荒い波が打ちつける海岸で、化石を求めて岩場によじ登るメアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)。時は1840年代、イギリス南西部の海辺の町ライム・レジスに母親(ジェマ・ジョーンズ)と二人で暮らすメアリーは、独学だが古生物学者としてその名を知られていた。だが、大英博物館に展示されている魚竜イクチオサウルスの化石を発掘した栄光も遠い過去となり、今では生活のために観光客の土産物用アンモナイトを探して売っている。
そんなメアリーの店に、ロンドンから化石収集家のロデリック・マーチソン(ジェームズ・マッカードル)が、妻のシャーロット(シアーシャ・ローナン)を伴って訪れる。裕福なロデリックは、メアリーが磨き上げたアンモナイトを購入し、採集に同行させてほしいと頼み込む。人付き合いが苦手で社交界にも全く興味のないメアリーは露骨に迷惑そうな顔をするが、謝礼を弾むと言われて渋々受けるのだった。
ロデリックが町を去る日、メアリーはさらに迷惑な頼みごとを押し付けられる。流産のショックから立ち直れず、抜け殻のようになったシャーロットをこの静かな地で療養させるので、数週間預かってほしいというのだ。翌日、シャーロットは浜辺までついてくるが、不機嫌そうに黙ったまま何もしない。そうかと思うと突然、採集を見せろと要求するシャーロットに、メアリーは「口出ししないで」と冷たく言い放つ。憤慨したシャーロットは、一人で水泳を始めるのだった。
次の日、メアリーの店に現れたシャーロットは、高熱を出して倒れてしまう。往診した地元の医師から24時間の看護が必要だと言われたメアリーは、「冗談じゃない」と拒絶するが、苦しそうにうなされるシャーロットを見て心を変える。メアリーの献身的な介抱のおかげでシャーロットが完全に回復した時、二人の間に温かな感情が芽生え始めていた。
そんな中、メアリーは医師から自宅で開く音楽会に招待され、シャーロットを連れて出かけていく。だが、かつてメアリーと関係のあったエリザベス・フィルポット(フィオナ・ショウ)を紹介され、すぐに上流階級の輪の中に溶け込むシャーロットにショックを受けたメアリーは一人で帰宅してしまう。そんなメアリーの想いを深く汲み取ったシャーロットは、「今夜のあなたは輝いていた」と励ますようにメアリーの手を握るのだった。
翌日、一人では運べない大きな石を海岸から二人で持ち帰ると、それは価値のある化石だった。二人は発見の喜びと互いへの想いに満たされ、初めて知る幸せを抱きしめ合う。ずっと心に巣くっていた孤独から解放される悦び。だが、輝く日々は光のように過ぎ去り、シャーロットはロンドンへ戻ることとなる。一緒にロンドンで暮らしたいというシャーロット。しかし、メアリーが選んだ選択は――。