第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品
ポルトガルの世界遺産、シントラの町を舞台に、イザベル・ユペールが贈る、儚くも美しき人生の物語

イザベル・ユペール「エル ELLE」 ポルトガル、夏の終わり

Frankie
各界から絶賛の声続々!!
8月14日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 他全国順次公開
配給:ギャガ GAGA★ 後援:ポルトガル大使館、ポルトガル政府観光局

Introduction

イザベル・ユペール主演で贈る、
儚くも美しい人生の物語。
映画史に残る、
繊細で美しいエンディングに胸が震える—

女優フランキーは、夏の終わりのバケーションと称し、“この世のエデン”と呼ばれるポルトガルの世界遺産の町シントラに一族と親友を呼び寄せる。自らの死期を悟った彼女は、亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしたのだ。しかし、それぞれに問題を抱えた家族たちの選択は、次第にフランキーの思い描いていた筋書きから大きく外れていき―。
アイラ・サックス監督の『人生は小説よりも奇なり』(14)に惚れ込んだイザベル・ユペールがラブコールを送り、それを受けた監督がユペールのために書き下ろした本作。脇を固めたのは、ブレンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエ、グレッグ・キニアら豪華実力派俳優陣。彼らが演じる、フランキーのワケありな親族や友人が繰り広げるドラマも見どころの一つだ。群像劇かのように見えていた物語の断片が、次第にパズルのように組み合わさり、やがて登場人物全員が初めて一堂に会して迎えるエンディング、私たちはその思わぬ感動に胸を打たれる。

幻想的な森、迷路のような路地、
西の果ての海―
類稀なる美しさを誇る
ポルトガルの世界遺産シントラ

本作のもう一つの主役と言えるのが、イギリスの詩人バイロン卿に「この世のエデン」と称されたポルトガルの世界遺産の町シントラ。フランキーがあてどなく彷徨う深い森、人生に迷う家族たちが往来する迷路のような路地、若者が淡い恋に出逢う“リンゴの浜”、その浜と町を繋ぐ赤い路面電車、そしてユーラシア大陸の西の果ての広大な海に沈む夕日など、このうえなく幻想的で美しい世界が、フランキーたちの人生模様を演出するかのようにスクリーンに映し出される。
そんな特別な地で過ごす、ある夏の終わりの1日。早朝から日が沈む夕景が映し出されるまで。本作で描かれるのはこの短い時間だけであり、さらに登場人物の背景や感情が声高に説明されることはない。だが、劇中で交わされる何気ないやり取りや仕草、表情からは、フランキーと家族それぞれの過去、現在、そして未来―ゆったりと流れ、決して止まることのない彼らの人生の姿がありありと浮かび上がってくる。2019年の第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、大きな話題となった感動の人生劇場が、いよいよその幕を開ける。

Story

迎えた最後の夏。
ポルトガルの世界遺産シントラの町を舞台に、
女優フランキーが仕組んだ〈家族劇〉とは−。

フランキー


夏の終わり。シントラのホテルのプールで、水着を脱いで泳ぐフランキー。義理の孫が「人に見られるよ!」と注意を促すが、「私はフォトジェニックなの」と気にしない。彼女はヨーロッパを代表する女優であり、自身の余命があと僅かだと知っている。

それぞれの人生


ポルトガルの避暑地、シントラ。深い森と美しい海に恵まれ、歴史ある城跡が点在する世界遺産にも認定された神秘的な町。女優フランキー(イザベル・ユペール)は、この地に家族や友人を呼び寄せる。夫、かつての夫、息子、義理の娘の家族、さらには最も信頼し、愛する年下の友人。何気ない夏の終わりの休暇の様相を呈していたが、実は自らの余命が長くないと知るフランキーが、最愛の者たちの人生を今のうちに少しだけ演出しようと仕組んだ集まりだった。しかし、集められた家族達は、この旅がそれぞれの人生のターニングポイントとなることなど、その時誰も想像だにしていない。
アイリーン(マリサ・トメイ)はニューヨークを拠点にする映画のヘアメイクアップアーティスト。フランキーの信頼も厚く、彼女の仕事関係で唯一の友人と言える存在だ。フランキーの誘いを受け、恋人で映画の撮影監督でもあるゲイリー(グレッグ・キニア)とこの地を訪れるが、フランキーにとってゲイリーは、なにか軽く、底が浅い男に思える。大切なアイリーンのパートナーとして、ふさわしくないと直感が囁くのだ。そして何より、ニューヨークへの移住が決まっているものの、どこか情けないフランキーの息子ポール(ジェレミー・レニエ)と彼女が結ばれることを強く望んでいた。アイリーンは到着早々にゲイリーからプロポーズを受けるが、その性急な申し出にどうも気持ちが付いて行かない。一方、母からアイリーンを暗に勧められたポールも、母の敷いたレールの上を進むような人生に抵抗を感じている。
義理の娘シルヴィア(ヴィネット・ロビンソン)は結婚生活に問題を抱えていた。夫と一人娘の3人家族でこの旅にやってきたが、彼女は夫との離婚を望んでおり、この休暇中にも娘と2人で暮らせるアパートを隠れて探し続けている。娘のマヤは思春期で、両親の不仲に敏感に反応し、シルヴィアを追い詰めてくる。今回もいつも通り母と衝突したマヤは、ひとり“リンゴの浜”へと向かい、そこで同年代の少年と出会う。両親が離婚しているという彼との会話は、マヤの心になにか温かいものを残すのだった。
フランキーの夫ジミー(ブレンダン・グリーソン)は、その日の朝、目を腫らしていることを、朝食を買いに立ち寄ったパン屋のマダムに指摘される。アレルギーだと取り繕ったが、本当は違う。最愛のフランキーとの出会いは鮮烈で、彼女からのアプローチで結婚生活が始まった。フランキーはジミーの前に、この旅行にも参加しているミシェル(パスカル・グレゴリー)と結婚していたが離婚。彼女と離婚した後に、自らがゲイだと気付いたミシェルはジミーに忠告する。「フランキーの後は、物事が変わる。人生が変わるんだ。」

最後の物語


眼下に海を臨む神聖なペニーニャの山。夕刻に山頂に集まるようフランキーから言われていた家族や友人が、初めて一堂に会する。燃えるような夕陽に照らされる、ユーラシア大陸の西の果ての広大な海を全員で眺めながら、やがてフランキーはあることに気付くが―。

Diagram

人物相関図

第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

忘れられない卓越したエンディング!-ザ・ニューヨーカー
いま最も変幻自在な女優イザベル・ユペール クールな表情から、感情が匂い立つ-ワシントン・ポスト
ポルトガルの避暑地、緑豊かなシントラは息を呑む美しさ-ハリウッドレポーター

ポルトガル、夏の終わり - Frankie

イザベル・ユペール - フランソワーズ・クレモン(フランキー)

イザベル・ユペール

フランソワーズ・クレモン(フランキー)

Isabelle Huppert

1953年3月16日、フランス・パリ出身。ヴェルサイユの音楽・演劇学校やパリの国立高等演劇学校などで学び、72年『夏の日のフォスティーヌ』で映画デビュー。クロード・シャブロル監督の『ヴィオレット・ノジエール』(78)とミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』(01)でカンヌ国際映画祭女優賞、シャブロル監督の『主婦マリーがしたこと』(88)と同監督の『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』(95)でヴェネチア国際映画祭女優賞、フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』(02)でベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)に輝く。さらにポール・ヴァーホーヴェン監督の『エルELLE』(16)でアカデミー賞®主演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。その他の主な出演作は、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手に逃げろ/人生』(79)、シャブロル監督の『ボヴァリー夫人』(91)、ハル・ハートリー監督の『愛・アマチュア』(94)、ハネケ監督の『愛、アムール』(12)、ミア・ハンセン=ラヴ監督の『未来よ こんにちは』(16)、ハネケ監督の『ハッピーエンド』(17)、ブノワ・ジャコー監督の『エヴァ』(18)、ニール・ジョーダン監督の『グレタ GRETA』(18)など。
ブレンダン・グリーソン - ジミー(フランキーの夫)

ブレンダン・グリーソン

ジミー(フランキーの夫)

Brendan Gleeson

1955年3月29日、アイルランド・タブリン出身。息子は俳優のドーナル・グリーソン。90年、ジム・シェリダン監督の『ザ・フィールド』で映画デビュー。メル・ギブソン監督作『ブレイブハート』(95)でハリウッドに注目され、ジョン・ウー監督の『M:I-2』(00)、スティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』(01)、マーティン・スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』(01)、M・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』(04)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)をはじめとするシリーズなど大作に多数出演。その他の主な出演作は、ダニー・ボイル監督の『28日後…』(02)、ゴールデングローブ賞主演男優賞と英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『ヒットマンズ・レクイエム』(08)、ロン・ハワード監督の『白鯨との闘い』(15)、トム・ムーア監督の『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(14)、英国インディペンデント映画賞助演男優賞を受賞した『未来を花束にして』(15)、ジョエル・ホプキンス監督の『ロンドン、人生はじめます』(17)など。
マリサ・トメイ - アイリーン・ビアンキ(フランキーの友人)

マリサ・トメイ

アイリーン・ビアンキ(フランキーの友人)

Marisa Tomei

1964年12月4日、アメリカ・ニューヨーク出身。92年、ジョナサン・リン監督の『いとこのビニー』でアカデミー賞®助演女優賞を受賞した他、トッド・フィールド監督の『イン・ザ・ベッドルーム』(01)、ダーレン・アロノフスキー監督の『レスラー』(08)でも同賞にノミネートされる。その他の主な出演作に、グレン・フィカーラ監督の『ラブ・アゲイン』(11)、ジョージ・クルーニー監督作『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』(11)、マーク・ローレンス監督の『Re: LIFE ~リライフ~』(14)、アイラ・サックス監督の『人生は小説よりも奇なり』(14)、アダム・マッケイ監督の『マネー・ショート華麗なる大逆転』(15)や、マーベル・シネマティック・ユニバースの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)、『スパイダーマン:ホームカミング』(17)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)など。
ジェレミー・レニエ - ポール・ガニエ(フランキーとミシェルの息子)

ジェレミー・レニエ

ポール・ガニエ(フランキーとミシェルの息子)

Jérémie Renier

1981年1月6日、ベルギー・ブリュッセル出身。96年、ダルデンヌ兄弟監督作『イゴールの約束』で国際的な注目を集め、再びダルデンヌ兄弟と組んだ『ある子供』(05)でヨーロッパ映画賞男優賞にノミネート。実在のミュージシャンを演じた『最後のマイ・ウェイ』(12)でセザール賞の主演男優賞にノミネート、『SAINT LAURENT/サンローラン』(14)で同助演男優賞の候補となった。フランソワ・オゾン監督の『クリミナル・ラヴァーズ』(99)、『しあわせの雨傘』(10)、『2重螺旋の恋人』(17)にも出演。その他の主な出演作はオリヴィエ・アサイヤス監督の『夏時間の庭』(08)、ダルデンヌ兄弟の『少年と自転車』(11)や『午後8時の訪問者』(16)、トラン・アン・ユン監督の『エタニティ 永遠の花たちへ』(16)など。
パスカル・グレゴリー - ミシェル・ガニエ(フランキーの元夫)

パスカル・グレゴリー

ミシェル・ガニエ(フランキーの元夫)

Pascal Greggory

1954年9月8日、フランス出身。フランスを代表する名優で、子供の頃から映画、舞台、テレビで活躍。エリック・ロメール監督の『美しき結婚』(81)、『海辺のポーリーヌ』(83)、『木と市長と文化会館/または七つの偶然』(92)や、パトリス・シェロー監督の『王妃マルゴ』(94)、『愛する者よ、列車に乗れ』(98)、『ソン・フレール ―兄との約束―』(03)、『ガブリエル』(05)などに出演している。その他の主な出演作は、アンドレ・テシネ監督の『ブロンテ姉妹』(79)、ジャック・ドワイヨン監督の『ラジャ』(03)、オリヴィエ・アサイヤス監督の『冬時間のパリ』(18)、ロウ・イエ監督作、オダギリジョーとも共演した『サタデー・フィクション』(19)など。オリヴィエ・ダアン監督の『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(07)でセザール賞の助演男優賞にノミネートされている。
ヴィネット・ロビンソン - シルヴィア・オンド(ジミーの娘、フランキーの義理の娘)

ヴィネット・ロビンソン

シルヴィア・オンド(ジミーの娘、フランキーの義理の娘)

Vinette Robinson

1981年、イギリス出身。17歳の時に「ザ・コップス」(98)でTVデビュー。主な映画出演作にマイク・リー監督の『ヴェラ・ドレイク』(04)、オル・パーカー監督の『四角い恋愛関係』(05)、ルーク・スコット監督の『モーガン プロトタイプ L-9』(16)など。またベネディクト・カンバーバッチ主演の人気TVドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シリーズや、NETFLIXのSFドラマ「ブラック・ミラー」シリーズなどでも活躍している。
グレッグ・キニア - ゲイリー・アーチャー(アイリーンの恋人)

グレッグ・キニア

ゲイリー・アーチャー(アイリーンの恋人)

Greg Kinnear

1963年6月17日、アメリカ・インディアナ州出身。アリゾナ大学でジャーナリズムを学び、卒業後テレビ業界でクイズ番組の司会者として人気を博す。その後、NBC深夜のトーク番組『レイター・ウィズ・グレッグ・キニア』のホストに就任。映画ではシドニー・ポラック監督の『サブリナ』(95)でハリソン・フォードと共演し、ジェームズ・L・ブルックス監督の『恋愛小説家』(97)ではアカデミー賞®とゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネート。その他の主な出演作は、ノーラ・エフロン監督の『ユー・ガット・メール』(98)、リチャード・リンクレイター監督の『がんばれ!ベアーズニュー・シーズン』(05)、ジョナサン・デイトン監督の『リトル・ミス・サンシャイン』(06)、ポール・グリーングラス監督の『グリーン・ゾーン』(10)、デイヴ・マッカリー監督の『ブリグズビー・ベア』(17)など。
監督・脚本 - アイラ・サックス

監督・脚本 アイラ・サックス

Ira Sachs

1965年11月21日、アメリカ・テネシー州出身。数本の短編を手掛けたのち、96年に『ミシシッピの夜』で長編映画監督デビューを果たす。アメリカ南部に暮らす白人と黒人の少年の同性愛を描いた本作は、日本でも98年の第7回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映された。以降、自身の作品ではプロデューサー、監督、脚本を担当。05年、『Forty Shades of Blue』でサンダンス映画祭審査員賞を受賞。その他、『ああ、結婚生活』(07)、『人生は小説よりも奇なり』(14)などの作品を手がける。現在は、ニューヨークを拠点に活動。