ヨアキム・トリアー監督 インタビュー
本作の独創的なアイディアはどのように生まれたのでしょう?
二つのものを融合することに興味があったんだ。一つは「テルマ」というキャラクターの物語。実存主義的な問題を抱えた若い女性が自分が何者なのか、ということを受け入れる。真の恐怖だ。もう一つは、異なるイメージを組み合わせ創造してみたかった。子供の頃にたくさん観たスーパーナチュラル・ムービー。同じようにたくさん観たイングマール・ベルイマンの映画。彼の映画の根底にあるのは人間の物語だよね。他にもブライアン・デ・パルマ監督作品とか、大友克洋監督の『AKIRA』。こういった作品はSFやスーパーナチュラルのストーリーを通して実存主義や人生における大きな疑問を描いている。日本映画ではよく人間の感情が描かれていると思うんだけど、昨今のアメリカのメインストリームな映画はアクションだけで人間の心が描かれていない。だから、この二つを組み合わせてみたかったんだよ。
この映画が素晴らしい理由の一つは、色んなユニークな要素がバランスよく融合されていてカテゴライズ不可能な点です。
ああ、そうだね。一つのジャンルになんてカテゴライズしてほしくないね!