人類史上最も熱い、パパの愛と野望。

ダンガル きっと、つよくなる

4月6日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国公開 4月6日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国公開
NEWS TRAILER インド映画 世界興収 史上NO.1

Introduction

父の夢をまとった姉妹が
レスリングで世界に羽ばたく
壮大な逆転サクセス・ストーリー

  • インド映画の世界興収歴代第1位の座を奪取し、中国では『君の名は。』の記録のダブルスコアとなるモンスター級のヒットを樹立、今も各国で記録を更新中の話題の大興奮作。
    圧巻の面白さと感動で人々の心をわしづかみにしたのは、レスリング一直線の熱血パパと2人の娘たちの実話。「巨人の星」の星一徹ばりの過酷な特訓を強いるパパに、「猛烈すぎる!」と驚いた観客も、因習、悪徳コーチ、挫折、世界の壁……いくつもの限界を、娘を支えながら共にブチ破っていくその姿に魂を燃やされる。やがて彼の真の目的が明かされた時、観る者の涙腺は決壊、クライマックス30分は爽快な涙が止まらない。

  •  レスリングの国内チャンピオンになったものの、生活のために引退したマハヴィルは、金メダルの夢を息子に託すはずだったが、授かったのは、娘、娘、娘、娘──。やむなく夢は諦めたが、十数年後にケンカで男の子をボコボコにした長女ギータと次女バビータの格闘センスに希望を見出し、翌日から2人を鍛え始める。男物の服を着せ、髪を切り……暴走するマハヴィルの指導を見た町の人々は一家を笑い者にするが、父の信念は曲がらない。やがて2人は目覚ましい才能を開花させ始める──。

  •  頑固一徹なパパに扮するのは、公開時にインドで歴代興行成績を塗り替え、日本でも大ヒットを記録した『きっと、うまくいく』のアーミル・カーン。50本を超える作品に出演し、国内外で数々の権威ある賞に輝くインドの国民的スターだ。
    ギータとバビータの子供時代と成長してからを演じる4人は、厳正な健康チェックを含むオーディションで選ばれた。父との葛藤に揺れるギータを情感豊かに演じたファーティマー・サナー・シャイクと、家族の絆を取り戻そうとする愛らしいバビータを演じたサニャー・マルホートラは、すべての試合シーンを自分たちで演じている。彼女たちを一流のアスリートかつ女優に育て上げた監督は、ニテーシュ・ティワーリー。

  •  “ダンガル”とは、インド語でレスリングのこと。広い意味での情熱に溢れたファイターや、人間の尊厳も表し、闘い続ける者たちを称える言葉でもある。父から受け継いだ夢をまとい、姉妹がレスリングで世界へと羽ばたく壮大な逆転サクセス・ストーリーにして、全ての夢追い人へ贈る最高のエールが誕生した。

レスリングを愛しすぎた男、いつか息子を金メダリストに。
しかし、うちには娘しかいない——。そうだ!

  • 誰よりもレスリングを愛し、インドの国内チャンピオンにまで上りつめたが、生活のために引退したマハヴィル(アーミル・カーン)。母国に初の金メダルをもたらす夢は、まだ見ぬ息子に託した。ところが、待望の第一子は女の子。町の人々から伝授された“男の子を作る方法”を全て試しても、2人目も3人目も……なんと4人目も女の子。やむなくマハヴィルは夢を諦める。

     それから十数年後、長女ギータと次女バビータが、悪口を言う男の子をボコボコにし、マハヴィルは2人を叱るどころか歓喜する。娘たちの格闘DNAを信じたマハヴィルは、止める妻を試しに1年間と説得する。
     男物のTシャツと短パン姿で走らされ、お菓子もスパイス料理も禁止、ゲームやお出かけもなし。毎朝5時からの厳しい肉体改造が始まった。だが、女の子がレスリングなんてあり得ないと、一家はたちまち町の笑い者に。レスリング場の使用も断られ、マハヴィルは土のリングを作り、甥のオムカルに娘たちの練習相手をさせる。

     体力も気力も限界に達したギータとバビータは父親にやめさせてと懇願するが、許されるどころか髪を短く刈り込まれてしまう。ある夜、父に内緒で友達の結婚パーティに出掛けると、すぐにバレて激怒される。「あんな父親、要らない」と涙ぐむ姉妹に、意外にも花嫁が「いい父親よ」と諭す。幼い娘に家事を押し付け、14歳になったら顔も知らない男に嫁に出す自分の親と違って、マハヴィルは娘の未来のためを想っているというのだ。

  •  心を打たれた2人は翌朝から特訓に励み、才能は急速に開花していく。ギータがオムカルに勝った翌日、マハヴィルはギータを男子のレスリング大会へ連れて行く。
    最初は断られるが、話題になるとふんだ主催者に許可されて出場、ギータは破れたものの善戦し、拍手喝采を浴びる。その敗戦がギータの闘志に火をつけ、驚異の快進撃が始まった! やがてバビータも参戦、2人は男を投げ飛ばす少女としてたちまち人気者になっていく。

    いよいよ次は全国大会。男を負かしてきたギータに敵はいない。サブ・ジュニア、ジュニアと優勝し、さらに成長してシニアの全国チャンピオンを獲得、町の人々にも英雄として迎えられる。「ついに夢が叶ったね」と喜ぶオムカルに、「まだだ」と答えるマハヴィル。「俺の夢はお前が国際大会で金メダルを取った時に叶う」という父の言葉に、ギータはしっかりと肯くのだった。
     インド代表となったことで、国立スポーツ・アカデミーに入団するために、家族のもとを離れるギータ。そこで彼女を待っていたのは、外食やおしゃれもできる自由な生活と、「父親の教えは一切忘れろ」というコーチからの指導だったーー。

国宝級スター、アーミル・カーンの
すごさがわかる世界制覇作品

松岡 環
アジア映画研究者

  •  インド人観客は、アーミル・カーン主演作の公開を毎回、特別な感慨を持って迎える。
    その理由の一つは、アーミルの主演作が少ないことだ。年に1本、あるかなしかなので、観客はいつも、アーミル作品に対して飢餓状態に置かれている。そこで、「やっと公開か!」となるのである。

     もう一つの理由は、アーミルは出演作を厳選し、演じるにあたっては最大限の努力をする、ということを誰もが知っているからだ。それゆえ、彼の主演作にはハズレがない。観客はそれを確認しに行くだけなのだが、その確認作業こそが観客の至福の時なのである。

     アーミルの「最大限の努力」の中には、演技力だけではなく、極端な肉体改造も含まれる。『きっと、うまくいく』(2009)や『PK ピーケイ』(2014)では、極限まで体重をしぼって、実年齢より20歳も若い大学生役や全裸シーンをこなした。そして『ダンガル きっと、つよくなる』では、今度は何と体重を27㎏増やしたという。一体どんな映画なんだ、と人々はチケットの入手に奔走し、『ダンガル きっと、つよくなる』は2016年12月23日に封切られると即、興収は急上昇、3週間で当時歴代興収第1位だった『PK ピーケイ』を抜いたのである。

     実を言うと、『ダンガル きっと、つよくなる』が公開される半年前に、内容が似通った作品が封切られていた。サルマーン・カーンとアヌシュカー・シャルマー主演の『スルターン』(2016)である。主人公スルターンは女子レスリング選手に一目惚れし、レスリングを始めて結婚後世界選手権金メダル級の選手となるが、誕生直後の息子を亡くしたことで妻とも別居、落ち目となる。数年後、格闘技選手として立ち直った彼は妻との関係も修復、生まれた女の子にレスリングを教え始める、という物語だ。

  •  『スルターン』は『PK ピーケイ』には及ばなかったものの、歴代4位のヒットとなった。その記憶が薄れぬうちの、『ダンガル きっと、つよくなる』公開である。女子レスリング、父と娘、男児誕生の優位性に疑問を呈したフェミニズム、それに舞台がどちらもハリヤーナー州の田舎町という設定も似通っている。

     ところが蓋を開けてみると、やはりアーミルは強かった。『ダンガル きっと、つよくなる』を見た観客たちは、「逆ライザップ」とでも言うべきアーミルの加齢と共に太っていく肉体に圧倒され、苦虫をかみつぶしたような顔で娘たちを鍛える太鼓腹オヤジ演技に魂を奪われた。さらに、娘たちを演じたフレッシュ・フェイス4人に魅了され、家族の絆が最後に勝利する姿に涙した。そして、「♪ダンガル、ダンガル」と繰り返す力強い主題歌や、トレーニングを強いられた中学生の娘たちがコミカルに歌う「♪やめて父さん、私たち体を壊すわ(直訳:父さん、あなたは健康に有害よ)」は、ヘビロテ・ソングとなったのである。後者は、YouTubeでの再生回数が、全ヴァージョン合わせると軽く1億回を超えた。

     もちろん、公開してみると問題も起きた。実話に基づいた本作で、女子レスリング国家チーム・コーチのモデルとなった人が、「映画は事実に反している」と抗議の声を上げたのだ。だが、そこは映画に脚色が入っていることは皆、百も承知。それもまた話題作りに貢献して、2017年4月28日に『バーフバリ 王の凱旋』が公開されるまで、『ダンガル きっと、つよくなる』はインド国内興収、全世界興収共にインド映画の歴代トップに君臨した。

  •  『バーフバリ 王の凱旋』公開後は一時トップの座を奪われるが、そこでまた奇蹟が起きる。何と、中国で2017年5月5日に『摔跤吧!爸爸(レスリングして! 父さん)』のタイトルで公開されるとみるみるうちに興収を伸ばし、ついには『バーフバリ 王の凱旋』を抜き去ってしまうのである。それより前、3月24日に『我和我的冠軍女兒(私と私の金メダル娘)』のタイトルで公開された台湾や、8月31日に『打死不離三父女(殺されても離れぬ父と娘2人)』として公開された香港でも好成績を挙げ、かくして『ダンガル きっと、つよくなる』は世界中で最もヒットしたインド映画となった。

     中国の映画市場を制したことは、インド国民にとっては別の意味も持っていた。1947年のインド独立直後は友好関係にあった中印両国は、1962年の中印国境紛争で袂を分かち、敵対関係となる。近年、関係修復が進んではいるが、いまだに中国に対するインド国民の感情は微妙だ。その中国で大ヒットしたのだから、大きなニュースとなったのも当然である。もともと中国では、インド映画はネット視聴を中心によく見られており、中でもアーミル・カーン主演作は人気があるのだが、それでも12億9657万元(約224億円)稼いで2017年中国国内興収第9位となったのは、インド映画初の快挙であった。

     以前、『チェイス!』(2013)の公開時に来日したアーミル・カーンに対して、宣伝会社が「国宝級スター」という表現を使ったことがあったが、まさに今の彼はそのタイトルにふさわしい。すさまじい役者魂を目撃できる、世界制覇の重量級作品である。

監督・脚本:
ニテーシュ・ティワーリー

『Chillar Party』(11・未)で監督デビュー。本作でインド国際映画祭で最優秀児童映画賞、脚本賞を受賞。続く『Bhoothnath Returns』(14・未)もインドで大ヒットを収めた。脚本を務めたコメディ映画『ニュークラスメイト』(16/原題:Nil Battey Sannata)が埼玉SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016で上映され、好評を博した。