About the movie

「注目、かわいい猫がやってきた」TÉLÉ 7 JOURS / 「少女と猫が愛らしく、映像も素晴らしい」TÉLÉ 2 SEMAINES / 「猫目線で描く、動物たちの気持ちに寄り添った作品」 CitizenKid.com

Introduction

あの頃のキミに、ありがとう――。抱きしめたいほど猫が好きなあなたに贈る物語 パリを舞台に、少女の目を通して愛猫との絆を描く映画が誕生した。あの頃、そばにいてくれたから乗り越えられた――。猫と暮らした人ならそんな経験を思い出さずにいられない、これは“あなたと愛猫たちの物語”。大人へと続く人生の一時期を、楽しいときも落ち込んだときも、いつでもそばにいてくれた、猫たちへの愛と感謝の物語。

猫好き悶絶必至!ルーの豊かな表情とドジでかわいい“あるある”行動 何といっても私たちを虜にするのは、セリフはないのにドラマを感じさせる、猫ルーの豊かな表情。窓外の鳩を狙って狩りの姿勢をとるも怖くなって逃げる、その真剣な眼。落ち込んでいるクレムを“元気づける”かのように、目の前にオモチャを落として遊びをねだる愛おしい仕草。木登りからうっかり降りられなくなりパニクっているドジっぷり。シッポを立ててついて来て、大好きなクレムに寄り添って眠る、その癒される寝顔・・・。ルーのドジでかわいい“あるある”行動は、猫好きだったら悶絶必至。生まれたばかりの赤ちゃん猫のルーも、生後2か月の子猫のルーも、若猫のルーも、どこをとっても頬ずりしたいほどのかわいさ満載。さらには物語に組み込まれたルーの目線の映像が、クレムとの絆の尊さを輝かせる。
クレム役に抜擢されて少女の繊細な心を体現したのは、800人の候補者から選ばれ、本作が初主演となるキャプシーヌ・サンソン=ファブレス。猫ルーとの自然な演技が高く評価されている。

動物映像監督&動物トレーナーによる、猫たちの生態に忠実な“演技”や映像 監督を務めたのは、“人間の俳優を捉えるように動物の視点に立って撮る”と称される動物映像監督ギヨーム・メダチェフスキ(『アイロ~北欧ラップランドの小さなトナカイ~』(18))。今回、猫たちの生態や習性に忠実でありながら、驚くほどドラマを感じさせるルーたちの“演技”や情感に満ちた映像を生み出した。そして、猫をはじめとする動物たちのキャスティングや演出を手掛け、本作の感動を支えたのは、動物行動学を学び、これまで1000作以上の作品に携わってきたフランスの動物トレーナーの第一人者ミュリエル・ベック。ちなみに、ルー役をメインで演じたキジネコは、生後2か月の子猫の時期に撮影現場に入り、監督たちと一緒に過ごして現場で成長していったという。
 屋根裏から見降ろす美しいパリの街並み、ルーが駆け下りるアパルトマンの螺旋階段やルーの目線の石畳、別荘の森の瑞々しい緑・・・。フランスならではの風景の中、幸せを見出して明日へと踏み出す少女と猫の物語が、心に爽やかな風を吹きこむ。私たちは思う。きっとクレムにとって、ルーは、生涯忘れられない猫になるだろう、と。ちょうど、あなたにとって忘れられない猫がいるように—。

Story

パリで暮らす10歳の少女クレムが屋根裏で見つけたのは、生まれたばかりのキジトラの子猫。母猫とはぐれた子猫を、ルーと名付けて一緒に暮らし始める。両親の不仲に心を痛めていたクレムにとって、ルーとの生活は心安らぐ時間となっていく。そんなある日、森の別荘を訪れたクレムとルーだったが、森である出会いが――。

監督・共同脚本 ギヨーム・メダチェフスキ
インタビュー

インタビュアー
ジョゼフィーヌ・ルバール 2022年12月

ギヨーム・メダチェフスキ

  • Q:企画を引き受けたとき、動物の甘ったるい姿に夢中になる現象については考えましたか?
    “カレンダー症候群”とも表現されますが。

    最初から、デレデレした映画にするつもりはなかった。だから原作にある厳しい面を残したんだ。猫がネズミを殺す場面は、本の描写に忠実に従った。動物がいかに残酷かを感じるだろう。それでも現実を語る必要がある。映画館を出る観客に、嘘くさい映画だったと言われたくないんだ。猫がどんな動物なのかを語りたかった。つまり、彼らは可愛い時もあれば、狩りをする捕食動物として、獲物を弄ぶ時もあるとね。朝は庭で鳥を殺しながら、夜にはソファでゴロゴロ喉を鳴らすような動物なんだよ!猫が自由だということを子どもたちに理解してほしかった。そして、その自由をどう生きるか決めるのも猫なんだとね。

  • Q:『アイロ〜北欧ラップランドの小さなトナカイ』でもそうでしたが、あなたは見応えのある景色を背景に映画を撮影していますね。本作の撮影は、都市部周辺やフランス国内の森林地域など観客になじみのある環境でした。
    より“日常的な”環境での撮影は、あなたにとって挑戦でしたか?

    アフリカやラップランドは背景としては見応えがあり、観客に自然の魅力を伝えられる。大げさな言い方だけど、“録画”ボタンを押すだけでいい。人々が生活している環境を美しく見せる方が大変だ。離婚や動物を失うことも、多くの人が経験する出来事だ。だからこの映画で、私は安全な環境から踏み出したと言える。物語に入り込み、“何を撮りたいのか?”と問い続けることが本質なんだ。『アイロ〜北欧ラップランドの小さなトナカイ』の上映劇場で、ある母親が上映後に私の元にやってきて、こう言った。「ありがとう。あなたは私の子どもの成長に一役買ってくれた」。私も同じように、どうすればルーが子どもの成長を後押しできるか考えていたんだ。

  • Q:『ルー、パリで生まれた猫』は、人が誰かに従属しないことを表現しています。ましてや猫は……。

    私はどこかに所属するという考えに否定的なんだ。定住という考えも好きじゃない。“隷属”とか、“束縛”とかもね。だから私は猫が好きなんだ!でも、共有したり、交流したり、話を聞いたりはできる。他人に依存しなくてもいいんだ。大切なのは、分け合い、観察することなんだ。

  • Q:ルーを演じる猫たちをどうやって見つけたのですか?

    動物トレーナーのミュリエル・ベックが、動物愛護協会、農場などを探しまわってくれた。広告を利用して、本当にあらゆる場所で探したんだ。私はキジトラの子猫を希望していたから、彼女の負担はさらに大きくなった。つなぎの部分は大変だった。途中で猫を変える場合、縞模様が同じに見えなければならないからね。でも白猫には難聴の可能性があると言うし、黒だと表情が分かりづらくなってしまう。結局、ルーは4匹いたけど、そのうち1匹が安定していたから、80%はその猫で撮影した。その猫とは確かな関係を築いた。生後2か月半の時にやってきて、スポンジのように多くのことを吸収した。私たちと一緒に撮影現場で成長したんだ。唯一の難点には、現場に入ってから気づいた。私には猫アレルギーがあったんだ。猫が5、6匹いたら、途端につらくなる。だからある意味、新型コロナウイルスには救われた。マスクを着けての撮影だったからね!

  • Q:本作で少女を演じたキャプシーヌ・サンソン=ファブレスはどうやって選んだのですか?

    キャスティング・ディレクターが選んだ約800人のうち、紹介されたのは150人から200人だった。カメラテストでは、典型的な女の子をたくさん見たよ。お姫様のような“いかにも選ばれそうな”女の子たちだ。一緒に脚本を書いたミカエル・スエテは、クレムのイメージとして『リトル・ミス・サンシャイン』(06)の少女をあげていた。個性的な反逆児という感じのね。カメラテストで、私は課題を1つ出したんだ。ある場所にクロワッサンを置き、前にはバスケットを置いた。クロワッサンを猫、バスケットを壁に見立てたんだ。テスト参加者に、猫に対して壁の反対側に立つように言って、想像させたんだ。外に出たがっている猫を引き止めるために何と言うかをね。キャプシーヌだけがこう言ったんだ。「猫は出たがっているのに、なぜ止めるの?」彼女は物語の中に入り込むだけでなく、クロワッサンとバスケットを使って感情をかき立てることもできたんだ!

  • Q:撮影で最も難しかったのは?

    クレムと猫の間に存在する、ある種の共犯関係を感じさせることかな。彼らが互いに共生している雰囲気を出す必要があった。1人の子どもと1匹の猫には、多くの共通点がある。でもそれをどうしたら表現できるだろうかとね。

  • Q:過去の名作にならった場面が散りばめられていますよね……。

    もちろん、鶏小屋の場面は『ジュラシック・パーク』(90)への目配せだ。特にティラノサウルス・レックスが食堂に入るところだね。それから猫が人形の後ろに隠れるところは、明らかに『E.T.』(82)を連想させる。私はスティーブン・スピルバーグやティム・バートンの大ファンなんだ……。観客が元ネタの映画を当ててくれたら嬉しい。私はそうした映画に育てられたからね。

動物トレーナー ミュリエル・ベック
インタビュー

インタビュアー
ジョゼフィーヌ・ルバール 2022年12月

ミュリエル・ベック

  • Q:あなたの職業を知らない人には、どのように自己紹介しますか?そして、仕事をどう分類しますか?動物トレーナー?

    「Imprégnatrice」(※)は最近の言葉ね。私はむしろ動物の演出家と言いたいの。私の仕事は、動物に準備をさせて、撮影できる状態に仕上げること。子役の指導者と同じね。動物の習性を考慮しながら、慣れない環境で与えられた役を演じられるよう、管理するの。これは現代社会が促すこととは逆の価値に基づく仕事。つまり、忍耐や謙虚、尊敬などが重要なの。深い愛情も必要ね。何もかもコントロールしようと上に立ってはダメ。そうした立場から離れなければならないと思っているの。


    ※:Imprégnatrice 訳註:浸透、受胎、感応遺伝などの意味のある「imprégnant」(英語はimpregnation)を「〜させる人」の形に変化させた語

  • Q:どんな動物でもカメラの前で演技ができるのですか?

    ええ。中にはより映画向きの動物もいるけどね。私はアリやハエを演出したこともある。種に関する知識があり、適切な扱い方ができれば可能よ。

  • Q:ルーを演じた猫を見つけたのはあなたですね。どのような経緯でしたか?

    厳しい制約がいくつもあったけど、その中にキジトラ猫という条件があったの。やっとの思いで個人の家で見つけたの。なぜあの猫を選んだのかって?感覚的な問題だから、説明できないけど…。最も難しいのは、喜びや驚きの感情を表現させることね…。ネコ科動物の感情は、例えば犬と比べても読み取るのが難しいの。犬は目を細めたり、耳を動かしたりするけどね…。それに対して猫は、それほど感情を表現しない。それが監督と私の共通の課題だった。とても繊細な仕事だったから、実験的だったともいえる。金細工職人の仕事さながらね!まさにすべてが冒険だった。「ルーが森に呼ばれるのを感じている演出は?」「恋に落ちた場合は?」ってね。

  • Q:どのように動物を演出するのですか?

    刺激を与えて、自然な行動を促すの。猫は家畜に分類される動物だから難しい。でも私は、野生動物だと思って取り組む。つまり、動物を飼い慣らすとは、どういうことか?人間の役に立つ動物として選ばれたとしても、野生動物なのは変わらない。確かに猫の品種を作り出したのは人間。でも行動の観点から見ると、ネコ科の動物が人間との交流で変化したことはなかった。人間は穀物の保存のために猫を仲間にしたけど、猫の役割は古代エジプト時代から発達してないの。例えば“番猫”なんて存在しない。人間と関わっても変わらぬまま、自由な個として残った。事実上のボスは彼らなの。愛撫を望めば求めるし、気が向けば私たちを認めてくれる……。

  • Q:そんなに難しい動物とどのように仕事を進めたのですか?

    映画の錬金術と魔法ね。印象派の絵のようとでも言うのかな。キャンバスはさまざまな絵の具が塗られることで生きるけど、映画も同じ。撮影チームのみんなが頭をひねることで完成するの。それぞれが自分の持ち場で力を尽くした。例えば猫が目配せする時は、監督はその瞬間を捉える準備を整えておく必要がある!また動物は、すばらしいサプライズを与えてくれることもある。ぬいぐるみがたくさん出てくるシーンは、非常に簡単に、ごく自然に撮影できた。猫はじっとしたままだった。理想の世界で見る完璧な夢のようで、それもほんの一瞬でできたの!

  • Q:俳優と動物の関わり方も指導したのですね?

    ええ、動物たちには共演者がいるから。キャプシーヌと猫の関係性を築くのが重要だった。でもそれを完全に達成することも「猫は彼女の最高の親友になる」などと言うことも不可能だ。彼らが一緒にいる時間を作り、なつかせるの。コリンヌ・マシエロと犬については、それほどの仕事はなかった。彼女も犬もキャリアが豊富だったから。

  • Q:特に印象に残ったシーンはありますか?

    幕開けの屋根裏部屋のシーンね。そこで、どんな物語かが示される。母猫を追う子猫に強いエネルギーと欲望を感じる場面ね。鶏小屋のシーンもそう。最初はどんなシーンにするか、決まっていなかった。移動中に考えたの。鶏の動きを細かく研究した。スピード感のある単純なシーンから、より複雑なものを得られた。さらに、イノシシが走る場面では、決まったルートを正確に、一定の速度で走らせる必要があった。猪はカメラの前を嬉しそうに跳ね回ってた。少女をむさぼり食う欲望を表現するべき場面であるとはつゆ知らずにね!

  • Q:ルーを演じた猫たちは、どうしていますか?

    私の家にいて、今も活躍してる!『ルー、パリで生まれた猫』以降も、すでに撮影はしている。もう立派な役者と言っていいかもね。驚くことではないのよ。カメラの前で成長したということだから!

フランスの猫事情

レティシア・バルーラン(獣医師、ジャーナリスト)
参照:FACCO/Kantar(2018、2020)、
Ipsos/SantéVet(2019)、Wamiz(2020)の調査

猫 フランスの情熱

広告、書店の棚、SNS、そしてもちろん家の中。猫はいたるところにいる。その数は推計1,510万匹(フランス)と、犬の2倍であり、フランスで最も飼われているペットである。フランスでは3人に1人が少なくとも1匹の猫を飼う一方、犬を飼っているのは、5人に1人だ。子供も大人も、7カ月の赤ん坊から77歳以上まで、この国の人間たちは猫への情熱にとらわれているのだ。要するに、猫は21世紀の動物なのである。

神から悪魔へ
神から悪魔へ

猫の歴史を辿ると、その情熱は驚くべきもので、二つとないものである。何世紀もの間、我らがネコ科の動物は、時に受け入れられ、時に崇拝され、狩られることもあった。家庭で愛される仲間としての地位を確立したのは最近だ。彼らは1万年以上、人間のそばで存在を示してきた。飼い慣らされるようになったのは、農業が誕生し、穀物の貯蔵が習慣化した時期と一致する。収穫物は作物を荒らす動物を呼び、その動物は捕食動物を呼ぶ。こうした経緯で、人懐っこい傾向にある猫は集落に近づき、人間と親しくなっていった。この時に芽生えた関係性は、双方にとって都合が良かった。
一方の生命は、一方に依存して長くなった。ファラオの時代、猫の姿をしたバステト神は、家庭の喜びや音楽、ダンスの女神だった。子どもや妊婦の守り神としても崇められた。ギリシャ、ローマ時代には敬遠され(鳥の捕食動物として嫌われた)、中世には不幸にも黒猫は闇を連想させ、悪魔として迫害された。猫は狂信的な迷信の対象だったが、やっとのことで灰の中から再生した動物なのだ。ネズミを狩る役として家庭に迎えられ、その後少しずつペットになったのである。

都会の猫
都会の猫

フランス人の10人に6人は、猫を完全なる家族の一員としている。猫と飼い主である人間(猫が人間の飼い主か?)の関係は、情緒に根ざしている。犬と同じかと言われると、そうだ。だが、猫の方が少し優位にある。猫は都会の住人に承認されているからだ。大都会に住む猫は全体の40%である一方、犬は30%だ。猫を飼う場合、スペースが狭く時間がない人でも制約が少ない。猫は清潔で、外へ連れ出す必要もなく、1日16時間から18時間眠る。孤独もいとわないため、行動派の飼い主も気を遣わなくていい。子どもから独身の大人、カップルやお年寄りまで同じように受け入れられる。カップルの最初で最後の“子ども”になることも多々ある。テレワークの最適なパートナーと言われるのは、静かでストレスの解消になるからだけではない。ビデオ会議の場に姿を現して楽しませることからも明らかだ。2020年は、95%の飼い主にとって、猫が外出禁止時の最高の仲間になった。

ゴロゴロセラピー
ゴロゴロセラピー

なぜ猫を飼うのか?と質問すると、大多数(81%)はこう答える。猫を愛しているから!74%のフランス人にとってもそれは同じだ。猫はとりわけ混沌としたこの時代における貴重な充足感の一要素なのである。猫は理想の静寂の存在であり、超然とした態度や(世界の騒乱にもまったく動じないように見える)姿を見せる。いつも同じしきたりで、励ますように喉をゴロゴロ鳴らし、人の心を和らげる。このゴロゴロ音と毛の感触は抗不安薬として認められている。ゴロゴロ音には、瞑想と同じように人間を落ち着かせる効果があるのだろう。複数の研究によれば、猫をなでると血圧が下がり、心拍が落ち着くという。アドレナリンとコルチゾールといったストレスホルモンを抑え、エンドルフィンという幸福感をもたらすホルモンの分泌を促す。さらに、猫を飼うと心臓発作のリスクが37%軽減されるという。梗塞症を起こしても、猫(あるいは犬)と生活している人は、回復する可能性が9倍高いということだ。これは処方箋に猫と書くべきである!

子どもの仲間
子どもの仲間

滑稽だが、ほろりともさせられる。予測不可能で驚かされることもあれば、謎めいた不穏な顔も持つ。そんな猫に視線を向けずにはいられない。その筆頭が子どもたちだ。親友であり、遊び仲間でもある。猫は安心感をもたらし、子どもの精神的成長も助ける。忍耐強く、反論もせず叱りもしない理想の話し相手なのだ。子どもは日々について語り、気持ちを打ち明け、疑問や想像の物語を猫に聞かせる。ストレスを和らげ、つらいときや寂しい時は気晴らしになる存在だ。よって、両親が離婚する際には、とても大きな支えになるのだ!猫は自分の世話をしてくれる子どもを尊重する。猫が繰り返し話題になることで、周囲との対話も円滑になる。驚くことに、猫がいると子どもは早く読み書きを覚えるという。近い将来、学校で補助教員として働く猫を見ることになるかも?

Yes we cat !
Yes we cat !

猫への愛や情熱は、“ロルキャット”(※1)という現象にも現れている。見る者を泣かせ、笑わせる猫の映像はネット上にあふれており、合計で数十億回も閲覧されている!猫への愛に燃えるあらゆる人たちが、愛好家の名に恥じることなく、フワフワの写真を投稿し、プロフィールを作成する。丸い目をして、つかみどころのない子猫を見ると、骨抜きにされてしまう。子猫は人間が持つ親としての本能を目覚めさせるという科学的な説もある。そして猫といえば、「ガストン・ラガフ」(※2)に描かれる猫だ。おっちょこちょいで、すこぶる魅力的なアンチヒーロー。紙の箱にはまったり、飛び上がり損ねて幼稚な失敗を繰り広げたりする姿に、みんなが大笑いする。2005年にアメリカのネット閲覧者7,000人を対象にした研究では、ロルキャットにはストレスを緩和する効果があるそうだ。さらには、その姿を画面越しで見るのも、オフィスや学生の復習の場で生かされるという。見た後は集中力が高まり、難しい課題も対処できるのだ。だが何よりも、猫の存在には現代社会における価値が見て取れる。独立と自由だ。群れない一面や既存の枠に収まらない側面は、私たちの欲望を映した鏡のようでもある……。猫はまさに世界の真の飼い主になったのである。
※1:ロルキャット lolcat:多くの場合ネコの画像にユーモラスで風変わりなキャプションを、造英語で付けたもの。
※2:ガストン・ラガフ  Gaston Lagaffe:1957年にベルギーの漫画家 アンドレ・フランカンが「スピルー」に掲載したコミック・ストリップおよび同作の主人公。

About the cast

About the animals

ルー ルー キジトラ

子猫。のちに大人の猫になる。
本作の主人公

カリーヌ カリーヌ 白猫

ルーが恋する猫