。逃げまどう観客の中を巨大なシャンデリアが落ちていくシーンは、息を呑むスペクタクルだ。
幻想的な墓地でファントムとラウルが対決するシーンは、スリリングなアクションで手に汗握る。また、劇場版では描かれなかったファントム出生の秘密が明かされるのも見逃せない。
メガフォンをとったのは、『バットマン フォーエヴァー』『評決のとき』『依頼人』などのヒット作を手掛けたジョエル・シュマッカー監督。類い希な映像センスで、ラブストーリーの名作を、観客を釘付けにするサスペンスとドラマの世界へと導く。

主演3人の圧倒的な歌唱力、
名曲にふさわしい贅沢なサウンド

カリスマ的な魅力が問われるファントム役に選ばれたのは、当時『トゥームレイダー2』『タイムライン』と躍進めざましい若手俳優であったジェラルド・バトラー。セクシーな歌声と存在感ある演技でこの物語を牽引した。これまでにない新しいファントム像は大きな話題と注目を集め、熱狂的に支持された。
可憐なクリスティーヌを演じるのは、『ミスティック・リバー』『デイ・アフター・トゥモロー』で印象的な演技を見せたエミー・ロッサム。7歳からニューヨークのメトロポリタン・オペラの舞台に立ったという経歴を活かし、美しい声を惜しみなく披露。当時弱冠17歳にして、ふたりの男の間で揺れるヒロイン役を見事に演じてみせた。劇場版よりもアクティブなヒーローとして描かれているラウル役には、パトリック・ウィルソン。当時は「フル・モンティ」「オクラホマ!」などブロードウェイの舞台で主演する実力派で、叙情的なテノールを聴かせている。主演3人、吹き替えなしの圧倒的歌唱力を引き立てるのは、総勢100人、大迫力のフルオーケストラ。誰もが耳にしたことのある甘美なメロディ、戦慄のテーマが、贅沢なサウンドで迫ってくる。

STORY

刺激と絢爛、情熱の時代であった19世紀パリ・オペラ座では

仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。

ファントムは若く美しいオペラ歌手クリスティーヌに才能を見出し、彼女に音楽の手ほどきをし、

クリスティーヌはファントムを“音楽の天使”と信じてプリマドンナへと成長する。

幼馴染の青年貴族ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心を惹かれていくが、

ある日ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。

一方怪事件が続くオペラ座では、ファントムを捕まえようとラウルたちが立ち上がる——。

PROFILE

Cast

Staff

原作「オペラ座の怪人」

ガストン・ルルー

製作・作曲・脚本

アンドリュー・ロイド=ウェバー

監督・脚本

ジョエル・シュマッカー

脚本

アンドリュー・ロイド=ウェバー/
ジョエル・シュマッカー

製作総指揮

ポール・ヒッチコック

製作総指揮

オースティン・ショウ

美術

アンソニー・プラット

共同製作

エリ・リッチバーグ

撮影

ジョン・マシソン

キャスティング・ディレクター

デビッド・グリンドロッド C.D.G.

音楽共同製作

ナイジェル・ライト

音楽スーパーバイザー・指揮

サイモン・リー

振付

ピーター・ダーリング

衣装

アレキサンドラ・バーン

編集

テリー・ロウリング A.C.E.

ヘア・メイク

ジェニー・シャーコア

THE PHANTOM
OF THE OPERA

大ヒット上映中
2004年/アメリカ映画/カラー/シネスコ/4K/5.1chデジタル/141分
/翻訳:戸田奈津子
c 2004 The Scion Films Phantom Production Partnership
サウンドトラック:ソニー・クラシカル
配給:ギャガ