現代のセンスを纏った
19世紀の衣装と美術
マンスール監督は衣装について、「時代設定にしっくり合い、なおかつ現代人の感覚に訴えるファッショナブルでエレガントなものにしたかった」と説明する。「カロリーヌ・クーネルは、そんな衣装を見事に作り出してくれたわ。どのコスチュームもとても魅力的よ。時代設定は古いけれど、現代的な感覚の映画にしたかった。衣装はその鍵を握る大切な要素だわ」 初めての時代映画に主演したファニングは、「おもしろかったわ! 今までコルセットを付けたり、時代物の衣装を着たことはなかったの。立ち居振る舞いや姿勢はいつもと全然違ってくるわね。例えば、シーンの動きを確認する時は、普段着のスウェットで椅子に座っていたりするけれど、コルセットを付けてセットに戻ってくると、その動きは無理だって気付くの」と振り返る。また、パーシー・シェリーを演じたダグラス・ブースは、クーネルと協力して香水まで作った。 プロダクションデザイナーのパキー・スミスは、セント・ポール大聖堂近くから撮られた1880年代の写真を参考にした。主にゴドウィンの店や、その周りの道路の様子に反映されている。またスミスは、ファニングが映画のために実際に文字を書いたことに感謝する。「素晴らしかったね。それがあるとないとでは、大きな違いだ。どのように筆記が進められたかは、たくさんの文献が残されている。だから正確さを追求するのは、それほど難しいことではなかった」 ファニング自身も、「私が座って『フランケンシュタイン』を書いているシーンは全部100%好きよ。重大なシーンよね。スタッフが紙と羽ペンをくれたの。映画に収められた抜粋はすべて私の自筆。私が実際に書いたものよ」と胸を張る。