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美しい星

about the movie

巨星・三島由紀夫が自ら愛した異色の【SF】小説を、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『紙の月』(14)の鬼才・吉田大八が悲願の映画化。舞台を現代に大胆アップデートし、ある日突然【覚醒】した「宇宙人」の姿を通して、現代いまを生きる「人間」を鮮やかに活写する。予測不可能に展開する三島×吉田ワールドに、リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介ら豪華精鋭キャストが集結。めくるめく宇宙的アンサンブルが、あなたの五感を圧倒する!

【覚醒】の先に見えてくるもの。それは、宇宙の片隅で生きるちっぽけな「人間」。そのささやかな営みが放つ一瞬のきらめき。絶望のなかのひとすじの希望。いま、渾身の人間賛歌が鳴り響く!

その手で“美しい星・地球”を救えると信じた、とある平凡な“宇宙人一家”の悲喜劇。

“当たらない”お天気キャスターの父・重一郎、野心溢れるフリーターの息子・一雄、美人すぎて周囲まわりから浮いている女子大生の娘・暁子、心の空虚をもて余す主婦の母・伊余子。そんな大杉一家が、ある日突然、火星人、水星人、金星人、地球人として覚醒。“美しい星・地球”を救う使命を託される。ひとたび目覚めた彼らは生き生きと奮闘を重ねるが、やがて世間を巻き込む騒動を引き起こし、それぞれに傷ついていく。なぜ、彼らは目覚めたのか。本当に、目覚めたのか——。
そんな一家の前に一人の男が現れ、地球に救う価値などあるのかと問いかける。

人物相関図

人物相関図

©新潮社

(※1)三島がドナルド・キーン氏に宛てた書簡より。
   「決定版 三島由紀夫全集〈38〉 書簡」(新潮社刊)所載。
(※2)発行部数は刊行当時1.5万部。2017/2現在、50万部を突破。

雑誌『新潮』に連載(62年1月号〜11月号)され、同年10月20日に単行本として新潮社より刊行された三島由紀夫の異色の【SF】小説。『金閣寺』(56)で成功をおさめた後、『宴のあと』(60)、『憂国』(60)、『獣の戯れ』(61)、『午後の曳航』(63)、『剣』(63)、『絹と明察』(64)などの問題作・重要作を続々発表した、著者37歳時の作品である。刊行時、その前衛的過ぎる設定で世間を大いに戸惑わせたものの、その後右肩上がりに熱狂的ファンを獲得していったロングセラー小説。故・大島渚監督をはじめ内外の多くの映画監督が映画化を望んだこともよく知られている。

1925年、東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。
ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

1963年生まれ、鹿児島県出身。CMディレクターとして国内外の広告賞を受賞する。2007年『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画監督デビュー。第60回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門に招待され話題となる。その後の監督作として『クヒオ大佐』(09)、『パーマネント野ばら』(10)。『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞受賞。『紙の月』(14)で第38回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞。
今年は舞台『クヒオ大佐の妻』を5月に上演予定。18年公開作として映画『羊の木』が待機中。

【映画化に寄せて】

作者曰く「トラジ・コミック」なのに、それがガラス扉付きの本棚に恭しく閉じ込められて古典扱いされたらそれこそ悲劇だから、2016年の現場でリアルに戦うためにあらゆる装備を更新することが、貪欲なまでに冷戦下の「現在」と関わろうとした作品精神に最大限の敬意を払うこととイコールだと信じます。
クライマックスの対話シーンは、人間をどう救うかについての宇宙人による論争であると同時に、圧倒的な力で捩じ伏せようとする小説と乾坤一擲の反撃を狙う映画との、壮絶な闘いになるでしょう。
そして、50年以上前に創られたこの「美しい星」こそがまさに今必要とされる物語なのだ、ということがこの映画によるアップデートで証明されるはずです。


あと、かなり笑えます。 2015年3月17日 吉田大八