第76回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞
第96回アカデミー賞 国際長編映画賞 フランス代表
名匠トラン・アン・ユンが描く料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わう感動の物語
美食のスペクタクル ——VARIETY
21世紀で最も偉大な料理映画 ——HOLLYWOOD ELSEWHERE
五感の祭典 ——DEADLINE
美食の饗宴に、陶酔 ——TIMEOUT
最高の料理映画 ——THE TIMES
『バベットの晩餐会』など、偉大な料理映画の系譜に連なる——INDIEWIRE
トラン・アン・ユンの原点回帰 ——ION CINEMA
INTRODUCTION
食を芸術に高めた二人に心と味覚を揺さぶられる 新たなるグルメ映画の金字塔!

 19世紀末、フランス。森の中に佇む美しいシャトーに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが、究極のメニューを次々と創り出す。ウージェニーを演じるのはオスカー女優のジュリエット・ビノシュ(『ショコラ』『真実』)、ドダンにはブノワ・マジメル(『ピアニスト』『愛する人に伝える言葉』)。深い絆と信頼で結ばれ互いをリスペクトしているが、プロとして自立しているウージェニーは、ドダンのプロポーズを断り続けてきた。そんな二人の料理への情熱と愛の行方が描かれる。
 監督は繊細な映像美で高く評価されるトラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『夏至』『ノルウェイの森』)。調理過程の撮影はワンカット、魚や肉を焼く音が音楽、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。新たな文化が繁栄した時代"ベル・エポック"に、“美食”もまた芸術のひとつとして追求された。つまり、〈食〉とは一大エンターテインメントだということ。その深さと楽しさを存分に堪能させてくれる、〈新たなるグルメ映画の傑作〉が誕生した!

STORY

〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが ── 。

STAFF
CAST

宣伝協力:ミラクルヴォイス 配給:ギャガ
The Pot-au-Feu/2023年/フランス/ビスタ/5.1ch/136 分/
字幕翻訳:古田由紀子 /
©2023 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA
Unifrance French Cinema Season in Japan 特別助成作品 

1962年、ベトナム生まれ。1975年、ベトナム戦争から逃れて、両親と弟とフランスに移住する。1987年、エコール・ルイ・リュミエールにて映画制作を学ぶ。1993年、フランスのスタジオにセットを組んでベトナムのサイゴンを再現した『青いパパイヤの香り』で長編映画監督デビュー。カンヌ国際映画祭に出品され、カメラ・ドール(新人監督賞)とユース賞を受賞し、フランス国内でも絶賛されてセザール賞新人監督作品賞を受賞する。監督2作目の『シクロ』(95)はヴェネチア国際映画祭にて最年少で金獅子賞を受賞する。続いて『夏至』(00)、ジョシュ・ハーネット、イ・ビョンホン、木村拓哉などワールドワイドなキャストが出演した『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(09)を監督する。2010年には、作家・村上春樹の世界的ベストセラー小説を映画化した『ノルウェイの森』を手掛け、松山ケンイチ主演で全編を日本で撮影する。2016年、オドレイ・トトゥを主演に迎え、19世紀末のフランスを舞台にした『エタニティ 永遠の花たちへ』を監督する。
本作『ポトフ』(23)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞する。

1950 年、フランス、リヨンの南西80キロの山間にある小さな村アピナックに生まれる。両親も料理人。パリやリヨンでシェフとしてのキャリアを積んだ後、1977 年に父親の経営するレストランを引き継ぐ。1981 年に独立し、サンテチエンヌに自身の名前を冠した「ピエール・ガニェール」をオープンし、5年後にミシュラン二つ星を獲得。1993 年にパリに移転後、三つ星を獲得。しかし、1996 年に負債により星を返上して閉店。それから半年後に支援者を得てパリで再開し、1997 年に二つ星、1998 年には三つ星に返り咲く。その前衛的かつ独創性と芸術性に満ちた料理から、「厨房のピカソ」と讃えられる。
2001年には、フランス国立農学研究所の物理化学者エルヴェ・ティスと協力して分子ガストロノミーを研究、共著で「料理革命」を出版する。
日本には、2005 年に東京・南青山に初出店(2009 年閉店)。2010 年 3 月、ANAインターコンチネンタルホテル東京内に開業。
フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、国家功労勲章オフィシエを受章する。

1964年、フランス、パリ生まれ。最初に注目されたのは、巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(85)。日本では、レオス・カラックス監督の『汚れた血』(86)で人気を獲得する。フィリップ・カウフマン監督の『存在の耐えられない軽さ』(88)でアメリカに進出してからは、国際的に活躍する。賞レースにも常に名を連ね、『トリコロール/青の愛』(93)でセザール賞、ヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。さらに、アンソニー・ミンゲラ監督の『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でアカデミー賞🄬に輝き、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、続く『ショコラ』(00)でも再びアカデミー賞🄬とゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。カンヌ国際映画祭では、『トスカーナの贋作』(10)で女優賞を受賞する。
その他の主な出演作は、ルイ・マル監督の『ダメージ』(92)、オリヴィエ・アサイヤス監督の『アクトレス~女たちの舞台~』(14)、是枝裕和監督の『真実』(19)など。

1974年、フランス、パリ生まれ。『人生は長く静かな河』(88)で映画デビュー、才能あふれる子役として注目される。その後、アンドレ・テシネ監督の『夜の子供たち』(96)でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされ、ミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』(01)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞し、実力派俳優として認められる。2015年には、エマニュエル・ベルコ監督の『太陽のめざめ』でカトリーヌ・ドヌーヴと共演し、セザール賞助演男優賞を受賞する。ベルコ監督の『愛する人に伝える言葉』(21)で再びカトリーヌ・ドヌーヴと今度は親子役で共演し、セザール賞主演男優賞に輝き、今やフランス映画界を背負う存在となる。ジュリエット・ビノシュとは『年下のひと』(99)で共演し、一時期パートナーであった。
その他の主な出演作は、ルイ14世を演じた『王は踊る』(00)、『銀幕のメモワール』(01)、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』(04)、『パリ、憎しみという名の罠』(17)、『地下室のヘンな穴』(22) 、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『パシフィクション』(22)、同映画祭「ある視点」部門で上映された『Rosalie(原題)』(23)など。