カナダ北部のダイヤモンド鉱山でメタンガスが爆発!
坑道が崩れ落ち、26人の作業員たちが地下に閉じ込められてしまった!酸素が切れるまで30時間、それまでに救出に必要な抗口装置を取り寄せなければならない。バカでかい装置の輸送は飛行機にも大型ヘリにもムリ、トラックにしかできないと判明する。しかも、4月になった今は閉鎖されている最短コース、氷の道〈アイス・ロード〉を通らなければ間に合わない。
そんな神にも難しい〈死のミッション〉を空軍から依頼された、運輸会社の経営者ジム・ゴールデンロッド(ローレンス・フィッシュバーン)のもとに、トラックドライバーたちが集められる。
彼らの中からジムは、ベテランでアイス・ロード経験者でもあるマイク・マッキャン(リーアム・ニーソン)と、彼の弟で整備士のガーティ(マーカス・トーマス)を指名する。ガーティが戦地での負傷から患った失語症が原因で、兄弟は職場を転々としていた。今も会社をクビになったばかりだったが、ジムはガーティのスゴ腕を高く買ってくれた。
さらにもう一人、ジムの元部下のタントゥー(アンバー・ミッドサンダー)がチームに加わる。先住民としての誇りと怒りから、何かとトラブルを起こしているが、ドライブテクニックは一流だ。しかも、彼女の兄のコーディは、安否不明の作業員の一人だった。
救出装置が3基用意され、3台のトラックに載せられる。総重量30tの巨大トラックが1台でも到着すればOK、報酬の20万ドルは成功者のみで分けるという作戦と条件だ。社の命で同行する保険会社のトム・バルネイがタントゥーの助手席に乗り込み、遂に3台が氷の上へと滑り出す。
夜通し走り、やがて明るくなった視界には、美しい氷の世界が広がる。バルネイは「絶景だね。それほど危険には見えない」と、タントゥーに話しかける。だが、彼女の答えは、トラックの速度が速いと圧力波で氷が割れて水没、遅いとタイヤにかかる重みでやはり水没するという厳しいものだった。
さらに太陽が上昇し、水温が上がり始めたその時、ジムのトラックが異音を発して急停車してしまう。すぐにバックして助けに行くマイクに、タントゥーは「突き進むんでしょ」と不満を唱えるが、「いいから下がれ」と言われて渋々従う。ガーティがトラックを調べる間、牽引の準備にかかるマイク。するとトラックの重みに氷が負け、あっという間に後輪が沈んでしまう!
だが、それは、この命がけのミッションに立ちふさがる、膨大な試練への序章に過ぎなかった。自然の猛威、トライバー同士の対立、さらに事故に隠された危険な陰謀までが彼らを待ち受けていた——。